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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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優しいおじさん

作者: 結城 からく
掲載日:2026/02/02

 小学校に行く途中、いつもの公園にゴミ拾いのおじさんがいました。

 私は頭を下げて大きな声で挨拶しました。


「こんにちは!」


「やあ、こんにちは。ゴミはあるかい。代わりに捨てておくよ」


「ゴミは持ってない!」


「そうかい。ならよかった。困ったことがあれば、おじさんに言うんだよ」


「はーい」


 おじさんはとても優しいです。

 いつも笑顔で話してくれるし、飴をくれる時もあります。

 学校の勉強で分からないところを教えてもらったりもしました。


 ある日の帰り道、おじさんは公園に倒れていました。

 数人の高校生がおじさんを囲んで蹴っています。

 しばらく蹴った後、満足した高校生達は笑いながらいなくなりました。

 私は傷だらけのおじさんに近付くと、そっと絆創膏を渡しました。


「おじさん……大丈夫?」


「ああ、平気さ。おじさんのことはいいから、早く帰りなさい」


「でも……」


「絆創膏ありがとうね」


 結局、それ以上は話すことなく私は家に帰りました。

 一週間後、朝のニュースを観ていた私はびっくりしました。

 近所の高校生達が行方不明だというのです。

 映し出された顔にはどれも見覚えがありました。


(この人達、昨日おじさんをいじめてた……)


 朝食を食べた私は普段通りに学校へ向かいます。

 おじさんはいつもの公園にいました。

 私はぺこりと頭を下げます。


「お、おはようございます」


「うん、おはよう。今日も良い天気だね」


 おじさんは優しい笑顔を見せてくれましたが、何か少し変です。

 そばに血だらけのゴミ箱が置いてありました。

 人間の髪とか指がはみ出しています。

 私は恐る恐る尋ねました。


「おじさん……あれは何?」


「ああ……どうしようもないゴミだよ。これから捨てるところだったんだ」


 おじさんは笑顔で答えます。

 がたり、とゴミ箱が揺れた瞬間、私は走って逃げ出しました。

 それ以来、おじさんと会うことはありませんでした。

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