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ザ・ドラゴンズ  作者: 天彗
ドラゴン軍
9/21

任務

 翌日。朝食を終え、訓練の支度をする。ヒカルは部屋を出て、城の裏手にある訓練場に向かおうとした。


 ドラゴン軍の兵士は、実はこれといった仕事はない。任務を受け、竜を討伐するか、訓練するかのどちらかだ。その日任務を受けるか、訓練するかは本人の自由だ。一応、訓練も仕事の1つなので、訓練をおろそかにすると評価が下がることもある。評価を上げるには任務を受ける必要がある。


 ヒカルは階段を下り、大広間に入った。


「あと一人……お、ヒカル。今、時間はあるか?」

 ボルトが階段の右側に立っていた。後ろにゴウとリキがいる。


「はい?」

 ヒカルはボルトの方に向かった。


「これからコイツらと任務に行くんだが、1人足りなくてな。悪いが一緒に来てくれないか?」

「はい、行きます!」

 ヒカルは元気良く返事した。


「よし、それじゃ任務に行く前に、任務の受け方を教えておこう」

「受け方ですか?」

「そうだ。こっちにこい」


 ボルトは階段の右側の壁に向かった。1つのドアがあり、その右側に掲示板があった。掲示板にはたくさんの紙が貼られており、内容はどれも竜を討伐してくれ、というものだった。

 ボルトはその中から一枚の紙を剥がした。


「こいつに任務の内容が書いてある」

 ボルトはヒカルたち3人に紙を見せた。


対象 火竜ドラゴン

場所 草原

任務内容 対象の討伐

被害 商人が襲われた


「今回俺たちが行く任務だ」

 ボルトが言った。


「火竜ドラゴン?こんなザコより、もっと強いヤツがいいんだが」

 ゴウが口をはさんだ。


「ワガママ言うな。新人はまず、火竜を討伐することから始めることになっている。火竜が討伐出来れば、少し難しい任務も受けられる」

 ボルトがゴウを注意した。ゴウは舌打ちして黙った。


「さて、この紙をどうするのかだが、コイツに渡す」

 ボルトはドアをノックをした。


「入っていいぞ」

 中から男の声がした。ボルトはドアを開けた。中にはたくさんのパソコンやタブレットが並んでいた。その奥に、大きなモニターがあった。その前に1人の銀色の竜がいた。


「任務か?」

「ああ、そうだ」

 ボルトは銀色の竜に紙を渡した。


「火竜の討伐ね、了解。ちゃんと4人いるな?」

 竜はボルトに聞いた。


「いるぞ。ただ、俺以外は全員新人だ」

 ボルトはゴウたち3人を見た。


「そうか、じゃあ少し説明しておくか」

 竜はそう言ってモニターの電源を点けた。


「まず俺の名前だが、イメリオと呼んでくれ」

 イメリオは手元のタブレットをいじり、モニターに何枚か写真を出した。掲示板とこの部屋の写真、あと街の写真だ。


「ボルトから聞いたとは思うが、この部屋のドアの横に掲示板があっただろ?あそこに貼ってあるのが依頼書だ。街のヤツとかが持ってきた依頼が書いてある。その依頼書をこの部屋にいる俺に渡す。そのときに4人以上いないとならない。ここでは、討伐任務には4人以上で行くという決まりがあるからな」


「なんで4人いないとダメなんだ?」

 リキが聞いた。イメリオはモニターに図を表示した。


「それぞれ役割が与えられるんだ。主に指示役、攻撃役、防御役、回復役の4つだ。この組み合わせで討伐任務に向かう。まあ最近は、ほとんどのやつがそういうの無視して、全員で突っ込んだりしてるがな」

 イメリオが苦笑いした。


「まあとにかく、ここでは4人で任務に行くのがルールだ。覚えておけよ?」


「はい」

 ヒカルは頷いた。


「よし、じゃあ行ってこい。帰ってきたら指示役のヤツは連絡しろよ」

 イメリオが言った。4人は部屋を出た。


「早速向かおう。火竜はここから1時間くらいの草原にいる」

 ボルトは外に向かって歩き始めた。


「火竜程度、すぐにボコボコにしてやる!」

 ゴウが笑いながら言った。


「そうだな!」

 リキも同意した。ヒカルはその様子を後ろから見ていた。

場所 襲撃受域

「ゴウとリキは火竜を倒したことがあるのか?」

 ボルトが歩きながら2人に聞いた。


「あの程度のザコ、ガキのころから何回もぶちのめしてるぜ?」

 ゴウが笑った。


「そうか、頼もしいな」

 2人の会話を聞きながら、ヒカルは歩いていた。しばらくして一番外側の城壁にたどり着いた。


 城壁には大きな門があり、その前に門番が2人立っていた。

「ん?任務か?」

 門番の1人が聞いた。


「ああ、そうだ」

 ボルトが答えた。門番は大きく重い扉をゆっくり開いた。外には広大な草原が広がっていた。


「ご武運を」

 2人の門番が言った。4人は門をくぐり、城壁の外へと出た。

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