↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/124

ー神有の章23- 戦友

「あの日、あの時、かの地にて、大神(おおかみ)が現れて、おいどんたちは円筒状の光に包まれてたのでごわす」


 まるで、よっしーは苦虫をかみつぶした顔で告げる。


「おいどんには選択肢がなかったのでごわす。そこで、大神(おおかみ)と合一(ごういつ)を果たしたのでごわす!」


「で、でも。大神(おおかみ)はいくら【理(ことわり)】のもとに合一(ごういつ)を果たす人間を選ぶと言えども、強制力は持っていないはずよ?よっしーが嫌だと拒否をすれば、それで大神(おおかみ)は諦めるはずよ?」


 吉祥(きっしょう)はそう、よっしーに告げる。だが、よっしーは手に持っていた盃(さかずき)を畳みの上にガンッと置き


「あの場で主君である島津義久さまを救うには、力を手に入れるしか方法がなかったのでごわす!あいつらは、降りてきた大神(おおかみ)たちと合一(ごういつ)を果たした次には、それぞれで争いはじめたのでごわす!」


 どういうことなの?と吉祥(きっしょう)は想う。ひのもとの国のイニシエの大神(おおかみ)は、自分の持つ【理(ことわり)】に則り行動をするわ。だが、その【色】は【善】であり【祝い】に属する大神(おおかみ)たちが多いのよ?その【祝い】が影響して、まず最初から争うことなんて、滅多にないはずよ?


「俺も信長のおっさんにいきなり攻撃されたからなあ?やっぱり、大神(おおかみ)同士って【理(ことわり)】による縄張り意識が強いのかな?」


 あっ。忘れてた。確かにここに、いきなり、信長さまに喧嘩を売ったバカ犬がいたわ。まあ、でも、万福丸(まんぷくまる)の【色】はイニシエの大神(おおかみ)の中ではめずらしい【呪い】だから、一応、いきなり戦闘になっても言い訳が効くのよね。


「よっしーさん。多分、その会合に介入してきたのは、【色】が合わない大神(おおかみ)が多数いたのだと想うわ。だから、いきなり戦闘行為になったのだと想う」


「ふむっ。おいどんもあとになって、自分と合一(ごういつ)を果たした大神(おおかみ)からそのように説明を受けたのでごわす。だが、おいどんはあの場では、【色】以上に何か異質なモノを感じたのでごわす」


「できるなら、詳しい説明をお願いするわ。よっしーさんが言う、その会合の場に現れた大神(おおかみ)の名がわかるのであれば、その情報がほしいところよ」


「すまないでごわす。おいどんも主君を生かすために必死だったのでごわす。名まではわからぬが、誰が大神(おおかみ)と契約をかわしたのかはわかっているのでごわす」


 よっしーが告げた名は、よっしーを含めて5人であった。龍造寺家の龍造寺隆信(りゅうぞうじたかのぶ)、鍋島直茂(なべしまなおしげ)。そして、大友家のほうは、大友宗麟(おおともそうりん)、立花道雪(たちなばどうせつ)である。


「なるほどね。大名と言うのは、ひのもとの国で連綿と続く、大神(おおかみ)の系譜に連なるひとが多いから、大神(おおかみ)と【理(ことわり)】だけでなく、血の繋がりとしても結びつきが強くなるから、合一(ごういつ)を果たしてもおかしくはないわ。でも、鍋島直茂(なべしまなおしげ)と立花道雪(たちなばどうせつ)は、意外だわ。彼らは、それぞれに何かしらの資質があって、大神(おおかみ)たちとの【理(ことわり)】の繋がりが強かったのかしら?」


「ふむっ。鍋島直茂(なべしまなおしげ)は龍造寺隆信(りゅうぞうじたかのぶ)の親族なのでごわす。だから、鍋島直茂(なべしまなおしげ)は、どちらかと言えば、大神(おおかみ)の血の系譜の影響が大きいと想えるのでごわす」


 よっしーからの説明を聞き、ふむふむと頷く吉祥(きっしょう)である。


「実際に、会合で大暴れをしていたのはその隆信(たかのぶ)と鍋島だったのでごわす。道雪(どうせつ)は宗麟(そうりん)を守るように動いていたのでごわす。道雪(どうせつ)も宗麟(そうりん)もまた、合一(ごういつ)を果たしているようには見えたが、力を発揮できずに防戦一方だったのでもうす」


「まあ、そりゃそうだよな。合一(ごういつ)を果たしたばかりの時って、神気を発して、神力に変換できないもんなあ。あれ?じゃあ、なんで、龍造寺家のほうは、いきなり、神力を使ってるんだ?」


「いいえ、万福丸(まんぷくまる)。神力を使って戦っていたんじゃないと想うわ。多分、隆信(たかのぶ)たちが合一(ごういつ)を果たした大神(おおかみ)の地力が高かったんだと想う。だから、合一(ごういつ)を果たしたばかりでも使える身体能力の向上が自然と高かったんだと想うわ?でも、厄介ね。大神(おおかみ)自体の地力が高いと言うことは、それだけ神気も神力も高いってことよ」


 吉祥(きっしょう)は危険だわと想った。会合があったその日は神帝(しんてい)歴4年4月19日よね。神気を発して、神力に変換する術(すべ)を身につけるには充分すぎる時間が経っているわ。よっしーさんは、万福丸(まんぷくまる)の神力をあてにして、自分の戦力へ組み込もうとしてる。その意味することは、龍造寺家との闘いになるはずだわ。


「まあまあ、吉祥(きっしょう)。そんなに難しい顔するなって。要は、よっしーは俺と組んで、その龍造寺隆信(りゅうぞうじたかのぶ)ってのをぶっとばすための手伝いをしてほしいんだろ?いくら、馬鹿な俺だって、それくらいわかるって」


「うーーーん。だけど、万福丸(まんぷくまる)。あなた、勝つ見込みはあるの?会合の場で大神(おおかみ)と合一(ごういつ)を果たしたばかりとは言え、よっしーさんを含めて、宗麟(そうりん)と道雪(どうせつ)の3人を防戦一方に追い込んだ連中よ?」


 そう、言い合う万福丸(まんぷくまる)と吉祥(きっしょう)であったが、よっしーから意外な言葉が飛び出す。


「待つでごわす。おいどん、あの2人と闘うとは言っていないでごわす。おいどんは確かに、主君を殺されかけた恨みはあるのでごわす。だが、それ以上に、邇邇芸(ににぎ)さまの言っていたことのほうが重要だと想っているのでごわす。邇邇芸(ににぎ)さまは、きっと、この手に入れた大神(おおかみ)たちの力を使って、邇邇芸(ににぎ)さまを超えるかもしれない相手と対峙せよと言っている気がするのでごわす!ぷっくんに力を貸してほしいのは、その尋常ならざる大神(おおかみ)との闘いのためにでごわす!もちろん、龍造寺家も説得して、彼らに力を貸してもらうつもりなのでごわす!」


「えええ?だけどよ?いきなり、よっしーたちを襲ったような連中だろ?そんなの相手に協力を求めようにも、交渉の場にもついてくれないと想うぜ?」


「万福丸(まんぷくまる)の言う通りだわ。よっしーさん。話し合いの席に着かせる前に、ここは一発、ぶん殴ったほうが、効果的よ?」


「ぶ、ぶん殴ってから交渉に入るのでごわすか?それは、乱暴すぎではないのかでごわす?」


「言って分かんない奴は、まずぶん殴る。それが俺たちの流儀。そうだよな?吉祥(きっしょう)?」


「うーーーん。それに同意すると、僕がただの馬鹿に視られる気がしないでもないんだけど、先に殴ってきたのは龍造寺家のほうなんだから、殴り返すべきではあるわ、よっしーさん」


 ふたりの強気な発言に、ううむと唸ってしまう、よっしーであるが、意を決し


「ふむっ。わかったのでごわす。交渉の場に置いて、舐められてはならないと言うでごわす。では、龍造寺家のほうは、ぶん殴るでごわす。改めてだが、ぷっくん、きっちゃん、おいどんに力を貸してほしいでごわす」


「ああ。いいぜ。なんたって、よっしーは俺と戦友だもんな!戦友ってのは、仲間を助けるってのが当たり前なんだ。よっしー、俺の背中を守ってくれよ!俺は、よっしーの背中を守ってやるからな!」


「ふむっ!よおおおし、もう一度、戦友の盃(さかずき)交換をするのでごわす!先ほどは、理由も告げずに無理やりだったでごわす。今度は、真の戦友として飲みかわすのでごわす!」


 2人、いや2柱ね。こいつら、ただ単に理由をつけて、お酒を飲みたいだけじゃないかしら?まあ、僕としては、せっかく気持ち良い気分になっている2柱へ野暮なツッコミをしたくないし、ここはおおめに見ておくことにするわ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

cont_access.php?citi_cont_id=32148659&si

ツギクルバナー

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。