森のくまたん、うさたんのスーパーブラックコーヒーブレイク ビターエンド!
●摘要
()ナレーション
「」くまたん
『』うさたん
[] ト書き、効果音
(ポカポカと春の日差しが野原を照らすある日のことでした
仲良しのくまとうさぎが午後の紅茶を楽しんでいました)
「あーー、うさたん。そのクッキーどう?」
『うん、美味しいわ。どこのお店で買ったの?』
「駅前に新しくできたお店だよ」
『えっ?! あそこって超人気で3時間待ちってのが標準仕様ってとこよね。良く買えたわね!』
「まあね。うさたんが喜んでくれるならって思って頑張ったんだよ」
『えーー、そうなんだぁ! わたし、超嬉しい。
お礼に怖い話をするね』
「えっと、なんて?」
『お礼に怖い話をするね!』
「怖い、話?
なんでこの文脈から怖い話をする展開になるの?」
『私がしたいからだよ! それとも私の話を聞きたくないの?』
「えっ、聞きたくないわけじゃないけど」
『あるところに』
「うわ、有無を言わさず始まってる」
『クソ野郎がいました』
「しかも、言葉汚い」
『そいつは弱いもの苛めが大好きで、野良猫やウサギを殺しては楽しんでいました』
「いや、マジでクソ野郎だ」
『ある時、そいつは近くの小学校でアライグマを飼育してるという話を聞きました』
「あのしっぽがしましまの奴ね。可愛いよね」
『へっへっへっへっ、今日は小学校で飼育しているアライグマをぐちゃぐちゃにしてやるぜ』
「えっ、なんだ? いきなり劇が始まってるよ」
『ふん! こんな鍵なんてこのバールで[バキン]ほら、この通りだ。さぁ、アライグマちゃん、手足を砕いて、目ん玉ほじくり出してやるぜぇ[ギィ~、バタン]』
『へっへっ……うぎゃあ~!』
「うわっ、びっくりした。うさたん、突然悲鳴をあげ始めて、な、なにが起きたの?」
『うぎゃあ、誰か助けて! イタタ、イタイ、イダイ、イダイ[パタリ]』
「あれ、急に動かなくなった」
『[ムクリ]次の日、子供たちが飼育小屋に行くと生首一つが転がっていたって。
アライグマはアライグマでも、キノアライグマ。気の荒い熊だったって話』
「えーーー、まさかの駄洒落オチ?」
『まあ、クソ野郎が正真正銘のクソになったって事ね。
あはははははは
……
なんで笑わないの? ここ笑うところよ』
「いや、ブラック過ぎて全然笑えないよ」
『アライグマだと思ったら気の荒い熊なんて、日本語って難しいわよね』
「違うよ、ポイントそこじゃないよ。
小学校でなんでそんな危険生物飼育してとかもっと突っ込むところあるよね!
怖いよ」
『だから怖い話するって言ったでしょ』
2020/12/9 初稿