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悪の姉妹の正義の心?

リアルが色々と忙しくて小説書いてる暇なんか無いけど何故か書き終わったから取り敢えず投下。

毎日更新してる人達は執筆速度が速いのか、それとも書き溜めているだけなのか…わたし、気になります。

という訳で、いつも通り作者の思いつきのままに話を進めた結果。紫に恋愛フラグが立ちそうな予感。

…まあ、立てないけど。

(追記:エタリタイって名前の怪人を出してから完結まで漕ぎ着けてやろう…(錯乱))

アパートに帰宅した。

ドアに後ろ手で鍵をかけると、俺は恥ずかしさの余り、両手で顔を覆い隠し、その場に崩れ落ちるように座り込んだ。


「全く人違いだった!バカか俺は!?」


きっと、タケシや卓郎がこの場に居ようものなら、即座に返答していたに違いない。


やっと自覚したのか?…と。


想像しただけで苛立ちが募るが、もともと考え事は苦手なのだと、開き直ることにする。切り替えは速い方なのだ。

そこでやっと、亜美が帰宅していないことに気付く。ちゃぶ台の上に置かれているメモを見れば、亜美の字でこう書かれていた。


『今日は友達の家に泊まります。探さないでください』


どこの家出少女だ。

っていうか、俺の晩飯は!?



悪屋三階。紫の寝室。

気絶していた紫は、ようやく意識を取り戻した。

時刻は夜の十一時を回っている。

ベッドから抜け出すと、パジャマ姿のまま、おぼつかない足取りで二階への階段を降りていく。丁度、事務室の明かりは点いていた。葵が一人で仕事をしているようだ。


「葵姉さん。おはよう」


葵は頷く素振りを見せるだけで、そのまま仕事を再開した。

そんな葵の態度に、紫は肩をすくめた。ぼんやりした意識を払拭しようと、コーヒーメーカーへと足を運ぶ。


砂糖を入れるのと、ブラックで飲むのと、どちらがより眠気を吹き飛ばすのだろう?


どうでも良いことを考えつつ、ブラックコーヒーを口にする。

口内を苦味が包み込み、思わず顔をしかめた。


(やっぱり、砂糖は必須ね)


口直しにと角砂糖を一つ、口の中に放り込み、ガリガリと音を立てながら咀嚼する。

砂糖の甘味が苦味を緩和して、なんとも言えない幸福感を紫に与える。

紫は甘い物が好きなのだ。


徐々に意識が鮮明になってくると、紫はようやく、異常に気付く。


「なに?この穴?」


床に穴が空いていた。

部屋に視線を巡らせば、他にも床に二つ、天井に一つ、人が通れそうな程の大きさの穴が空いていた。天井の穴からは、暗い夜空が覗ける。どうやら、三階の天井にも穴が空いているようだ。 爆田の仕業だろうか。


酷い有様だ。

そう思いつつも、これと言った感情は浮かんでこない。

どうせ、美香を連れ戻せば、ここを去る予定なのだ。この建物に穴が空こうが、爆発しようが、消滅しようがどうでも良い。いや、それは言い過ぎた。


紫の視線が葵の方を向くと、そこでようやく、葵が複雑そうな面持ちで口を開いた。


「ねえ紫、話があるの。タイツ君の事なんだけど…」


タイツ君。

そういえば、戦闘員Aの姿が見当たらない。

この時間ならば、まだバイトでここに居るはずだ。

それに、葵が仕事をしているというのも不自然だ。雑用は殆ど、あの男に任せている筈なのに…。

そんな紫の疑問が晴れるのは、葵から話を聞いてからの事だった。


爆田の火遊びで穴が空いた事。

美香がヒーロー学園に通っている事。

戦闘員Aの正体が、ヒーローだったと言う事を…。



「…なるほどね」


事情を聞いた後、紫の反応は意外にも落ち着いたものだった。

葵はてっきり、彼女の事だから、

建物に穴を空けた事に激高して、ナイフ片手に爆田に文句を言いに行ったり、

美香を探しに行こうとナイフ片手に飛び出していったり、

戦闘員にナイフを突き立てに行くものだとばかり思っていたのだ。


「…姉さん。今、失礼なこと考えてない?」


「まさか。随分落ち着いてるなと思っただけですよ」


紫は葵に疑惑の視線を投げかけるが、葵が白状する気は無いと見て、話を続ける。


「…まあ、爆田に関しては日常茶飯事だし、今更怒る気にはなれないよ。それに、戦闘員については…実は、薄々勘づいてた」


「え?」


葵は驚きに声を上げる。


「葵姉さんは実際に目の当たりにして無いだろうけど、仕事のスピードとか、尋常じゃなかったし…」


「そ…そうなの?でも、気づいてたなら、どうして…?」


どうして私達に教えなかったのか。


「…さあ、何でだろうね。確信を持てなかった事もあるけど…。多分、信じたいと思ったから…かな?」


「信じる…?」


葵は怪訝そうな表情を浮かべた。

一般人なら兎も角、悪の組織の人間がヒーローを信じるなんて、とんでもない。


「例えヒーローだったとしても、アイツは悪屋の一員だ。私達の仲間だ。付き合いと言えるほど長い時間を過ごしていたワケじゃないけど、それでも……」


この先に続く言葉が見つからず、紫は頬をポリポリと掻くと、コーヒーを啜る。


「害意とか、敵意とか…そう言うモノが感じられなかったって言うか……まあ、上手く言えないけど、悪い奴には見えないと思ったの。だから、信じてみたいと思った」


真っ直ぐに、葵の瞳を見つめて、紫は言い切った。

あのヒーローは、敵ではないと。


「…理解に苦しみます」


葵は、困惑の表情を浮かべながら、そう呟いた。


「確かにね。私も、自分で言っておきながら、よく分からないよ」


そう言いながら、紫は苦笑する。

そして、表情を真剣なものに変えると、葵に言った。


「美香については、葵姉さんが動いていない以上、私も下手に動かない方が良いと思ってる。何か理由があるんでしょ?教えて」


紫は、葵がこんな所で書類仕事に勤しんでいる以上、美香を探しに行かない理由。もしくは、探しに行けない理由があると考えたのだ。そして、その推理は的中していた。


「そう…ですね」


葵は目を伏せると、ポツポツと話し始めた。



「私は妹の名前が『美香』だなんて、一言も言っていませんよ?」


話は数時間前、葵がタケシにカジキを突き付けていた所から始まる。

カジキの存在が色々とカオスな件。

(追記:見切り発車の作品の完結率はどれくらいだろう?わたし、気になります)

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