表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/124

ー神有の章55- 邇邇芸(ににぎ)の目的

 雉の鳴女(きじのなきめ)。その大神おおかみ神代かみよの天孫降臨において、天照あまてらすさまが天若日子あめのわかひこを諭すために高天原たかまがはらから派遣した大神おおかみだったはずよね?と想う吉祥きっしょうである。


「どういうこと?雉の鳴女(きじのなきめ)天照あまてらすさまの伝言役でもあるわ?草薙剣くさなぎのつるぎに関して、天照あまてらすさまが1枚噛んでいるってことなの?隆信たかのぶさん」


「いや、吉祥きっしょうちゃん。その雉の鳴女(きじのなきめ)邇邇芸ににぎさまからの言葉を伝えにきているのだと夢の中で言っていたのだクマー」


 えっ?どういうことなの?天照あまてらすさまじゃなくて、邇邇芸ににぎさまが関わっているっていうことなの?何故なの?邇邇芸ににぎさまが草薙剣くさなぎのつるぎを欲しているの?うーーーん、わからないわ。何かひっかかるものを感じるが、そのひっかかりを解明するためのピースが全然足りていない気がするわ?と疑問に想う吉祥きっしょうである。


「ごめん。【議論】を続けて?隆信たかのぶさん。あまり僕から質問攻めにするのはおかしい話だわ」


「構わないのだクマー。疑問に想うことがあれば【見届け神】と言えども、俺様たちに聞いてほしいのだクマー。もしかすると、俺様たちにはわかってない何かを導き出すきっかけになるかもしれないのだクマー」


「そう鳴りね。雉の鳴女(きじのなきめ)というその鳥人間?と言っては失礼鳴りな。きじ大神おおかみが伝言役となり、隆信たかのぶちゃん、鍋島ちゃん。それに我輩と宗麟そうりんさまの夢の中で【お告げ】をしたの鳴りな。そして、何故か、よっしーにはその【お告げ】がなかったのだ鳴り」


「不思議なのでごわす。なぜ、おいどんだけ、仲間はずれなのでごわす。何かこう、言い知れぬ、何かがううん?」


 よっしーが不思議がっているところに万福丸まんぷくまるが口を開く。


「なあ、よっしー。それに皆。三種の神器って言う以上は、三種類あるんだよな?えっと、草薙剣くさなぎのつるぎ八咫鏡やたのかがみと、あとなんだっけ?」


「ぷっくー。もうひとつ、【八尺瓊勾玉やさかにのまがたま】なのでごわすよ」


「ああ、それそれ。よっしー、ありがと。んで、よっしーが【お告げ】を受け取らなかったのは、【八尺瓊勾玉やさかにのまがたま】を探す必要がなかったからじゃねえの?その雉の鳴女(きじのなきめ)だっけ?そいつは【八尺瓊勾玉やさかにのまがたま】は既に手に入れていると想ったほうが良いんじゃないのか?」


「ちょっと、万福丸まんぷくまる、何を言っているのよ。大体、八咫鏡やたのかがみ八尺瓊勾玉やさかにのまがたまは、天照あまてらすさまが持っているはずなのよ?三種の神器はみかどがその神代かみよからの血筋の正統性を示すものなの。どこかに失くしましたじゃ、済まない話よ?」


「うーーーん。でも、道雪どうせつさんと宗麟そうりんさんには、そのはずなのに八咫鏡やたのかがみを探せって、雉の鳴女(きじのなきめ)が【お告げ】で言ってきたんだろ?そこがそもそもおかしいって気がするんだよ」


 万福丸まんぷくまるはそう吉祥きっしょうに告げる。吉祥きっしょうとしては万福丸まんぷくまるが意見を通そうとするのに、少し、驚きを感じつつも、話が推測の域を出ないものであるので懐疑的なのであった。だが、それでも、万福丸まんぷくまるは、話を続ける。


隆信たかのぶさんがさっき言ってたけど、三種の神器は、最初は伊弉諾いざなぎさまと伊弉冉いざなみが持っていたんだろ?それを、天照あまてらすさまが受け取ったと。んで、さらに邇邇芸ににぎさまが天照あまてらすさまから譲ってもらったんだろ?じゃあ、邇邇芸ににぎさまにはその三種の神器を所持して良いってことになるじゃん?」


「うーーーん。万福丸まんぷくまる?結局、何が言いたいわけ?」


「だからさあ。天照あまてらすさまが今、三種の神器を持っているんだろ?でも、邇邇芸ににぎさまも、三種の神器を持っていいって資格はあるはずじゃん?なら、邇邇芸ににぎさまはその三種の神器を欲しがるんじゃないのかな?って」


 万福丸まんぷくまるの言いに皆が、欠けていたピースがかちりとハマるのを感じる。


「そうなのだクマー!万福丸まんぷくまるちゃん、その通りだクマー!邇邇芸ににぎさまは理由は定かではないが、三種の神器を手に入れようとしているのだクマー!」


「そうであったのかそうろう万福丸まんぷくまるちゃん、お手柄でそうろう邇邇芸ににぎさまが雉の鳴女(きじのなきめ)を遣わせたのは、まさにそれが目的だったのでそうろう!しかし、三種の神器を手に入れて、何をするのでそうろう?」


「鍋ちゃん。その理由はわからぬが、我輩らに八咫鏡やたのかがみを探せと【お告げ】をしたのもちゃんと理由があったの鳴りな。では、まさか本当に八咫鏡やたのかがみは阿蘇山に眠っていることになる鳴りか?」


「ちょっと、隆信たかのぶちゃん、鍋ちゃん、それに道雪どうせつちゃん。落ち着くのでごわす。いくらなんでも話が飛躍しすぎなのでごわす!」


吉祥きっしょう。皆が落ち着くために、隆信たかのぶさんと鍋島さんと道雪どうせつさんに腹パンしておこうか?」


「いいえ?万福丸まんぷくまる。その必要はないわ?これは良い意味での【議論】の過熱よ。これは放って置くほうが良い結果を生みそうだわ?あと、万福丸まんぷくまる、ありがとうね?あなたのおかげで、謎が解けそうよ?」


「えっ?マジで?俺、よくわからないけど、皆の役に立てたってことで良いのか?」


 吉祥きっしょうはニコニコしながら、万福丸まんぷくまるの頭をよしよしと撫でる。万福丸まんぷくまるはえへへと言いながら、後頭部を右手でかくのである。


「おいどん、あそこでいちゃついてる【見届け神】たちにイラっとしたのでごわすけど、これを言ったら、腹パンを喰らうでごわすかな?」


「やめておいたほうがいいのでしゅ。いらぬツッコミを入れれば、腹パンを喰らうのは僕ちんたちでしゅ。見ないフリをするのでしゅ」


「よっしー、宗麟そうりんさま。あの2人は容赦ない鳴り。まあ、若い男女鳴り。あれくらい眼をつむってやる鳴り」


「まあ、イラッとするのは嫁が居ない、よっしーちゃんだけクマー。ああ、俺様もあれくらい可愛い嫁がほしかったクマー。俺様は母上に無理やり縁組をさせられてしまったんだクマー」


隆信たかのぶちゃん、母上にそれを言ったら、ぶん殴られるでそうろうわれも無理やり、隆信たかのぶちゃんの母上に縁組をさせられたのでそうろう。でも、顔は普通だとしても、家事全般を任せられる良い嫁であるのはありがたいのは事実なのでそうろう


「んっ?何か、僕のことを話しているのかしら?こそこそ耳打ちしているのはやましい気持ちがあるからなのかしら?」


「いやいや。吉祥きっしょうちゃんは器量良しだと皆で話あっていたのでそうろう!しかし、【見届け神】をよいしょするのは公平さから言えば、ダメなはずだから、こそこそ耳打ちしていたのでそうろう!なあ?みんな!?」


「そ、そうでしゅ。誰も悪口を言っていたわけではないのでしゅ。よっしーがあいつら、いちゃつきやがって!ってキレかけていただけでしゅ!それを、皆でなだめていただけでしゅ!」


「あら、そうなの。万福丸まんぷくまる?よっしーさんに一発、腹パンをお願いね?」


「よっしゃーーー!久しぶりの出番だぜ!よっしー、すまねえ。これも【見届け神】の仕事なんだ。恨まないでくれよ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

cont_access.php?citi_cont_id=32148659&si

ツギクルバナー

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ