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神宿ル劍  作者: 竹河参号
01章 厭世の異界紀行
12/78

12.迎撃

 “イシマエル”。

 魔物の中でも生態が特に謎に包まれており、その研究はほとんど進んでいない。魔物の中でも群を抜いて歪んだ身体構造、周囲の生命を見境なく襲う凶暴で残忍な性格、かつて世界を恐怖に陥れた“魔王”の眷属という伝承から、その出現は不吉の象徴とされる。その魔王が斃れて久しい現代においてなお、彼らがどこからやってくるのか、どのように数を殖やしているのか、その真相を解き明かした人間は未だ存在しない。

 さて、ヒトの天敵と名高い彼らの中でも、特に認知度の高い種が“死に蠢く(エンピエル)”と、もうひとつ“グレームル”である。動きは緩慢で知能も低いが、その表皮は硬い外殻で覆われ、いかなる攻撃をもってしても傷一つつけることができず、その巨躯と重量により繰り出される攻撃を防ぐ術はない。戦場に放り込めば――あくまでも「放り込むことができれば」という仮定の話であり、実際に投入することができた事例は存在しない――、一体で兵士百人に匹敵するといわれる。

 そのグレームルが、三体。ご丁寧に武装した人間まで数人連れ、砦をぐるりと取り囲んでいる。



「……どうすんすか、アレ」



 彫像のごとく動かないそれを、応接室の窓から盗み見ながら、崚が忌々しげにつぶやいた。



「どうっつー言われてもなァ。白旗揚げるか?」

「冗談に聞こえないんスけど、それ」



 頬杖を突いたカルドクの言葉を、ラグがしかめ面で咎めた。さてどうすっかねー、とぼやきながら腕を組み直すカルドクの横顔は、しかしすでに戦士のそれになっている。

 まず確かめるべきことは、あれを誰が連れてきたのか。人に馴れぬはずの化物を、どうやってここまで従えてきたのか。



「ゴーシュ。お前、何か知ってっか」

「“屍隷術”――と、呼ばれるものがある」

「何です、それは」

「魔術の類ですか」



 カルドクの問いに、ゴーシュはすぐに答えた。いち早く食いついたのは、エリスとクライドだった。



「そうだ。“死霊魔術”を応用したもので、イシマエルの制御を可能とする魔術とされている」

「い、イシマエルの制御!? そんな、おぞましいことが……!」

「死霊魔術も禁術では!?」

「ああ。どちらも、七天教の第一級禁術として厳重に取り締まられている。取り扱っているのは、邪教徒のみだ」

「邪教徒……!」



 ゴーシュの言葉に反応したクライドが、奥歯をきつく噛んでいた。詳細を知らない崚には、何とも反応しがたい話だった。

 “邪教”というものが具体的に何なのか、崚は知らない。善悪正邪の定義は、時代と人と立場によってさまざまだ。彼らの信仰が本当に悪逆なのか、それとも何者かの都合で『邪悪』と仕立て上げられたものなのか、この場で問い質したところで意味がない。何より、その一勢力がこうしてこちらに敵対している以上、排除すべき勢力であることには変わりない。

 意外な方向に転び始めた話題に、エリスが戸惑いながら問うた。



「お、お待ちくださいな。その、エレナ様を付け狙っているのは……ボルツ=トルガレンとかいう名の賊ではありませんでしたこと?」

「それは正しい。――順序が入れ替わって済まないが、別口で連中が邪教徒との関わりを持っているという情報を入手していた。あくまで噂話の域を出ない情報だったが、カルドク団長の証言と現状を鑑みれば、確定情報だろう」

「……ま、死に蠢く(エンピエル)をけしかけた時点で、半ば分かってたことだわな」

「だ――だからって、よりによって、グレームルまで……」



 渋面のまま納得するカルドクとは対照的に、エリスの顔は蒼褪めていた。それほどまでにグレームルという化物は脅威的なのだろう。崚が実物を目撃したのは初めてだが、あの巨躯の恐ろしさが分からないほど愚鈍ではない。



「団長、参謀」



 開け放たれたままの扉から、セトがいつも通りの仏頂面で応接室に入ってきた。その手には、小石が括りつけられた紙束のようなものを携えている。



「セトさん! ――それは?」

「連中が投げ込んできた。おそらく脅迫の内容だろうな」

「見せろ」



 素早く身を乗り出したカルドクが、セトの差し出した紙束をひったくるように受け取る。一同が一斉にそれを覗き込む中、崚もその動きに混じり……



「……なんて書いてあるんすか」

「――えっ、読めないのか?」

「じゃあ何で覗き込んでんだお前」

「だって気になるじゃないすか!」

「気になったところで読めないんなら意味ないでしょ……」

「貴方、時々ものすごく頭の悪い行動をするのは何故なのです?」

「たぶん根が単純なんだよ、こいつ」



 ……この世界の文字が読めないことを思い出した崚の問いかけに、方々からツッコミが飛んできた。

 総スカンを食らった崚は、しぶしぶ一同の輪から抜け出し、離れた場所で状況を待つことにした。と、その視界に違和感を覚えた崚は、椅子に座って成り行きを見守り続けるエレナに気付いた。顔面蒼白のまま、しかし必死に感情を抑えつけようとしているような彼女の横顔を見て、崚の脳裏に何か不快感がよぎった。



「……王国の逆さ紋章に剣の印……ライヒマン卿、これは」

「うむ、ボルツ=トルガレンだろうな。――ゴーシュ殿はどう思われる」

「同意見だ」



 紙束に紋章が描かれていたのだろう、それに気づいた面々の会話が聞こえてきた。関係者が即座に気付くほど特徴的な紋章とは、随分と自己顕示欲の高そうな連中だが、そんなことはさてどうでもいい。じれったくなった崚は、続きを促した。



「で、内容は?」

「……『王女エレナ殿下の身柄をお引き受けするので、早急にその準備をせよ。猶予は一刻とする』」

「断った場合は?」

「『エレナ殿下を不当に拘束する逆賊とみなし、征伐いたす』――だ、そうで」

「……へえ、なかなか洒落が利いた連中っすね」

「は、はは。リョウって図太いなぁ」

「連中が、せっかく気の利いたジョークを投げてるんだ。褒めてやらないと失礼だろ?」

「あは、はは……た、頼もしい子っスねぇ」



 苛立たしげに眉をひそめながらもあっけらかんと言い放った崚の物言いに、ジャンとラグは乾いた笑い声しか返せなかった。自分たちがまさしく『エレナ殿下に仇なす逆賊』でありながら、なかなか厚かましい言い回しである。無論一同もそれは承知しているのだが、グレームルという巨大な凶器を突き付けられながら、ここまで言える度胸はない。言葉はともかく顔いっぱいに不快感を滲ませているあたりにも、反論を許さない妙な圧力があった。

 ふと、エレナが立ちあがった。何事かと崚は顔を向け、



 ――止めなければ、と思った。あの子を行かせてはいけない、と思った。

 その瞳が、横顔が、あまりに痛々しかったから。



「おい、どこ行くんだよ」



 崚の言葉に応えず、エレナは扉に向かって歩き出す。崚はほぼ反射的に、その腕を掴んで引き止めた。力が強すぎたのか、「いた……っ」とエレナは小さな悲鳴を上げた。主の危機を察知し、ムルムルが低く唸る。

 崚の異様に気付いた一同が、続いて扉に向かっていたエレナに気付いて声を上げた。



「エレナ様!?」

「――わたしが、行けば」

「あ?」

「わたしが、行けば……彼らは、退いて、くれる、はず」

「――ふざけんなよ、お前」



 顔を伏せたまま、細々と語るエレナに、崚は低い声で吐いた。

 ちょっと強く握り締めれば、折れてしまいそうな細い腕。体は崚のほうが強い。だが、心はどちらが強いのか、今の崚にはわからない。

 その華奢な体で、精一杯強がって。何を背負おうとしている?



「エレナ様! なりません、それは!」

「じゃあこの状況をどうするの!?」



 声を上げて止めるライヒマンに、エレナが珍しく声を荒げた。ばっと顔を上げたそこには、絶望に染まった表情があった。



「あのグレームルが! 三体も! 一体だけでも過剰戦力だって、わたしにだって分かるよ! そんなものを三体も連れてくる以上、彼らは本気なの! この人たちを、本気で叩き潰そうとしている! それをどうやって凌ぐって言うの!?」

「それは――しかし――!」



 震え声で喚くエレナの言葉に、ライヒマンは二の句が継げず、もごもごと唸るしかなかった。どうあがいても勝てやしない、皆殺しの未来――そんな空気が、応接室を支配した。



「じゃあ何か。連中の言いなりになって、あんな化物とデートにしゃれ込むってか?」



 その空気を、崚の強い口調が両断した。いつもの憎まれ口に堪え切れない苛立ちが乗り、じっとりとした熱を孕んでいた。

 真正面から睨む崚に対し、エレナは気まずそうに顔を伏せた。



「……王族は、民のためにあるもの。我が身可愛さに、あなたたちを危険な目に遭わせるわけには、いかないの」

「だからって――」

「あなたたちだって、王女なんて扱いに困るでしょ?」

「言ってもないことを勝手に思い込んでんじゃねえよ!!」



 思わず声を荒げた崚に、至近距離のエレナが思わずびくりと震える。その姿を見て、崚は自らの醜態を思い知り、ちっと舌打ちした。

 気まずそうに顔を背け、しかし決して手を離さない崚に、エレナはふふっと微笑んだ。



「心配、してくれて、ありがと」



 エレナの腕を掴む崚の手に、彼女はそっと掌を重ねた。



「でも、大丈夫」

「……何がだよ」

「大丈夫だよ。わたしを利用するつもりなら、すぐには殺さないはずだから。とりあえず、この場を凌いで、あとは……クライドたちに、頑張ってもらわないと、いけないけど。きっと、応援を呼んで、助けに来てくれる、はずだから」

「だか、ら」

「助けてもらったお礼、ってわけじゃ、ないけど」



 あなたに、死んでほしくないから。酷く現実感のない言葉が、鼓膜を震わせ、空虚に脳を響かせる。

 顔を上げると、そこにはいつものエレナの笑顔があった。

 ――毎日毎日、小さなことにも目を輝かせて。何が楽しいのか、崚の後ろをくっついて回って。エリスに叱られながらも、終始にこにこしていて。



 何だかんだ言って、その笑顔が好きだったのかもしれない。



 だから、許せなかった。

 彼女が、今にも泣きそうな顔をしていることが、

 そうさせている自分が、情けなかった。



 だから、崚は彼女から目を背ける。



「団長! 何とかならないんすか!?」

「さァて、どう攻めっかなァ。――まずセト、()れるか」

「一体なら、確実に」

「絶対だな? 一発で仕留めねェと、総崩れだぞ」

「兎より楽な獲物だ」

「よーし言質取ったかんな。……で、あと二体か……」



 流れるように始まったカルドクとセトの会話に、エレナがぽかんと呆けた表情を見せる。



「だ、団長さん……?」

「おいラグ、お前も何か案出せ。そのための参謀だろ」

「わーかってます! ジャンくん! とりあえず全員に出撃準備させて、広間に招集しといてください! あと人数の確認も!」

「は、はい!」

「――今日は誰も出撃してないから、遊びに行ってなきゃ全員いるはずで……ただ、追従戦力も何とかしないといけなくって……

 ああセトさん、敵さんの頭数を見てきてください! できれば細かい配置も!」

「了解した」



 こめかみを揉みながら唸るラグの指示を受け、ジャンとセトがそれぞれ応接室を出ていく。エレナはそれを無言で見送ることしかできなかった。

 ようやく一同の思惑を理解したエレナが、声を上げて叫んだ。



「団長さん! ラグさん!」

「団長、参謀。もう一体は私が対応する。あと一体なら、何とかできるか」

「ゴーシュさんまで!」

「ほー、都会じゃあんなバケモンのしばき方まで教わんのか。物騒なもんだなァ」

「とっておきの秘策だ。――足元の追従戦力を対処してもらいたい。先の彼が戻り次第、数人回してくれ」

「了解っス。じゃあ残り一体か……光明が見えてきましたね」

「見えなきゃ皆殺しだ、無茶でも何でも押し通すぞ」



 無感情のままのゴーシュまで参加して進行する会議に、エレナはもう一度叫んだ。



「皆さん、聞いて下さい! あんなのを相手にしようと思っちゃだめです! みんな殺されちゃうんですよ!?」

「おう、そうだな。嬢ちゃん一人を生贄にみっともなく生き延びるよかァ、ほんのちょっと辛いな」

「奴さんが大人しく見逃してくれるっていう、蝋燭より儚い希望的観測ありきっスけどね」

「――え……」

「何だ、お前さんら気付いてなかったのか? こっちがどう動こうが、連中は口封じに俺らを始末する気マンマンだぞ。どっちみち()らなきゃ()られんだよ。お前さんらも、俺らも」



 唖然とするエレナに対し、カルドクが今更のような表情で説明する。

 つまり――勝つしかない、と? 勝ちうる(・・・・)、と? あのグレームルを、三体も敵に回して? 信じられないといった表情で、ライヒマンがおずおずと問うた。



「――その……こう言っては何だが、貴公ら、正気かね? あんな化物を相手に、正面切って戦うと?」

「あ? 一体だけなら普通に()れんぞ。前に請けたことあるし」

「えっ」

「それとも何かい、てめェの主を突き出して、連中の靴舐めるのが正解だって言いたいのかい。薄情だねェ、騎士様ってのは」

「そ、そんなことは言っておらん!」



 にやりと笑うカルドクの軽口に、ライヒマンが赤ら顔で否定した。騎士の忠義を持ち出されては、否定するしかない。

 反射的に答えたライヒマンは、はっとした。これを否定してしまっては、もう『勝つために戦う』という道しか残されていないではないか。



「でも――でも……!」

「一つ、訊きてえんだけどさ」



 説得の言葉を紡げず、しかしなお諦めきれないエレナの言葉を、崚が遮った。



「連中は、そんなに崇高な理念でも持ち合わせてんのか。この場の誰も納得しないような案で説き伏せて、お前の命を差し出さないといけないくらい」

「……え……」

「偉そうな理想を掲げる連中ってのは、往々にして血腥い政治をおっぴろげた挙句、さんざん禍根を撒き散らしてぶっ潰れる、ってのがお約束らしいぞ。――連中は、どうなんだ」



 このとき、崚は「何知った口利き始めてんスかこの子」というラグの視線に気付いていなかった。記憶喪失の建前など、毛ほども思い至らなかった。

 地球の情勢さえ、崚には上っ面のことしか分からない。政治家どもが何を揉めているのかよく分からないし、聞いたところで理解は難しい。ましてや、こんな異世界のことなど――世界情勢、王族の評価、属領との確執、歴史、貧困、治安、戦争――はっきり言って何一つ知らないし、おそらく理解もできない。

 そんな崚が、今言い切れることといえば。



「連中の『崇高な政治理念』ってえのは、本当にお前の命と釣り合うのか。お前を見捨ててでも、譲ってやらないといけないことなのか。そこはっきりさせてくんないと、行かせてやれねえ。お前を見殺しにする理由が見つかんねえんだよ」



 そんな血腥い連中にくれてやるほど、エレナ(おまえ)の価値は安くない。



 完全に反論の余地を失くしたエレナは、呆然自失のまま全身の力を失い、へなへなと座り込んだ。崚はようやく、その腕を握る力を緩めた。

 その横顔から感情が抜け落ちたエレナが、誰にともなくぽつぽつと語り出す。



「――わ、わたし、ね」

「おう」

「ほんとうは、すっごく、こわかった、の」

「おう」

「で、でも、ね、みんなにも、しんで、ほしく、なくて、ね」

「おう」

「だから、がまんして、こらえて、それで」

「そうか」



 この様子だと、自分が今何を口走っているかも分かっていないだろうに――そう言い咎めてやるほど、崚は悪辣ではなかった。



「じゃ、連中ブッ倒してくるから。大人しくここで(・・・)待ってろ」



 崚が完全に手を離すと、掴まれていたエレナの腕は重力に従ってぺたりと落ちた。その肩をぽんぽんと軽く叩いてやると、崚はまっすぐに顔を上げた。

 その頬に、一筋の光が流れていたのは見なかったことにした。



「おい、こいつのことは任したぞ」

「ええ、も、もちろんですとも。――その、ご、ご武運を」

「へいへい」



 エレナを指さして言った崚の言葉に、エリスは緊張で顔を強張らせながら答えた。この二人の間で「ご武運を」なんて言葉が交わされるとは、お互い思っていなかったが、まあいい。崚はひらひらと手を振ってそれに答えた。

 その隣で、クライドとライヒマンが向き合っていた。彼らも彼らで、肚を決めたようだ。



「ライヒマン卿、ここはお任せします。万一のことがあれば――エレナ様を、どうか」

「無論だとも。存分に活躍したまえ、アークヴィリア卿」



 この分だと、ライヒマンが最後の護衛、クライドが前線に出るらしい。崚はそこでふと、クライドに負傷を与えてしまっていたことを思い出した。



「やれるのかい、白馬の騎士様」

「無論だ。ここで闘わずして、騎士など名乗れるものか」

「無茶しなくてもいいんだぜ。その肩理由に討ち死にされちゃあ、さすがの俺も気に病むし」

「ほう、そんな殊勝な心掛けがある男だったのか。意外だな」



 崚の軽口に応えるクライドの目には、一切の迷いも弱気もない。一度殺し合いかけた相手に掛ける言葉としても、なかなか上等だ。隣のヒゲ野郎よりは頼り甲斐がありそうだな、と崚は思った。



「それと……その、」

「ん?」

「ありがとう。エレナ様を守ると言ってくれて。卑しい傭兵だと侮って、悪かった」



 頬を掻きながら紡がれたクライドの言葉に、崚はしばらくぽかんとしていた。

 ――なにをいわれているのか、さっぱりわからなかった。



「……どうした?」

「え、あ、おう。何でもねえ」



 怪訝に思ったクライドが声を掛けると、崚ははっと我に返った。細かい作戦と配置は、カルドクとラグが詰めるだろう。「一旦広間に集まるぞ」とクライドの肩を叩き、崚は歩き出した。



「……それと、連れてきたのは栗毛だと言ったはずだが……」

「慣用句だって言ってんだろしつこい野郎だな!!」



グレームル

 巨大な体躯をもつ大型のイシマエル

 全身に纏う外殻は硬く、あらゆる攻撃を遮断する

 首や関節がその例外であり、数少ない急所である


 知能は低く、鈍重で、しかし強靭である

 ただ逃げるだけなら、もっとも対処が容易いが

 立ち向かうなら、決死を覚悟すべきだろう

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