召喚と追放と先人と
「見たところ、日本から無理矢理召喚された挙句追放されたクチと見えるな、キミは」
男が声をかけてきた。
俺の視界では、彼の頭上にステータス画面のようなものが浮かんでいる。
おそらく、21世紀の日本からこの異世界に転生してきた人間だ。
俺や俺のクラスメイトに同じく。
その時俺は、その日の宿にも困る
「ズバリ、【ハズレジョブ】持ちだから、王宮には必要ないって追放されたんだろう」
図星だった。
俺はその言葉に、ここ一週間の出来事を反芻した。
◆ ◆ ◆
あれはいつも通りのクラスの昼休み、そのはずだった。
そろそろチャイムの鳴る時間帯なので、クラスの生徒たちも例外なく全員が
「おぉい!!」
クラス一のヤンキー
俺はというと、その時割って入るでもなく、
「よしなよ、 君!」
クラスでも学級委員を務める、
「はぁ、相変わらずだなー、」
光に包まれた。
「その名も【霊士】」
【勇霊者】
【霊剣士】
【魔霊爾】
【撃霊士】
◆ ◆ ◆
「ステータスをよく見ろ」
「ボクも君と同じ【撃霊士】。王宮からゴミみたいに追放されたとこまで君と一緒」
俺たち以外にも、日本からこの異世界に召喚された人間がいたというのか。
「ついてこい」
「ボクと、逆転人生を歩まないか」