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ンエウコイスンフ ←

ンエウコイスンフ ←


空の間に転じて移る。

文字そのものの意味を表現したように、コード03が噴水公園へと出かけた俺達の上空に現れる。

白色の下着と共に見えるのは無数の血の付いた刃。

そしてその両手には鞘に納められた大小の刀が握られていた。


「タケル、任務完了」


白いワンピースが破られ、随分とセクシーな事になっているが動じないコード03に感心した。

真っ赤に染めあがったワンピースから覗けるのは抉られた左足。

俺は咄嗟に息を飲んだ。


「殺せたのか?」


「うん」

「下位の死神を7人殺しただけの【ねたみ】なんてそれ相応の魂で事足りる」


【ねたみ】とは?

思わず口を挟んでしまう。

刹那、振り返るのは紅と白。

そしてお互いにアイコンタクトをして、何かを了承したのかコード03はすう…と息を吸う。

何かを小声で言った気がするが、なにを言ったのかまでは聞こえない。

口の動きからわりと長文なのがわかるが…何かの諺か?


「君は知ってる?」

「一言以って之を蔽うって」


やっぱり諺だった。

ならば彼女はまた何かの呪いをしたのだろう。

いや、厳密に言うならば彼女の異能力の詳細はハッキリ言ってしまえば不明だ。

しかし俺は断言する。


俺はコード04以下の他の誰よりもこの白の死神と呼ばれている女と会っている。

俺はコード04以下の他の誰よりもこのコード03という女の事を知っている。


俺はコード11以下の死神が、この【災厄の死神達】という存在に守られているのを他の誰よりも知っている。


通常であろうとする死神達に対して、通常である事を諦めた死神達。

それが齎す恩恵は、自分達が人間ではないと言いきっているコード03・アリサが一番受けているだろう。

力を得る為に進んで不幸に成り得るその精神力の強さ。

それはコード03だけではなく最悪の事故を乗り越えたコード01とコード02の支えがあるからだろう。

自分が不幸になって誰かが幸せになれるのならば、それで良い。

目の前で抉られた足から血を流す女は今でもそう言い切るだろう。

限界を超えたその身体を動かすには、不幸になって死神らしく振舞う事が唯一の救いなのだから。

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