エリアZW地下秘密基地
猫矢さんは、夏期休暇を使って、昨日まで猫日国の最北県である北猫県のニャ雲町に行っていました。
朝のあいさつもそこそこに話し始めたのは、やっぱりUFOの話でした。
「エリアZWに行ってきたんです」
エリアZWというのはUFOマニアが使う用語で、ニャ雲空軍基地のことです。
地上の空軍基地はカモフラージュで、実は地下に秘密基地があると言われています。墜落したUFOから保護された宇宙猫と共同で、地球製のUFOが開発中なんだそうです。
「じつは、ある筋から試験飛行のスケジュールを入手したので、今回の旅行の計画を立てたんです」
「そうだったのね」
「で、四日前から昨日の明け方まで、徹夜で仲間と一緒に張り込んだんです。あ、もちろん交代で仮眠はとりましたよ。」
「たいへんね」
「でも、UFOは現れなかったんです」
「残念だったわね」
「調べてみると、一週間前にUFO試験飛行の噂がネットで流れていたんです」
「そうなのね」
「きっと当局が警戒して、試験飛行をとりやめてしまったんだと思います」
「そうなのかしら」
「仕方がないから展望公園に行って、噴火湾の景色を眺めて帰ってきました」
最初から観光をメインにすればいいのにと思いましたが、さすが猫矢さんと言うべきか、価値観が違うのでしょう。
温泉に入ったり観光牧場に行ったりもせず、ほとんど基地上空を監視して過ごしたみたいです。
みんなへのお土産には、イカ墨タコせんべいを買ってきてくれました。
エイリアンがらみの品物なのかと思ったら、これはニャ雲町自慢の海産物を使った普通のお菓子でした。言われた通りに少しあぶって食べたら、とても美味しかったです。




