↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/124

ー神有の章16- まずは行動

「まあ、どこでもその【紅茶】?って奴が飲めるようになったのは便利じゃねえか?吉祥(きっしょう)。これで、飲み水に困るってことからは解放されそうだしさあ?」


 万福丸(まんぷくまる)がのんきにそう言うのである。吉祥(きっしょう)は、はあああと深いため息をつき


「そうね。あんたのポジティブな思考には救われるわ。でも、万福丸(まんぷくまる)が僕から【紅茶】が飲みたいときは、お金を払ってもらうからね?」


「えええ?なんでだよ。俺、吉祥(きっしょう)が身体から出す液体なら何でも喜んで飲むのによおおお!金を取るっておかしくないか?いや、待てよ?うーん、そうだな。やっぱり金を払ってでも飲ませてもらえるのはありがたいかもしれない」


 万福丸(まんぷくまる)がうんうんとひとり頷くのである。こいつは一体何を言っているんだ?と吉祥(きっしょう)はじと眼で彼を睨むのである。


「まあ、とりあえず、1杯1文にしてくれよ、吉祥(きっしょう)。それなら、俺も日銭稼ぎの仕事で払えるくらいの値段設定だと想うし。吉祥(きっしょう)としても、将来の結婚式用の貯金にもなるしさ?」


「冗談よ。それくらい察しなさいよ。あと、なんで、僕が万福丸(まんぷくまる)と結婚することが決定済みになってんのよ」


 吉祥(きっしょう)が呆れながら言うのであった。


「だって、その吉祥(きっしょう)が具現化している【理(ことわり)の歴史書】だっけ?それって、俺と吉祥(きっしょう)の愛と愛と愛の物語の歴史を記載してくれる書物なんだろ?」


 そんなわけあるかっ!と想いながらも念のため、【理(ことわり)の歴史書】の最新ページあたりを開いて、まじまじと読み、そんな記載がないことにホッとする吉祥(きっしょう)である。


「大体、個人的な記載が乗るのは歴史上に大きな功績を遺した偉人か偉神くらいよ?天照(あまてらす)さまや信長さまくらいにならないと、記載されないわ?」


 吉祥(きっしょう)の言いに、ふーーーんと万福丸(まんぷくまる)は反応する。


「おやおやおや。その書物には先生のことが書かれているんですか?ちょっと興味がありますね?」


 信長がそう吉祥(きっしょう)に問うのである。


「あっ、はい。信長さまが桶狭間の戦いに勝利したとか、そう言ったことが記載されていますわ。でも、この書物、起きた出来事が記載されるまで若干、タイムラグが起きるみたいなの。それがここ数年のこととなると顕著になっていますわ」


 吉祥(きっしょう)がそこまで信長に説明すると、天照(あまてらす)がふむと息をつき、彼女らの会話に参加するのである。


「なるほどなのじゃ。思兼(おもいかね)と合一(ごういつ)を果たしている割には、おぬしは伊弉諾(いざなぎ)復活計画のような重大な歴史事件の詳細を知らぬと言うことなのかじゃ。これで納得がいったのじゃ」


「あれ?天照(あまてらす)くん、この書物について詳しそうな感じだったのですが、そんなことなさそうですね?」


「第六天魔王よ。わらわもこの書物を目の当たりにするのは神代(かみよ)以来なのじゃ。しかも、この書物の厄介なことは、誰でも自由にその中身を読めないことなのじゃ」


「それって、歴史書と呼ばれている割には使い勝手が悪くないですか?歴史書は誰が読んでも、わかりやすくて、生活に役立つことが書かれてあるべきですよね?」


「わらわにそう言われても、困るのじゃ。そもそもとして、この【理(ことわり)の歴史書】が何の目的で、誰が作ったモノかも実のところ、はっきりとはしていないのじゃ。だが、思兼(おもいかね)はどこからかわからぬか、その【理(ことわり)の歴史書】を手に入れおったんじゃ」


 天照(あまてらす)の言いに、想わず、えっ?と言ってしまう吉祥(きっしょう)である。


「天照(あまてらす)さまの言いを信じれば、これは元々、思兼(おもいかね)自身の神力の一部じゃないってことなの?」


「うーーーむ、なんとも返答の困る質問がきたのじゃ。先ほども言ったのじゃが、それは誰が作ったモノなのかはっきりしないのじゃ。だから、思兼(おもいかね)がもしかしたら、作り出したモノかも知れないということじゃ。だから、その【真実】を知っているのは、思兼(おもいかね)自身と言うことなのじゃ」


 【真実】。ひとや神、それぞれの意味での【真実】。そう、天照(あまてらす)から言われたことを吉祥(きっしょう)は唐突に想い出す。思兼(おもいかね)が知っている【真実】と僕が追い求める【真実】とは全く違うかもしれないのかも。だが、ある接点を持っているかも知れないわ。思兼(おもいかね)の知っている【真実】を知ることは、もしかすると、有意義なことなのかも?うーーーん。ダメだわ。考察を重ねようにも、そもそもとしてその材料が乏しすぎるわ。


「またぶつぶつ言い出したのじゃ。まったく、思兼(おもいかね)と合一(ごういつ)を果たしただけあって、あたまでっかちすぎるのじゃ」


 うっさいわね!思考することは大切なことよ!そのでっかいおっぱいに脳みその栄養分を取られてるから、あんたは、そうお気楽なのよっ!と叫びそうになるが、ぐっとこらえる吉祥(きっしょう)である。


 ぐぬぬと唸る吉祥(きっしょう)を視ながら、ふむっと天照(あまてらす)は息をつく。


「おぬしらはまだまだ若いのじゃ。考察に時間をかけるのは結構なことじゃが、その前に行動してみることも大切なのじゃ。いぬっころのように後先、考えずに行動してみることも有意義な場合もあるのじゃ」


「あれっ?俺、天照(あまてらす)さまにもしかしてほめられてる?いやあ。やっぱり、行動することは大切だよなあ?やってみないとわからないことって、世の中、多いしさあ?」


 万福丸(まんぷくまる)が笑い顔を作ってそう朗らかに言うのを、むむむーと唸りながら、吉祥(きっしょう)は見つめ、ついには、はあああと深いため息をつく。


「そうね。今は考えるより、次のために行動しないとダメよね。情報ってのは結局、足で稼がなきゃ、手に入れることなんて出来ないんだし。でも、困ったわよね。ここに手ごろな情報源の2柱が居るっていうのに、どこに向かえば良いのかしら?」


「そうだよなあ?信長のおっさんと天照(あまてらす)さまが知らないようなことを知っている人間や大神(おおかみ)なんて、そうそう居ないと想うしなあ?俺たち、どうしたら良いんだ?」


 万福丸(まんぷくまる)と吉祥(きっしょう)がそれぞれ腕組をして、頭を捻るのである。


「とりあえず、何をするにしても、万福丸(まんぷくまる)には強くなってもらうことが先決ね。僕もある程度は闘えるほうがなったほうが良いかもしれないけど。それより、万福丸(まんぷくまる)が2柱分の戦闘力があれば補えることだし」


 なかなかに無茶なことを言いだす吉祥(きっしょう)であったが、万福丸(まんぷくまる)は気付いてないのか、はたまた、ただの馬鹿なのか


「おう。そうだな。俺が吉祥(きっしょう)を守ってやらなきゃならんからな!よっし、とりあえず、次の目標は、俺の神力を高めるってことで!」


「どうやら、話が決まったみたいですね。では、先生、万福丸(まんぷくまる)くんが強くなれるように、手助けしましょう。万福丸(まんぷくまる)くん。強くなりたいと願ってください。先生がその【望み】を叶えましょう」


「お?いいの?いやあ、話のわかるひとで助かるよお!俺、何をしたらいいの?吉祥(きっしょう)みたいに左手で握手すればいいのか?」


「いえいえ。そんなことしなくても良いですよ?先生、男と握手するのは嫌な経験しかないので。いやあ。握手をした間柄だと言うのに、裏切られることがしょっちゅうな人生、いや神生ですからねえ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

cont_access.php?citi_cont_id=32148659&si

ツギクルバナー

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。