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第零話 其ノ壱 ドッカーン!

 

   第零話 其ノ壱 ドッカーン!



 タイム空間を、ガタガタガタガタ……ものともせず。

 激しく揺れながら、ズンズンズンズン突き進むタイムカンス號。

 その内部空間ホールにて……エマ〜ジェンシーコ〜ルが鳴り響いていた。


「緊急回避!」


 慌ただしく臨戦態勢に入り、無言で固唾を飲む、観戦組の者達ちがいました。


「あっ! 駄目だ! ストップ、ストッ〜〜〜プ! デカ過ぎだよ! な(なん)だありゃ?」


「艦長! 前に変なのいるよ!」


「え〜! 聞いて無かった? わたしの、(なん)だありゃ? 認識してるよ!」


 うふふふふふふふふ……。


「漆黒の、暗闇野郎〜う!」


「落ち着いて、ドッカ〜ンちゃん……何言ってるの?」


 我を、漆黒……暗闇野郎だと?


「我を漆黒の暗闇野郎だと、とか言ってるよ?」


「何? 何? 何? ドッカ〜ンちゃん、分かるの?」


「ピンポ〜ン! それ、フラグです!」


「あ〜っ! フラグちゃんの、旗が上がった!」


「旗! 赤だぁっ!」


「おいおいおい……こんな時に、赤だって? 勘弁してよ〜?」


「ア・イ・ツ……許すまじ!」


「えっ! ドッカ〜ンちゃん何処いくんだよ!? 何よ急に……?」


「カッチーーン、きちゃたよ!」


「わたしも!」


「エッ……? ズドドドド〜ンちゃん、ズババババ〜ンちゃんも? 何処行くの……?」


「タイムカンス! 口、手動で開いていきます? ドッカ〜ンちゃん達ち、外です!」


「強制的に、締めちゃってよ!」


「作動しません? コ〜ド変えられてます?ロック掛かってます!」


「何とか(なん)無いの〜? 面倒くせ〜な!」


「少し時間下さい! 音声出しときます!」


「暗闇の漆黒野郎〜! 許すまじ! ドッカーーーーーン!」


「駄目〜! ああ、あ〜あっ……! ドッカーンちゃん! 等々やっちゃたよ……参ったな〜っ?」


「ズドドドドーン!」


「えっ……? ズドドド〜ンちゃん?」


「ズババババーン!」


「ちょっとちょっとちょっと……ズバババーンちゃんも……? アレが何かも解らないのに、喧嘩売っちゃったよ!」


「効いてる?」


(なん)かあそこんとこ、カンカンしてるだけです? 激しく攻撃続いてます! 何らかの力に、囲まれているもようです?」


「駄目じゃん! アレからの報復警戒? ありったけの防護破風(はふ)、貼っつけといて! 機関長ちゃんに、御免入れといて……出力全開! わたし達ちより先に、仕掛けてる奴がいるって事ね……? 何なのアレ?」


「遂にに来ましたね! わたしの、出番のようです!」


 (いっ)匹、壱匹(ひとり)事を呟きながら、すっと席を外す小豆ちゃん。


「小豆ちゃ〜ん……? 急にどうしたの? 何処行くの?」


「ちょっとちょっと……大豆ちゃん、止めてあげてよ!」


「分かったけど? 言い出したら、聞かないよ! お〜い小豆ちゃ〜ん?」


「今度は、小豆ちゃんてす!」


「小豆ちや〜ん! 危ないよ〜! 下がって下がって〜!」


「小豆ちゃん! 詠唱始めてます? 止められません!」


「何が起こってるんだよ? 意味分かんないよ?」


「この小豆の(ひと)粒に宿りし、パワ〜の源達ち……力を貸して下さい(ペコリ!)……あの憎っくき黒いウニョウニョに、お灸をすえましょう! 天と地と水と伊吹の精霊達ち、此処へと祝福を下さい! はあ〜あっ! 大納言! やあ〜っ!」


 タイム空間を、高速で駆け進む、(ひと)粒の大納言小豆!


 漆黒の暗黒野郎なのか、黒いウニョウニョなのかは、定かでは有りませんが……アレに、大納言小豆着弾!

 うお〜〜〜〜〜〜っ……。


「えっ! 効いてる? 真逆……」


「効いてますね! ドッカ〜ンちゃん達ちのは、派手なたけですけど?」


「小豆ちゃん! 第弐弾装填中! 超特大小豆です! 艦長!」


「何だありゃ……デカいな?!」


「此れは、特別な小豆です! 大納言の中から、良質な物をよりすぐり栽培し、厳選してを繰り返して誕生した……まだ、(よん)粒しか無いけど! 名付けて、大大大大大納言! とっときの(ひと)粒、使っちゃいます! 穀物ちゃ〜ん! お願いがあるんだよ〜! 此れ煎りたいんだよね〜、時間稼いでくれないかな〜!」


「あっ、大豆です! わたしも手伝うから、お願い(ぱん! ペコリ!)」


「仕方ないやるか!! みんな〜っ……いくよ〜っ! 表に集合だよ!」


 慌ただしく、豆モッチ〜達ちが、開かれたタイムカンスの口に揃い踏みました。


「よ〜し揃ったね! 豆ライン! 横一文字!」


「えっ……何? 急に? 豆ライン? やるの?」


「まじで!」


「ヨッシャ〜ッ」


「ついに……あの無駄な練習の、成果を出すときが来ましたか?」


「砂糖エンドウちゃん、うるさいよ!」


「はい、はいっ」


「発声は、御豆ちやん」


「了解!」


(ひよこ)豆ちやん……誘導豆いける?」


「いけるよ! ピヨッコ拾連で良い?」


「ん〜……佰連でお願い!」


「ひゃっ、佰連! 了解!」


「ピヨッコ先頭豆到着したら、ファーストショット! 大豆ちゃん、いける?」


「ええっ! わたし何時もは、イッセイノォッセェッ! の時だよ?」 


「良いじゃ無い、わたしの感が、そう囁くやのよ」


「その感……信じていいの?」


「お願い!」


「う〜ん……分かった! やってみる!」


「ありがとう大豆ちゃん!」


「いえいえ、どういたしまして」


「あんたら其処で! ワチャワチャしてないで、やるならやる! やらないなら、やらない! どっちかにしてよ!」


「フラグちゃ〜ん、分かってるよ〜! 


「空豆ちゃんも、こっちこっちだよ!」


「えっ……うん? 大豆ちゃん、いいの?」


「良いから良いから、空豆ちゃん! 私の隣お出でよ!」


「う……うん? でも……?」


「空豆ちゃん! 突っ立ってないで、おいでって! 怖くないから!」


「……はい! 有り難う、大豆ちゃん!」


「よしよし……豆ライン、揃ったね!」


「みんな〜……両手広げて〜っ、ふんふんふんだよ〜……あたらない様に、感覚とって〜! 良いかな〜?」


 ふんふん、ふんふん、ふんふん、ふん……


「さあ、大きく深呼吸して〜っ」


「構えて構えて〜っ」


「ふふふふ……漆黒の暗闇野郎、豆の力舐めんなよ! (ひよこ)豆ちゃん、誘導豆!」


()っ!!」


「出ておいで〜……ピヨッコちゃんたち〜っ、出番ですよ〜っ……ハァ〜〜〜アッ! ピヨッコ佰連! いっけ〜っ!!」


 ピュンピュンピュンピュン……

 ピュンピュン、ピュン……


「大豆ちや〜ん! ファ〜ストショット! ()っ!!」


「はいです! ふ〜っ……大豆の輪っか! 特大! あああああああ〜〜〜あっ……鬼は〜っ外〜っ、鬼は〜っ外〜っ、鬼は〜っ外〜っ……」

 

 バラバラバラバラバラバラ……

 バラバラバラバラバラバラ……


御宇宙(おそら)に繋がる宇宙の神秘の力、わたしにチョッピリ勇気を下さいな。空豆いっきま〜す! 鞘舟、萬隻」

「空豆ちゃん……ちょっと待って! 萬隻って?」


 ズズッズ〜ン! ズンズンズン!

 ズズッズーン! ズンズンズン!

 ガコンガコン! ガコ〜ン……


「壱、拾、佰、壱阡、壱萬! 萬隻完了!」


「マジでやる〜?」


「待て待せ〜ん! 行っけ〜っ……瞬足突撃 目標到達と共に、パッカ〜ンだよ〜!」


 ズズズズ! ズッコ〜ン!

 パカンパカンパカンパカン……

 パカ〜ン!

 ブユンブユン! ブユンブユンブユンブユン……カンカンカンカン、カン……!


 うお〜〜〜〜〜〜っ……。


「あれま! 効いてるね? みんな続いていって、豆ライン一斉連撃〜!」


「有り難う、みんな〜! はあ〜〜……」


「これ…いったい何の時間?」


「わたしたち……何見せられてるのかな?」


「あの子達ちなりに、頑張ってるんだから見守りましょう……効いてる見たいだしね? 怪我の功名って奴?」


「ふ〜間に合った〜! ありゃありゃりゃりゃ……やってるね〜……さてさて、どういたしましょかね〜っ」


「タイムア〜ケロン! 座標固定しました! 暫く冷却に時間下さい!」


「あははは……結構、無理させちゃったからね! じゃあ……ちょっくら、様子見てきますかね? 待機しててね!」


「了解です! いってらっしゃ~い、タイムちゃん!」



          ネクスト ステージ

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