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獣医・猫原玄齋先生

 今日は、定期健康診断のために猫山電鉄本社に行きました。

 本社は線路沿いに猫山デパートの隣なので、すぐに行けます。


 猫の社員は会社の嘱託医の普通のお医者さんに診察してもらうのですが、私の場合は獣医さんに診てもらうことになります。

 私を診てくれるのは猫原玄齋先生という灰白の富士額のおじさんで、私がこちらに来て一度だけ風邪をひいたときにお世話になった先生です。


「お久しぶりですね、ミーコ駅長」

「先生、お久しぶりです」

 玄齋先生は気さくでおしゃべり好きです。簡単に聴診器を当てたあとお話を始めました。

「お元気そうでよかったです」

「ありがとうございます」

「うちのモナちゃんが先月風邪をひいてね」

 モナちゃんというのは、玄齋先生のペットのフサオマキザルという猿のことです。

「知り合いのペット病院で診てもらって、すぐ良くなったんだけどね」

「そうなんですね」

「元気になったとたんに、いたずらが一段とひどくなってね」

「そうなんですね」

「うっかりツナ缶を置いてたら、勝手に開けてフタで指を切ってまた大騒ぎだったんだよ」

「大変でしたね」

「ミーコ駅長も、缶詰のフタには気をつけて下さいね」

「わかりました」

 他愛ない会話のようですが、玄齋先生がペットの猿をペット病院に連れて行っていることに、私はちょっとだけ驚きました。

 

 玄齋先生はふだんは大動物の獣医さんで、牛や馬を診ています。なので猿を診ることはありません。

 猫の世界ではペットとして猿を飼っている家は多いので、私は猿の一種としてペットの獣医さんに診てもらうべきなのかもしれませんが、よくわかりません。


 でもまあ、少なくとも玄齋先生は馬の治療では名高い先生みたいだし、猫の世界でたった一人の人間である私を診たことがある唯一の獣医でもあるのだから、おまかせしていいんだろうなと思っています。

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