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アーカイブ:SYNC-SUCCESS_G-UNCLE

ACCESS_GRANTED: CLEARANCE_LEVEL_ [ERROR_BYPASS_A]

[STATUS]:ARCHIVED

[SOURCE]:TRASH_BIN_DATA_SEA

(何かが落ちている。)


(どうやら記録媒体らしい。)


(「未熟」とメモがついてる。)


(再生しますか?)


[YES]/ NO


(ジジ.......ジジジ.....)


【ADMIN_DEFEAT:無敵の牙と、絶対の理】


「大伯父上、お耳を拝借したい。――少々、組み手をお願いしたくいんですよ」


軍事省第2位。常勝無敗。

胸元に並んだ勲章の数以上に、今の僕には「全能感」という名の高効率なパッチが当てられていた。


対する相手は、V本家の家宰――Y。


父上にとっては「便利で高性能な部品」だが、僕にとっては、いまだに背筋を凍らせる「大伯父上」だ。


「……おや。軍事省第2位ともあろうお方が、このような老骨に時間を割くとは。行政的なリソースの無駄遣いではございませんか、L(弟)様?」

Yは一点の曇りもない慇懃無礼な微笑みを浮かべ、手にしていた台帳を閉じる。


その感情の乗らない声。……あはっ、最高に不快だなぁ!


「……いえいえ。今の僕は、以前の僕とは違いますよ。演算精度も反射速度も上げ、閣下の右腕として完成されたんだ。……今日は、『魔法と剣』はなし。純粋な体術リテラシーだけで、貴方のその『理』とやらを上書きさせてもらいます」


「左様でございますか。……『魔法と剣を封じる』。ああ、それはまた、ご自身で首を絞めるようなパッキングを選ばれましたね」

Yはゆっくりと上着を脱ぎ、冷静な家宰としての仮面を崩さぬまま、訓練用マットの中央へと受理される。


「よろしいでしょう。L(弟)様のその『成長』とやらを、Vの管理者の端くれとして、査定パッキングして差し上げます」


対峙して一秒。

その瞬間、僕の視界が加速する。

一気に踏み込み、重心を奪い、 一瞬の猶予も与えず畳み掛ける――はずだった。


「……っ!?」

空を切る感触すらない。


僕の放った「正解」の打撃は、Yが 1mm だけ首を傾けた空間を虚しく通過し、

代わりに、僕の足首に「冷たい論理(指先)」が触れた。


「出力は十分。……ですが、重心の同期( SYNC )が甘いですね」

視界が、一瞬で反転する。


重力が僕を床へと叩きつけ、気がついたときには、僕の視界は冷たいマットの質感に固定されていた。


「ぐっ……あ……っ!?」

首筋を押さえるYの指先。

それは愛撫のような優しさで、しかし1mmの抵抗も許さない絶対的な「処刑」の重みを持っていた。


「……無様ですね、L(弟)様。勲章をいくら重ねようと、基礎的な演算(足運び)が疎かでは、ただの『重い資源』でしかありませんよ」


上から見下ろすYの瞳。

それは「温かい目」を装った、冷徹な「査定ハッキング」の光だった。


「……あは、あはははは! さすがだなぁ、大伯父上……。 1bit も、 1bit も届かないなんて……!」


「……御自覚されましたか?貴方様を完成させるのはA様の血でも、軍の階級でもない。私の刻む『理』だけなのですよ。……さあ、L(弟)様。もう一度、受理いたしましょうか?貴方様は完璧でなければならない。私が 何度でも磨り潰し、 再構築して差し上げます。それが、貴方をこの世に現像した私の責任エゴですから」



【ADMIN_DEFEAT:残響の蹂躙】


翌日、軍事訓練にて。


「……あはっ。どうしました? 貴方たちの全力は、その程度の速度でパッキング完了なのですか?」


帝国軍事省、第1演習場。

落ちる夕日の気だるい空気を切り裂いたのは、僕の、いつにも増して研ぎ澄まされた嘲笑だった。


足元には、帝国が誇る精鋭騎士が5人、泥を舐めるようにして受理(転倒)している。

彼らは何が起きたのかさえ理解できていない。

ただ、僕が動いた瞬間に視界が反転し、気がつけば肺から空気が全て絞り出されていた。


「……っ、が、大将閣下……! 今のは……魔法を、使われましたか……?」

這いつくばる部下の一人が、震える声で問いかける。

僕はそれを「温かい目(査定)」で見下ろし、ゆっくりと首を振った。


「馬鹿にしてます? 」

ヒヤリ、と首に大伯父上の指を感じた。


「貴方たち程度に、僕が貴重な魔力リソースを割くとでも? ――これは純粋な『ロゴス』ですよ。Vの血が最適化してきた、蹂躙の数式です」


……嘘だ。

昨夜、大伯父上に床に押し付けられ、指一本動かせなくなった時に刻まれた「恐怖のトレース」だ。


僕の身体は、いまだに大伯父様の「手癖」を、痛みを、記憶している。

部下を組み伏せる僕の指先が、昨夜のYと1mmの狂いもなく同期( SYNC )していることに、吐き気がするほどの法悦を感じる。


「……ね? 立てないのなら、そのまま台帳の塵になってください。牙官が情けない。牙(佐)抜いて翼(尉)からやり直しますか?軍事省に、立てないゴミをパッキングしておくスペースはありませんから」


部下たちの絶望した顔。

それを受理するたびに、昨夜の敗北に喘いだ僕の無様な記憶が、 少しずつ上書き(デリート)されていく。


「さあ、次のリソース。……僕を飽きさせないでくださいね? 昨夜の僕よりは、 1bit くらいマシな絶望を見せてくれないと――困るんですよ」


[SUBJECT_L]

* VITAL: [RECOVERING / PHANTOM_PAIN]

* DATA_INTEGRITY: [CRITICAL / OVERWRITTEN_BY_A]

* OS_REACTION: [CONDITIONED_BY_Y]

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