表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ビアッジョ日記  作者: 七尾 ぬこ
2/6

ビアッジョ日記②《3月》

 ここ数日、アルトゥーロの様子がおかしい。感情の起伏が乏しく、故に常に泰然としている彼が、やけにそわそわとしている。恐らく、何かを待っている。


 気にはなるが、コルネリオ様はそんな親友の様子が心配ではなさそうだから、事情を知っているのだろう。ならば私は、気晴らしの相手をするにとどめよう。




 ◇◇



 そんなアルトゥーロがいよいよおかしい。


 今日、フィーアの第一王女が誤解から、コルネリオ様に決闘を申し込みに来た。苛烈な性格の姫君であるが、その容貌はなかなかに素晴らしい。


 その彼女を見たアルトゥーロは、なんとも言い難い表情をした。一目惚れ、というものではない。彼がここ数日待っていたのは彼女だろうと思わせる、そんな表情だ。


 だが初対面のはずだ。アルトゥーロとは長い付き合いで、少年の頃から知っているし、長く離れたこともない。フィーアの姫に会う機会などなかったと断言できる。


 ではあの表情は一体何なのだろうか。


 しかも何がどうして、姫はアルトゥーロの従卒となった。コルネリオ様の差し金だ。いつもの悪ふざけのようだけれど、違うような気もする。


 更にアルトゥーロは、金も物も全てを処分したという姫に給金の前払いを渡して、必要なものを買うよう命じた。自分の体面を保つためだと言っていたが、本来の彼はそんなことを気にする奴ではない。


 どういうことなのだろう。


 背景にあるものが何なのか見当もつかないが、彼女がアルトゥーロにとって非常に重要な人間でありことは確かに違いない。


 それならば口は挟まずに、そっとバックアップをすればいい。





 いつかは、訳を話してくれるだろかうか……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ