1節 征く為に言葉は贈られる8
トレーニングを始める直前、代行者は聖とアナに話し掛けた。
『お二方、私の名前は代行者ですが、それだと味気ないので、代行者の英訳である〝エージェント〟からエという文字を取って、気軽に〝エっちゃん〟とお呼び下さい。べ、別に呼んで欲しい訳じゃないんだからね!』
「何だコレ……」
呆れて呟く聖と違い、アナは髪を逆立てて怒声を吐いた。
「ただでさえ年上女性師匠棒読みツンデレ容赦無し無機物アンドロイドなのに、更に愛称の要求だと!? このアンドロイド、どれだけ属性を盛ろうというのだ!? 侮れん……ッ!!」
「何だコレ……」
◇
トレーニングルームにて、拳を互いに打ち込み、防ぎ、紙一重で回避するセイマリアとエっちゃん。
『聖様、状況とは常に変わり続けるものです。戦闘では尚更です。その場合、以下に自分の最大限のパフォーマンスを発揮し、維持出来るかが重要になります。が、先程申した通り、変わり続ける状況下ではそれも続かず、限界があり、次第に低下していきます。そうなった場合は、いかに限定的な状況下で最善の行動が出来るかも重要です。どれだけ型に嵌れるか、どれだけ型を破れるか。しかし、聖様は今のままでは最高だろうと最低になる暇も無く瞬殺されるので、後者の最善に立ち回る事を重点に鍛えます。まずは死なない様に努力しましょう』
「分かった」
「聖、今凄い貶されたぞ?」
「マジ!?」




