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~転生したら余命一年でした~
第1話 その時はいつ来るかわからない
「……さよなら、みんな」
別れを、告げた。
大切な人たちに、最後の言葉を送った。
そして、覚めない眠りについた。
目を覚ました時にはじめて見たのは、眩しいばかりの朝日だった。
そして、体が塵になりかけていた。
「ぎゃああああああああ!?」
「い、いかん、すぐに棺桶に蓋をしろ!」
勢いよく棺桶に蓋がされたというか棺桶? やっぱり俺は死んだのか? というか何だ、さっきの激痛は?何一つ事態が呑み込めない俺の身体が棺桶ごとどこかに動かされたらしいのが振動で判った。
そして棺桶の蓋が開き、ロシアングレーの髪をした渋い御老人が、棺桶からこちらを覗き込んできた。品の良さを感じさせる歳の取り方をしている。
老人が俺に目を合わせ、穏やかに尋ねてきた。
「……大丈夫でございますか」
「死ぬかと思いました」
「私の不手際です。どうかお許しを」
俺がぽろっとこぼした本音に、御老人が深々と頭を下げる。
というか一つ聞かせてほし。
「ダレデスカ、アナタ……」