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クチサケ6

鎧に身を包んだ華子は、騎士が持つ長く鋭い槍を携えていた。

「あの化け物は、あちらですマスター。一度敗北したあいつは、再戦のため形を変えるつもりです」

槍で示した先には、黒川と円藤が通う高校がある。

「形を、かえる?」

「化け物は不定形なのです。存在が弱く、物質界では皮をかぶらないと、直ぐにひび割れてしまうのです」

アーマーメットに華子の声が反響した。

「倒せるのか」

槍を天に突き上げた。銀色の穂先が輝き、星の一つが現れたよう。

「私とマスターなら」

後は、黒川の決めること。足はしっかり地面についている。膝は、歩きだすために、力を貯めている。心臓は、クチサケと向き合った時のように、高鳴っていた。

あの時、自分は何が出来ただろうか、呪文を唱えて震えただけではないか。あの時の失態は、日常に埋もれたままでは、一生ぬぐえない。克服すべき、障害なのだ。

華子は、じっと黒川を見つめた。黒川の目の奥で、光が生まれた。

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