序章 現実世界と転生
初めての作品です。ぜひ読んでみてください。
アラームの音で目が覚めた。
布団の横に転がっているであろうスマホを掴み、顔の前に引き寄せる。
「なんだよ.....こんな朝早くから.......」
俺は莫又静斗。高1だ。
ちなみに言うが現在夏休みの中旬。時刻は午前9時である。
..............異論は認めない。
「今日は唯香と遊びに行く予定だったか.....。やべっ、集合時間過ぎてんじゃん!急がないと!」
唯香というのは俺の幼馴染兼オタク友達の日向唯香のことだ。今日はオタクの聖地、アニメイドに行く予定だ。
5分後、爆速で支度を終わらせ、待ち合わせ場所に向かう。そこには、もうバッチリ支度を終わらせ、強化外骨格の如き痛バッグ、缶バッジ付きの帽子、度が入っていないおしゃれ用の眼鏡をかけた唯香がいた。
「やっほー、おはよー。静斗にしては遅かったね?」
「おはよう。悪いな、つい寝過ごしちまって。..........てか、お前のその恰好なんだよ?一瞬やべえやつに声かけられたと思ったんだからな?」
「いやー、まあしょうがないよね。だって顔隠しとかないとナンパされるんだもん。私オタクなのに顔がいいって、完璧だけどちょっとめんどくさいんだよね。完璧だけど。」
自分で言っているのはおかしいと思うが、実際、唯香はかなりの美少女だ。長いストレートの黒髪を、今日はポニーテールにしている。整った顔立ちもしているし、大きな黒い瞳はまるで夜空のようだ。だが性格は終わっている。人を振り回して喜ぶようなやつだ。こいつの無茶・無軌道さには何度振り回されたことか。
「自分で言うな自分で。あとなんで完璧って2回言った。」
「よくあるでしょ?『大事なことなので2回言いました』ってやつだよ。」
「普通はそういう使い方しねえよ........」
こんな他愛もない話をしていた次の瞬間。交差点に猛スピードで走る車が突っ込んできた。
「おい唯香!危ない!」
「へ?危ないってどういう....」
俺は唯香を突き飛ばし、助けようとしたが一歩遅く、避けそこねた俺も同時にはねられてしまった。
暗くなる視界の中、頭いっぱいに後悔の言葉が広がった。
なんでもっと早く動けなかった。なんでもう少し早く気付けなかった。なんで......
そんな思考がループし続ける。
「まだ、こんなことで、死にたく、ない............」
最後にその言葉だけを残して、俺の思考は闇に飲まれた。
冷たい、と思った。なにか体が冷たいものに触れているようだ。
『おや?君たち、目が覚めたようだね。』
誰かの声がした気がする。それに反応して、重いまぶたを開くと、真っ白な空間が広がっていた。
「「ここは......?」」
聞き覚えのある声が左から聞こえた気がして、勢いよく振り向く。
「唯香......!?」
「静斗!?」
そこには唯香がいた。
「お前、大丈夫だったのか!?」
「それはこっちのセリフだよ!死んじゃったかと思ったんだからね!」
『まあまあ、ふたりとも落ち着いて、僕の話を聞いてくれないかい?』
そういえば、誰かの声がしていたような気がして、周りを見渡す。すると、俺達の少し上のところに浮かんでいる中性的な見た目をした少年がいた。
「あなたは....?」
『僕は、ケツァルコアトル。君たちの世界でいう、神様って存在だよ。』
「「神....?」」
この眼前に浮かぶ少年が、神?そんなことがありえるのか?というかここはどこなんだ?
『君たちが感じていることはよく分かるよ。なんで突然、神という存在が現れたのか。実際にそんな事が起こりうるのか。そして、最後にこの白い空間は何なのか...ってとこかな。』
眼の前の少年にピタリと内心を言い当てられ、うろたえているうちに、少年は語りだした。
『じゃあまずは君たちの話から始めようかな。』
と。
いかがでしたでしょうか。初めての作品なので至らないところもあると思うので、コメントお待ちしてます。
次回もまだ説明が少し入ります。そしてその後に、異世界に突入します。ぜひ次回もよろしくお願いします。