表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/143

3節 赤恥を忌み嫌い、腹黒く、白々しくあれ9

E4ー1。遅れます。あとスランプ気味

 崩れる天井。差し込む眩い陽光から、巨大な影が覆い被さる。


『上から来るぞ! 気を付けろ!!』

「さっき聞いたぁ――」


 弱々しい声は、影に包まれて途絶える。全身を硬い何かに包まれたセイマリアは、それらを押し退ける様にそこから這い出した。強烈な視界を指す。


「眩ッ! 何の光?」

『日の光だ。外に出たぞ』

「外……?」


 目が慣れて視界が鮮明になる。目に映ったのは、水平線の彼方まで広がる煌めく大海原だった。眼下には、焼け焦げる巨大な物体が漂っている。


「アレって……」

『先程までいた巨大物体だ。つまりアレが〝ブループ〟の正体だ。動力源たるプランターを吾輩達が手中に収めた以上、もう音が響く事が無いだろう』

「そっか……」


 聖は寂しく呟くと、右手に持った聖杯に目を向ける。巨大な物体を、大昔から動かし続けた動力源。島1つ分を強靭に動かし続けた一杯。最初に手にした聖杯は、そのまま手にした故に強力さを実感出来なかったが、激闘と死地の末に手にした聖杯は、手にした重みが違かった。


『それが聖杯か?』

「あ? ええ? ああ。そう」


 突然の男の呼び掛けで聖は返事し、声のする方向へ見上げる。その先には、天を覆う程に巨大な翼を広げた機械の鳥(ベイバビロン)だった。そして聖自身は、その鳥の足に掴まれて運ばれてる事にも気付く。


『落とすと面倒だ。中に入って休んでいろ。よくやった』

「あ、ああ……」


 足の中に潜り込み、瓦礫を背もたれ代わりに座って溜息を付く。アナが不満気味に話し掛けて来た。


『気に食わんな』

「え?」

『今の声の主は、聖教守護者団の日本支部長の息子の桐原護瑞(きりはらもりみつ)だ。迎えに来てくれるのならば、初めから共同作業しに来ればよいものを。というか、そもそも仏頂面なあのクールキャラが大っ嫌いだ。ファンファーノ馬ー鹿』

「言い方……」




「――――天地満ちるは黎明の祝詞! 簒奪の辣欲(らつよく)は落陽に伏す!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ