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10分完結Web小説集

聖剣と勇者

作者: たんぽぽ1年分

勇者誕生前。

ただの村人の、精一杯の覚悟と聖剣の物語り。


私は人生を村人として一生を終えるか、勇者として戦うべきか迷っていた。


実はこういうことだ。

うちの村のほど近い林を抜けた先にある洞窟に、伝説の聖剣の1つが刺さっている。

いつもより早く農作業を終えた私は、その聖剣とやらを見に来て興味本位で引っ張って見た。

すると何の抵抗もなく聖剣は抜けてしまい輝きだしたので、慌てて元の位置に刺したのだ。


あと半月後の新月の日、魔族の王が復活すると王都では兵士を集めている。


このまま無かったことにして村へ帰れば、私には愛する妻と息子が待っている。

私の村は王都や砦から離れていて魔物も出ないし、今の暮らしに不満もない。

きっと平穏な日常を過ごせるはずだ。


この聖剣を抜いて王都へ向かえば、私は王の命によって最前線で戦うのだろう。

ろくに剣も持ったことがない男が、人間より強い魔族とまともに戦えるとは思えない。

だが、新たな勇者の話は聞いたことがないし、

きっと王都に集まった兵士たちだけで世界を救うことはできない。


私の村から王都まで歩いて半月かかる。すぐにでも決断しなければならなかった。


「落ち着いたら手紙を書こう」

洞窟のある林から出た私の手には、抜かれた聖剣があった。

私は勇者である前に父として、自分の村を守りたいだけなのかもしれない。

まだ勇者の自覚はないが、私は王都のある東へとゆっくり歩き始めた。


人類対魔族の戦いについては別途かくかもしれません

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― 新着の感想 ―
[良い点] 『私』が村人として平穏な日常を過ごすか、勇者として世界を救うために最前線で戦うか。決断を迫られる中で、父として『私』が出した、愛する家族を想っての選択と、その覚悟を決めたところがとてもカッ…
2017/12/26 23:39 退会済み
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