十二の詩《うた》 第七回
十二の詩 第七回
① イチジクの生る木と地図記号。
② 同情と形容に跨るさまざまな思考。
③ 老婆と幼女の絆、投げる賽銭。
④ テープを観て自分の名前を探す、屈託の無い笑顔に呆れるほどの交差点。
⑤ シメジとスギナで一杯、寂しがりやの昼下がり。
⑥ ウナギが叫ぶ、早く海に帰りたいと。
⑦ 干潟で見つけた大きなイソギンチャク、味噌漬けにする。
⑧ チョークと石灰の黒板戦争。
⑨ 上司と美人の織り成す淫靡な光景、のめり込む体と落ちる僕。
⑩ ザクロの酢漬け食酢、酢酸。
⑪ 酸素と窒素の共同作業、横から割り込む二酸化炭素。
⑫ 必ず逆襲に来る、生きた心地のしないアフリカゾウ。
平成二十四年一月二十一日 記す