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HEAVEN!ヘヴン!HEAVEN! 2  作者: coconeko
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友達の定義

「セイン!」

 キャルが切羽詰った悲鳴を上げた。

「そんなに、この眼鏡男が大事なの?」

 ゼルダが、にんまりと笑った。

 今までと違うそれに、キャルは背筋が凍りつくような感覚を覚える。

「大事とか何とか、そういうんじゃないわよ!うまく、言えないけど。とにかくダメなの!」

 キャルにとって、セインが大事かといわれれば、実際のところ、どうなのか分からない。しかし、とにかくセインがそばに居ないのはダメなのだ。

 不安で落ち着かない。

 普段から身に付けているものが無くなってしまったような、そんな感覚。

「大事でないのなら、私と一緒に、どうして暮らしてくれないの?」

 顔をキャルに向けながら、セインを押さえ込む力は一向に緩む気配がない。

「その笑い方、やめてくれる?」

 にんまりと、冷たい顔は、屋敷の裏庭で見たものとも、最初に見た愛らしいものとも違う。

「友達って、一緒に暮らさなきゃいけないものではないでしょう?」

「どうして?」

「どうしてって、普通はそうよ?お互いが友達だと思っていれば、それで友達だわ」

「そうかしら?」

 お互いが友達だと感じていて、お互いの気が合って、楽しくおしゃべりできる相手。

 友達とはそういう存在ではないのだろうか?

「お友達って、楽しくおしゃべりできる人のことでしょ?」

「?」

「気が合うなら尚更。楽しさを共有できるのが友達なら、一緒に住んで、一緒に暮らして。そうしたら、毎日楽しくできると思わない?」

 仲の良い人と暮らしている人も、確かにいるが、ゼルダの言っている意味とは、かなりかけ離れているように思える。

「違うわ。一緒にいるのが楽しいことは確かだけれど、それだけが友達だとは思わない」

「どうして?」

「だって、楽しいだけって、変だもの」

 同じ人と、長く付き合っていく上で、ずうっと楽しいなんて事が有り得るのだろうか。

「友達って、そうじゃないと思うわ。お互いの意見も言い合うし、そうしたら、必ず違う考え方が出てくるわ。全く思考が同じなんて人、いるわけがないもの」

 人というものは、十人居れば十通りの考え方があるものだ。考え方の違いは闘争を生み、時には衝突だってするだろう。

「それでも、お互いを認め合って、遠慮なく言い合えるのが、友達だと思う」

 楽しくいたいだけであれば、それは人を雇って話し相手をさせればいい。それなら、楽しくするだけ楽しくさせてくれるだろう。

 しかし、それでは友達とは言えない。

「キャルは、私が嫌い?」

「・・・・嫌いじゃないわ」


長らくお待たせいたしました。仕事の関係でほぼ寝ない日々が続き、短いのですがお待ちいただいている方々に申し訳ないので、できているところまでUPすることにしました。なるべく早く続きを書きますので、少々お待ちくださると幸いです。


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