7節 我等に敵うなかれ2
緑のヘルティガンディを踏み伏せて降臨するは赤、白、緑の機装聖女。
「桐原護瑞……!!」
桐原護瑞が成る倶利諏尼だった。緑のヘルティガンディが飛び上がる。その勢いでクリシュニも吹き飛ばされるも、全身のスラスターを吹かしつつ姿勢を正して射撃。緑は射撃を弾いて接近する。
「オイオイオイオイオイ!!!」
『死んだわアイツ』
「いや死なねぇだろアイツ殴り合い強おわっと!!?」
突然の登場から突然の離脱。からの突然の横槍。黄色の射撃戦用ヘルティガンディから放たれる弾丸の雨霰に身体を削られる。ロザリオフィールドを展開してそれ以上の負傷を防ぎ、瞬時に立て直して鉄骨を取り出し投擲。
目眩まし兼攻撃の鉄骨は弾かれるも、セイマリアは瞬時に肉薄して渾身の右ストレートを叩き込んだ。
『2対2だ。少しばかりは、汚声で無様を晒す頻度が減るな』
「またやらかすって言うかい!!」
「1人でベラベラ喋って!!!」
相手のヘルティガンディにアナの声は届かない。脳内で小言をボヤかれ、独り言扱いされて狂人扱い。先程から散々踏んだり蹴ったりの扱いだったセイマリアは我慢の限界だった。
無言で振り払われたワイヤー。大きく横薙ぎに迫るワイヤーを黄色のヘルティガンディはしゃがんで回避。が、通り過ぎるワイヤーの後からもう1振りのワイヤーが追撃して絡み付く。
「どっせぇぇぇえええええいッッッ!!!」
怒号と共に一本背負い。弧を描きながら宙を舞う黄色い残光の先は――――。
『あ』
「やっべ!!!!」




