最終話
いきなり最終回になっってしまったがご了承くれ。
長年俺はゲームしかやってこなかったので友達という概念はなかった。いや、ゲームが友達だと思っていたのかもしれないな。
俺の親は俺が中学生になったときに両親は事故で亡くなりそれからは妹と一緒に親戚のおじの所でお世話になった。おじはとても優しく面倒見がよかった。妹はそんなおじになついていたが俺はおじの事を好きになることが出来なかった。いや好きになろうとしてこなかっただけかもしれない。
そんな俺が友達なの出来るわけもなくこのまま友達のいない人生をおくるのではないかと毎日考えていた。もしかしたら友達が欲しいという気持ちがなかったのかもしれない。大抵の人間は自分の事は自分が一番良く知っていると言っているが、自分の事を外から見てもいないのに良くそんな事が言えたものだな。
そしてそんな俺にもゲームで知り合った友達?と呼べる存在に出会った。こんな俺でも素直に受け止めてくれる心優しい人、そう、彼女の名前は「神楽坂 夢見」。
彼女と俺との高校ライフは始まったばかりだ。
この学校に入って変わったことが1つだけある。それは俺にも新しい友達が出来た事だ。
これは大きな進歩だとも言える。いや、神楽坂が ただ 優しい人なだけかもしれないな。
いや今はそんな事はどうでもいい。なんと今日は、クラスで自己紹介がある日で俺が友達をつくれる絶好のチャンスだ。
ホームルームが終わり担任の先生から生徒に向かって自己紹介をするように言われた。きた、ついに来たそれぞれが自己紹介を終え自分の番になってしまった。
よし、ここは高校、中学とは違うのだ。中学のようにボッチ生活をおくりたくなければ今、この瞬間だけはがんばらないといけない。神よ俺に力をくれ、そう願いながら俺は自己紹介を始めた。
「自分は一条蒼太と申します。皆様とな、仲良くなれるよう、に、がんばり、ります。」
やばいめっちゃ噛んだ終わった。俺はそう思いながら自分の椅子に腰かけた。とたんにクラスの女子達が大声で声を上げた。もしかして俺の自己紹介が成功したのか。と一瞬思ったが人生はそんなに甘くない。女子達が叫んだ原因は爽やかでクールでイケメンの男子が俺にとっては、いや、俺達男子にはとても憎い自己紹介をしたからだった。
「俺の名前は、柴崎 旬だ。このクラスのみんなはただ俺についてこい。」なんともまぁカッコいいセリフではありませんか。そのスマートさを俺にわけてくれよ。そんなことを考えていると自己紹介はあっという間に終わってしまいせっかくの友達づくりのチャンスを無駄にしてしまったのだった。
放課後、俺は神楽坂引き入るゲーム部に入った。部活と言っても部員数は俺と神楽坂さんの二人だけで活動している。
「うーん、もうちょっと人数多いと出来るゲームが増えるんだけどな〰」神楽坂は少しだけがっかりした様子だった。
「確かにな」と俺は短な言葉でこの会話を締めくくりゲームに励んだ。
部活が終わり、俺は家に帰ろうとした時に神楽坂に「待って」と言われて足を止めた。神楽坂が俺に何の用なんだろう。そう考えていると神楽坂から驚く言葉が出て来た。
「これから毎日一緒に帰ろうよ。」俺はその言葉で考えることも出来なくただ立ち尽くした。その様子を見ていた神楽坂は少しけ戸惑って「私と帰るのいや?」と聞いてきた。かわいい女子のお願い事を断る理由がない。
「いやそんなことはない。ただ少し驚いただけだ」戸惑っている神楽坂に対して早めに返事をしておいた。 神楽坂は少しだけ頬を赤くして「よかった。」とつぶやいたそんなに俺と一緒に帰りたかったのか。いやそれはないだろうな。いろいろあったがこれが俺の高校生活最初の日、俺の友達づくりは少し時間が掛かりそうだが気にせず焦らずにつくっていこう。
挿絵を描いた新田です。だるかったので数時間で適当に描きました。でも、これが新田瑛斗として初めて描く絵です。