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再挑戦

評価ptの問題で短編版として完結いたします。

その後の評価次第では再編集し、ちゃんと完結させます。

ご理解の程よろしくお願いいたします。

「よし、皆準備は良いな?」

 

 装備、回復薬等の道具は揃えた。

 そして何よりこれだ。

 

「即離脱の巻物ね。高い買い物だけど命には変えられないものね。」

「あぁ。これがあれば安全に経験を積むことが出来るし、金稼ぎにもなる。」

 

 即離脱の巻物。

 古代の秘術で作られたという巻物で、作ることは不可能では無いがかなりの技術が必要らしい。

 つまり、そう簡単には手に入らない物だ。

 

「いいか?ケインがいるとは言え、ここは上級者向けのダンジョンだ。油断はするなよ。」

 

 もし誰かが死ねばまたやり直しだ。

 それだけは勘弁願いたい。

 

「まずは自分が行きます。皆さんは後について来てください。」

 

 ケインの先導で先へと進む。

 俺が先に行っても良かったのだが、ケインならば死なないだろう。

 

 

 

「突き当りですね……。どちらへ行きますか?」

「右だ。上に注意しながら行くぞ。」

 

 迷うこと無く進んでいく。

 そして、やはり天井にあのワニ型の魔獣がいた。

 

「勇者様、あれを。」

「ああ。奴はまだ気付いていない。一気に行くぞ。」

 

 ソニアに目配せをする。

 ソニアもそれに気付き、頷いた。

 

「自分は後方を警戒しておきます。何かあればお声を。」

「あぁ。……よし、行くぞ!」

 

 一気に剣を突き刺す。

 

「喰らえ!ファイア!」

 

 炎がワニ型の魔獣を包む。

 それとともに落ちてきた。

 

「よし、どうだ……。」

 

 前回はセインも一緒に攻撃した。

 しかし今回はケイン。

 ケインは攻撃手段をもっていないのだ。

 恐る恐る近付くが、反応は無い。

 どうやら仕留めたようだ。

 

「よし、さっさと素材を剥ぎ取ろう。」

 

 すぐさま解体作業に移る。

 なぜならば、すぐに奴らが来るからだ。

 簡単に手際よく剥いでいく。

 

「……これは……。」

 

 すると、後方を警戒していたケインが反応する。

 

「皆さん!急いでください!先程の分かれ道の左側から魔獣が来ます!今戻ればまだ脱出できます!」

「なら答えは一つだ!逃げるぞ!」

 

 剥ぎ取りは中途半端だが、ある程度はとれた。

 これだけあれば十分だろう。

 

「走れ!」

 

 一気に駆け出す。

 まだオークの集団は先程の分かれ道まで到達してはいない。

 

「よし、出口はもうすぐだ!……ケイン?」

「行ってください!誰かが足止めをしなければ。奴らは槍を投げてきます。誰かが足止めしなければ、出口にたどり着く前に槍に貫かれてしまいます。」

「しかし!」

 

 ケインは先程の分かれ道で立ち止まると盾を構えた。

 動く気配はない。

 

「早く!」

「勇者様、参りましょう!」

「そうよ!あんたまで死んだら元も子もないわ!」

 

 二人に手を引かれ、洞窟から逃げ出そうとする。

 が。

 

「ケイン!」

 

 二人の腕を振り払い、俺は即離脱の巻物をケインへと投げた。

 

「必ず生きて戻ってこい!」

「……はい!」

 

 その後のことは良く覚えていない。

 がむしゃらに洞窟を駆け抜け、気が付けば外に出ていた。

 しかし、ケインの姿は無かった。

 

(またか……。)

 

 俺は拳を握りしめた。

 

(また失敗したのか、俺は……。)

 

 果たして今度はどんな死に方をするのだろうか。

 若干楽しみにも思えてきた……。

 

「勇者様……。」

「アルフレッド。行きましょう。ケインさんの事は残念だったけど……。」

 

 すると、急に背後が光始めた。

 

「っ!?」

 

 今度はどんな死に方なんだ?

 唐突に殺されるのは勘弁だ。

 

「……ん?ここは……。」

「ケイン!?」

 

 光が消えるとケインが現れた。

 

「……巻物を殺される寸前で使って……気が付けばここにいました。」

「驚かせるなよ!てっきり先に離脱したもんだと思って、洞窟から出たらお前がいないから死んだと思っただろ!」

 

 そう言うと、ケインは少し驚いた顔をする。

 

「そ、そんなに自分の事を……。」

「当たり前だろ!」

 

 じゃなきゃ俺が死ぬ。

 

「あ、ありがとうございます!一生ついて行きます!」

「お、おう!よろしくな!」

 

 一生は面倒だな。

 等とは口にできるわけもなく。

 

「ま、私は何があっても一生ついていくけどね!」

 

 ツンデレな幼馴染のソニアと。

 

「私もお供しますよ!」

 

 やや天然な神官リリア。

 

「ありがとうございます!」

 

 少しうるさい盾役のケイン。

 この3人と共に俺は魔王を倒す旅に出るのだった。

 

 ……後何回死ぬんだろ、俺。

では、評価や感想ブックマーク等お待ちしております!

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