6節 黒く白く交われば5
重くて邪魔だろう? ――……切り落としてあげるよ――――聞き覚えのある言葉にして声。
「テメぇ……!! 地元襲った奴!!」
『うむ。あの時の貧乳だ』
忘れもしない怨敵。修道院を襲撃した先兵を遣わした憎き温室の、苺の仇。
苺の仇。
セイマリアは左手から鉄骨を取り出し相手の股下を狙った。飛び出る様に勢い良く突き上がる鉄骨に相手マリアは咄嗟に回避。離れた一瞬を突いてセイマリアも起き上がって追撃。ロングソードを右手に抜刀して肉薄する。両手に持って斬り上げ。敵マリアは身体を引いて紙一重で回避。セイマリアは手首を返して空振りになった剣先を迷わず8の字に翻し、自身の右から頭上目掛けてに刃を叩き込む。
瞬時に打ち込んだ一撃が、敵マリアの左手の人差し指と中指で挟んで受け止めた。
「な!?」
『――強くなったな』
相手の黒マリアは褒めた直後、刃を捻って聖を浮かばせて床に叩き付けた。
「ガハッ!!」
『いや……――怖くなったのか?』
「そう言うお前は、変わらず胸が薄いな!!」
分厚い右胸が左足で踏み躙られた。
『減らず口は下品になったな』
「ついでに派手になったぜ」
『何?』
敵マリアは右足に感触。視線を向けると、大量の爆弾が転がっていた。
『貴さ――』
「フィール――」
大爆発が2人を包みこんだ。




