デマウカムニンエウコイスンフ
デマウカムニンエウコイスンフ
コード01・タケル。
彼の異能力は未だ不明瞭な部分が多い。
ヘビースモーカーで、任務は書面での説明を徹底し、そして絶対的な能力値の保持者。
なぜならば、誰かがタケルの名を呼ぶだけでその場に来るのだから。
ただしそれは彼が煙草を噴かしている時だけと限定的だ。
その事からこの瞬間移動能力は何かしらの制限があり、コード01は自然系異能力の使い手なのだろう。
「お前はどうして【シニガミコード】が起きるかわかるか?」
「それは…数字に穴が開くのを嫌う神さんの我儘だろ?」
「そうだな」
「自分はテキトーな仕事をしているくせに、俺達死神の数字の管理は徹底だ」
何が言いたいのだろうか。
自分は長らくこのコード11のポジションをキープしているが、それと何か関係があるのだろうか。
コード11は人間と死神の境界線で、人間としての心が残っている存在。
だからコード10の【普通への固執】は逆を言えば人間に戻りたいが故の衝動だ。
それを憐れむ時点で俺は絶対にコード10以上にはなれない。
「お前の異能力はコード04よりも優れている」
「アイツはただの追尾能力」
「お前はいわば創造主だ」
ただ、人間として確立しているからその力を使いきれていない。
だからこそ、俺はお前にこうやって折り入って話をしている。
コード01はそう言い切った。
「シニガミコードが発生する理由はお前が言った答えで正解だ」
「なら、どうして発生するかが問題だ」
不定期に行われる死神の総選挙。
どこぞのアイドルのような可愛らしいものではないが、日付が決まっているわけではないが。
なぜそれが起こるのか、起こってしまうのか。
そう言えば俺は一度も考えた事がなかった。
「単純な話だ」
「死神が死んだら数字が狂う」
「だからするんだよ、シニガミコードをな」
コード。
色んな意味があるが、俺達はそれを勘違いしている傾向がある。
死神のコード、死神のマーチ、死神のシーケンス。
死神の【掟】が破られるから、シニガミコードが【起きる】のだ。
狂った糸を調律する為に、意図的に起こすのがシニガミコード。
どうして俺はそんな事にも気付かなかったのだろうか。