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【アーカイブ番号:LNS-MAS-02】

ACCESS_GRANTED: CLEARANCE_LEVEL_2

[STATUS]: MODIFIED / UNAUTHORIZED

[SOURCE]:

[Official]: Ministry of War - Expenditure Audit Report

[Leaked]: Imperial Intelligence Correspondent - Personal Memo

分類: [資産運用 / 偽装工作 / 官僚的誤認]

記録内容:[不敗の英雄による「U-001維持経費」の申告と、軍事省による愛妻家的解釈]


(「閣下の愛妻家としての照れ隠し」として処理済の印が押してある)

(「彼は真実を言っている、我々は化け物を野放しにしている」との走り書きがしてある)



■ 概要(System Log):

L卿による、高級ケーキおよび特注ドレスの購入費用に対する「個体U-001の維持・再調整経費」としての公金申請。


軍事省監査部はこれを「公金を使って奥方へ贈り物をしたことを誤魔化すための、閣下なりの不器用な言い訳」と断定。「微笑ましい逸話」として内部資料に記録し、全額を『福利厚生費(愛妻手当)』として受理。


愛妻家としてのL卿は帝都社交界における好感度を15%向上させ、軍事省の非人道的イメージの払拭に成功している。


■ 内部独白 / 遺棄ログ:

(記者による、震える手で書かれたメモ)

……おかしい。誰も気づかないのか?

L卿は、監査部に対して「これはU-001の粘膜への糖分反応テストだ」とはっきり言ったんだ。ドレスについても「兄をメスに仕立て上げるためのシミュレーターだ」と、一切の迷いなく断言した。


周囲の士官たちは「また閣下があんな恥ずかしい冗談を!」と笑っていたが、私には見えた。

彼の目は、一瞬たりとも笑っていなかった。

彼は、嘘をついていない。

世界が彼を「理想の夫」と崇める中で、彼だけが着実に、[削除済]で兄を壊すための準備を、公費(税金)を使って進めているんだ。


誰も信じてくれない。私が「彼は真実を言っている」と書けば、私のほうが狂人バグとして処理されるだろう。


(映像資料が添付されている)


参照資料1(帝國テレビ放送より抜粋):

不敗の英雄、L卿の「まめさ」は、今や帝都の社交界で語り草となっていた。


有名なケーキ屋が新しく開店したと聞けば、彼は自ら馬車を回して妻を連れ立ち、行列に並ぶことさえ厭わずにその甘味を共に楽しむ。また、帝都随一のデザイナーを屋敷に呼びつけ、妻のために特注の服や装飾品を次々と誂えさせる。


その細やかな気遣いは、戦場で見せる「血も涙もない冷酷な英雄」という噂を、鮮やかに塗り替えていった。

「閣下も、愛する奥様の前では一人の優しい夫なのだ」と、誰もがその微笑ましい光景に目を細める。


映像資料2(バラエティ番組でメイド聞き取りより再現された再現映像の抜粋):


L卿の帰還は、常に屋敷に心地よい緊張と、それ以上の「熱」をもたらす。


「お早いお帰りですね、旦那様」

出迎えた最愛の妻に、彼は外套を脱ぐ間さえ惜しむように歩み寄った。

そして、周囲の侍従たちが息を呑むのも構わず、彼女の細い腰を引き寄せ、深く、奪うような熱烈な口付けを交わす。


「……ああ。一刻も早く、君に会いたかった」

その甘く、どこか切実さを孕んだ囁きに、若きメイドたちは顔を赤らめて視線を彷徨わせ、老練な執事は満足げに目を細めた。

帝国貴族にとって、婚姻とは「繁殖義務」と「領地管理」のための事務的な手続きに過ぎない。特に高位貴族ともなれば、政略の果てに冷え切った寝室を共にするのは日常茶飯事だ。


男爵位に多い、愛を重んじるハイブリッド(混血種)の間では稀に見られる光景だが、純血を尊ぶ公爵家の後継者が、これほどまでに公衆の面前で妻への情愛を露わにするなど、帝国全土を探しても他に例を見ないだろう。


「あらあら、今日もお熱いことですこと」

微笑ましい囁きが広がる中、L卿は妻を軽々と横抱きに――「お姫様抱っこ」で抱え上げ、迷いのない足取りで寝室へと向かう。

英雄の背中に注がれるのは、羨望と祝福。


[SUBJECT_WIFE]

* VITAL: [Masquerade]

* DATA_INTEGRITY: [CRITICAL]

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