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【原田カニのエッセイ】殻の隙間から妄想を一匙  作者: 原田カニ
アンケートエッセイ編
2/12

2、カニ(2023年1月更新)

アンケート結果詳細は活動報告で紹介しています。よろしければそちらもどうぞ。

 私はカニを食べるのがあまり好きじゃない。理由は面倒くさいからだ。

 子どもの頃、家族旅行先の夕食がカニすきだった。カニ用フォークで、殻から身をほじくり出して食べる。生まれた時から超不器用な私は、身を取り切れない。私が食べた後の殻を親が見て「もったいない」とか「下手くそ」と言う。それが嫌で、数少ないカニを食べる機会を喜べなくなった。

 美味しいことは分かっている。食べるとやはり美味しい。でも、「食べたい」が「面倒くさい」を上回ることは滅多にない。


 面倒くさいという理由で食べないものは他にもある。

 殻付きエビが出てきたら、誰かに自分の分をあげてしまう。特に鍋物や焼肉だと、小鉢や皿に入れて冷まさないといけない。面倒くさい。

 余談だが、焼肉といえば、トウモロコシも苦手だ。火が通るのに時間がかかるくせに焦げやすい。熱いから、たれの入った皿の上によけて冷ます。邪魔だし、たれに(まみ)れたトウモロコシを齧るのが好きじゃない。多分焼肉の中で一番好きになれない具材だ。次に苦手なのは玉ねぎだ。あれを絶妙な焼き加減で食べられたことはない。

 甘栗も面倒くさい。私はポロッと上手く外せない。薄皮が残ったり、ハズレを引いて苦かったり。大人になって「殻剥き済み」の甘栗商品に出会ってからはそれしか食べてない。間違えて「破れ目があって剥きやすい」甘栗商品を買ってしまった時は悔しかった。初詣の出店で甘栗の良い匂いがしても、私は買うことはない。


 美味しいけど面倒くさい食べ物とどう付き合うかは、その人の食生活と大きく関わってきそうだ。

 旬の新鮮なものを頂くなら、アク抜きや三枚おろしなどの下処理が欠かせない。嫌なら外食するしかない。食べるのが好きだけど面倒くさがりの私は、金を出すか諦めるか、代替品で満足するか。当然金は無い。食い意地があるので諦められない。という訳で、私はカニカマを今日もパクついている。

 でも、面倒くさくても食べたいという先祖の欲望と努力があったから、私はお気軽にカニカマを食べられている。先祖から続く食への努力と知識と技術。私はどれもこれも引き継ぐことは出来ないけど、目の前の食べ物に向かって手を合わせて「いただきます」はちゃんとしようと思う。

お読みくださりありがとうございます。

次回更新頑張ります。

どこまで続けられるかは、母なる海だけが知っている。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おーもーしーろーいー♡ 楽しいエッセイですねー。 食べにくいと食べる気なくなる!! 分かる。わーかーるー。 以前にスペインのお土産で「殻付きひまわりのタネのロースト」を貰ったんだけど、め…
[良い点] 分かります。 「面倒くさい」が勝っちゃうんですよね。私の場合それプラス「手が汚れるのがイヤ」が追加されます。 カニカマ最高、誰かエビカマも作ってくれないかな。(笑)
[良い点] カニは確かに面倒です。 でもセコガニの旨さを知った身では、脚はもちろん身体のめんどくさい部分までほじりまくって食べます。 食べ終わるのに一時間以上かかることもありますが、そもそも滅多に食べ…
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