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六正義:女子生徒と全身タイツ

明は学校について早々、タケシに注意される。


「卓郎には悪の組織と計画のこと、ちゃんと話しておけよ?アイツは中二病とかいうかなり濃いキャラの癖に、無駄にデリケートなんだからな」


「わかってる、今日のうちに全部話すよ。あと、濃いキャラなのはお前もだぞ?」


そんなことを言い合いながら、教室へ向かって廊下を歩く二人、そこに、突然声がかかる。


「待ちなさい!」


振り返ると、おそらく転校生だろう。見覚えのない女子生徒が腕を組んで仁王立ちしていた。


いや、見覚えのないというと語弊があるかもしれない。

確かに見覚えのない顔ではあるのだが、見覚えがあるような気がしなくもないのだ。

デジャブというのだろうか?


「昨日、入学式をすっぽかした生徒というのはあなたね?」


女子生徒はそう言って、明を指さす。その眼差しにはハッキリと敵意が浮かんでおり、この女子生徒が明に対して良いイメージを持っていないのは明らかだった。


「えっと、まあね?」


思わず疑問符を浮かべる明。

確かに入学式こそサボったが、この生徒に恨まれるようなことをした覚えはない。

面倒な事態になりそうな予感を感じつつも、話の途中で逃げるのは失礼だろうと考え、話を聞いてみることにする。


女子生徒は明の答えに満足そうに頷き、話し始める。


「やはりね、一目見てピンときたわ。見るからにガサツで乱暴そうで目にクマを作って犯罪者みたいな顔をしているからね」


そう言って、ビシィッ!という効果音が付きそうなほど力強く、再び明を指さす。


明は眉をひそめ、タケシに話しかける。


「…ちょっと、タケシ、鏡持ってる?」


「ああ、淑女たるもの、常に鏡は持ち歩いていないとな」


タケシはスカートから鏡を取り出し、明の姿を映す。

確かに、目の下にはクマができていた。しかし、犯罪者みたいな顔かと言われると…


「なあタケシ、俺って悪い顔してるか?」


自分を指さす明。

その質問にタケシは笑顔で返す。


「いや?頭は悪いけど」


タケシにアッパー、

ヒョイと避けられ、カウンターで顎を蹴り上げられる。


「寝不足のせいか?動きが鈍いな」


顎を抑えてうずくまる明と、それを見下ろすタケシ。

一見、喧嘩に見えるが、これもヒーロー学園ならばよくある事だった。


そんなやり取りをポカンと見つめる女子生徒、だがすぐに我に返る。


「と、とにかく!あなたのせいで私は、っていうか私達は散々な目にあったの!もう二度とこういう事が無いよう、気をつけなさい」


そう言って、踵を返して去っていく。

それに付いていく明とタケシ。


周囲の野次馬も、何も起こらなかったことに対して残念そうな顔をしながらも、再び友人との話に盛り上がり始めた。



「全く、なんだったんだ一体....」

「典型的な噛ませ臭がプンプンするぜ、その癖、無駄にセリフが長いしな」

「なんでついてきてるのよ!?」


女子生徒は振り返って、叫んだ。


「なんでって....」


明は頬をポリポリと掻きながら、その質問に答える。


「教室コッチだし?」


女子生徒と明達は同じクラスだった。

キャラ紹介ナウ


女子生徒

多分ヒロイン

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