第12話 「仲間に加わった?。」
ライオネルが寝てる間のお話になりますから短めです。
近づいていくと石の山の中から生命反応がある、タフなやつだなと思いながらミントに探らせる。もう一度ダイちゃんを召喚すれば早いけど、抵抗されると今度はこっちも巻き込まれる位置にいるからやめておく。
床は岩肌が剥き出しなんだな、以外と綺麗な感じだもっとこう色々汚れてるかと思ってた。
「どういう風に?。」
「それは、排泄物とか食い散らかした動物の骨とかが散乱してると。」
「「・・・みくびるな・・我は・・仲間内で一番綺麗好きなのだ・・。」」
おや?まだ喋る余裕があるのかしぶといな。
ブレスによる攻撃でダイちゃんの体表面の石が暖められて空気が暖かい。
もちろん溶けてるのもあるから保温効果は抜群です、遠赤外線もバンバン出てます。
「ここに引っ越そうかな?真冬でも暖かそうだし。」
「昼間暑いですよ?。」
「嘘だよん、トカゲ臭いから遠慮しとくわ。」
「「わ・・われは・・臭くな・・」」
なんか瀕死のトカゲがいるような気がするが、気にしないでおこう。
適当に椅子の高さの石に腰をかけて本を開く、ミントに別の出入り口を探させている。
あちこち壊れているからね、朝までに出れたら良いかなというくらいのスタンスかな?。
ホットココアを出して、一息ついてから本の続きを読み始める。
すぐに次の召喚呪文が出てきたので唱えてみる。
出てきたのは女性?顔は東欧風で髪はブラウン系、瞳はグリーンで、肌の色が透けるように白い。年齢は二十歳前後、身長160センチ位サイズは85-58-86くらいか、黒のビキニに背中に蝙蝠のような羽が生えている。
その上に黒のシースルーのノースリーブワンピースロングドレス、足元はニーハイのロングブーツピンヒール、手にはドレープタイプのロンググローブをはめているって、
どうやってそんなもんつけて出てくるんだろう?
え~と?羽の形と唇の端から僅かに覗く鋭い犬歯・・・もしかしてバンパイアかな?。
[対象は仲間に加わりたそうにこっちを憂いをたたえた眼でじっと見ている。]
本のページにどっかで見たような文字が浮かび上がる。
「おいおい・・・。」
召喚したものだから元から仲間だろうが、たく本当に本なのかこれ?。
「君の名前はう~ん~「パイア」だ。」
名前をつけられたバイアは嬉しそうに微笑んでる。
「誰の上位互換になるのかな?。」
ミントやカカオとリンクが切れたわけじゃないから・・・ま・・さ・・か・・・美子?
ゾンビの次がこれ?ええっ?何か色々とんでない?。
[一気に経験値が入りましたからねぇ、地道に上げるのが馬鹿にみたいに、まぁ元から規格外だったんだし今更いいじゃないですか。]
喋るのやめたのかね?この本、元から規格外ってなぁ。
[本読むだけで召喚してるんですよ?おまけにいきなり3体も同種のモンスターを行使したんですよ、規格外じゃないですか。]
じゃあ「バイア」君はそこにある石を使って瀕死のドラゴンの檻を作るーできるね?。
「はい、マスター。」
そう指示するとバイアはドラゴンが埋まっている石の山に向かい作業を始めたので、冷めかけたココアに口をつけてから再び本を読み進めることにした。
「「・・わ・な・・何をする・・えっおっ・・。」」
何か聞こえるが気にしないというか、本に没頭していると気にならないものだ。
ミントが戻ってくる頃には綺麗な檻が出来上がっていた、中には干からびたようなドラゴンだったものがぶら下がっているように見えるがたぶん気のせいだろう。
ミントが憐れむような目でドラゴンさんの方を見ている。
干からびたドラゴンに対して出てきた時よりもバイアはお肌がつやつやしている。
口元になんか赤いものがついてるけれど気のせいだろう、まさかドラゴンから吸血しないだろうーたぶん。
この元神殿、今は大量の死体が散乱する廃墟の処理をどうするかなんだが、適任者がいないんだよなぁ・・・出入口を全部ふさげばいいか?そのときはこの干物をどうするかだな、このまま埋めると魔力をため終わったら出てくるだろうしなぁ~。
「連れてけば?。」
いやでかいし、重いし、反抗的だと邪魔だしって、今喋ったのはバイアか?。
そうだな夜が明けるまでにはもどらないといけないし、ダイちゃんで運ぶかななどと考えてると再びバイアが喋りだす。
「小さくできるよ?、あたしの魔法で。」
「どれくらい?。」
「卵に戻せば、ポシェットに入るでしょ?。」
そうだった私も持ってるんだった○次元○ケット、あれに入れればいいんだわ。
「じゃあ、バイアやっちゃって、もう夜も遅いし眠くなってきたし。」
そういうやいなやバイアはスタスタと檻の方に歩いていくと檻の中に手をかざして、
何か詠唱すると檻が丸ごと消えてしまいバイアの手の中に卵のようなものが残った。
戻ってきたバイアからその卵のようなものを受け取ってポシェットにしまうと、ミントに乗り戻るように指示しバイアについてくるように言うと、彼女は後始末はお任せくださいといいだした。
「えっどうするの?。」
「ここのあとかたずけをしてから、後を追いますのでお先にお休みください。」
「できるんだね?。」
「はい、お任せを。」
ミントに命じてバイアのすぐ傍まで近づき、彼女の下腹部に右手を当てる。
「マスタ、何を?。」
そのまま押し当てた手に力を込めると彼女の内部に手が埋もれていく・・・。
「あっ・・うんん・・。」
バイアが艶めかしい声をあげる、いや変なことしてないし、体内に式を組み込んでだけですからね。
だから身体をくねらせて悶えないでって・・書き込みにくいでしょうが、こらっ!。
「片付けの途中で魔力切れで解除したら困るでしょ?、ちょっと我慢しなさい。」
式を組み終わり腕を抜き取るが、バイアの下腹部には傷一つ残っていない。
バイアの身悶えは続いているが、それは無視してミントとともに廃墟たるこの場を出て行く、何か背後で声が聞こえるが・・・
「ああって、人の居ないところでやっててもねぇ・・・。」
という声がかすかに聞こえてきた・・・。
まったく、なんであんなのが出てきたんだろうね?。
[親に似るんでしょうね。]
ミントに少し本が沈んでいった、表紙とか溶けるかな?。
いつも拙い私の話を読んでくださってありがとうございます。