墓守りのため息
とある西洋の端っこ。その国のさらに端の端に、その村はあった。そこの住民は主に農業をしており、教育というものはまぁ、忙しさに駆り出されるため、おおよそまともなものではなかった。全員が農民。それで村は回ってゆける。
墓守りの家のユーコも、そう思っていた。
思っていたからこそ、自分の家が墓守りの家であることが、嫌で嫌で仕方がなかった。
「墓守りも必要よ、ユーコちゃん。」
隣のおばさんは、ユーコにそう言って笑った。ユーコ自身は、それを芳しくは思わなくて、むすっとしたまま家路へと着いた。