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短編ごちゃまぜ

化け猫さまの求婚

作者: しきみ彰

「……えーっと」


 森に薬草を採りにきたしがない薬師、ことわたしは、目の前で佇む男を見てどうしたもんかと頬を掻いた。


 目の前に、化け猫ひとり。


 長い黒髪に青い瞳を持ち、金と青の着物を着た、絶世の美形男子。その頭には、黒い猫の耳が生えている。それが、彼が化け猫だということを如実に示していた。

 ただその左目は一本の傷が走り、実に痛ましい姿をしている。

 ドクドクと、血が流れては顎を伝って落ちる。

 あきらかに人為的に付けられた傷に、肝心の化け猫は無表情だった。


 ただわたしをじぃ、と見つめて。

 何やらぼやこうとする。

 だけどその前に、化け猫の体が傾いだ。


「ちょっ……!」


 ぱったりと倒れた化け猫に思わず駆け寄る自分が憎い。

 というか、妖にあったら迷わず逃げろって言われてんだよね。妖って人を食うらしいし。

 でも、怪我をした人をどうしてもほっておけなかった。無駄なお節介だと自分でも笑いたくなる。


 だけどさ、わたし。これでも薬師なんだよね。


 目の前で怪我して死なれたんじゃ、目覚めが悪いどころの話じゃない。

 そんな馬鹿馬鹿しい理由で、わたしは自分の命と化け猫の怪我を天秤にかけた。


 化け猫の出血は、かなりのものだった。

 その証拠に、着物にまで血がしみてる。それはもうアホかってくらいの血の量で、思わず眉をしかめた。

 常備している医務道具を取り出し、化け猫の目元に布を押し当てる。


 当の化け猫さんは、わたしがすることに対して特に抵抗も、反応も見せなかった。

 ある程度血を拭えたら、竹筒に入れてある水をかける。


 綺麗な顔が台無しだ。


 先ほど摘んだ薬草をいくつか取り、手でこすってから布に包む。それがにじんで緑色になってきたところで、傷口に押し当てた。


 これで多少は、よくなるはず。


 それからテキパキと応急処置を終わらせると、今までピクリとも反応しなかった化け猫が、いきなりわたしの手を掴んだ。


 とうとうそのときがきたのか、と身構えるわたしに、化け猫は言う。


「好きだ」


 …………

 …………

 …………。


 とりあえず、一発殴ってもいいかな。


 寝言に近い発言をした化け猫に、わたしは拳を握り締めて笑った。


「寝言は寝て言え腐れ野郎」


 そしてそれが残念なことに。

 わたし、まゆらとこの化け猫の。

 これからに関わる出会いだった。



 ***



 化け猫の名は、八雲と言った。


 お節介なことにわたしは、八雲の傷の世話をするために、この男の家に泊まり込みで看病し始めたのだ。


 まぁ、看病するのは別にいいさ。

 だけど。

 だけど……ね?


「まゆら。好きだ。俺と結婚してはくれまいか?」

「寝言は寝て言えって、なんべん言わせたら気が済むわけ?」

「俺の気持ちは本当だぞ」

「惚れた理由を言えアホが」

「一目惚れだが?」

「……ああ、そう、分かった。もういいからとっとと寝て。傷が開くでしょ寝ろ」

「まゆらがそう言うなら」


 今日出会ってから何度も繰り返される理由に辟易していたわたしは、このボロ屋の床の上に敷いた、薄っぺらい布団に八雲を寝かせた。

 数分経たずに寝息をたて始める怪我人に、わたしは詰めていた息を吐き出す。


 そう、この化け猫。

 薬草を取りにくるわたしを見て一目惚れしたと抜かしているのだ。


 呆れて物も言えない。

 でも本気でわたしのことが好きだと言ってるのは分かるので、今は適当に流すだけにとどめている。


 正直言うなら、化け猫からの求婚とか意味が分からない。


 でも化け猫という生き物はどうやら、村で色々言われているよりいい生き物らしい。……少なくとも、八雲は。

 その他がどうかは知ったことじゃないけど、今のわたしにはそれだけで十分だった。


 外は真っ暗なため、帰ろうにも帰れない。八雲の住処に行って彼を介抱し、食事を与え、その他もろもろしていたらこれだ。


 夜の森を歩くのは、さすがの私もためらった。というか、迷う自信しかないんだ。うん。


 そもそも、野生生物もたくさんいるしね。お転婆で有名なわたしでも、さすがにそれはしませんとも。


 でもこのボロ屋に、布団はひとつだ。寝ようにも、床で寝るしかない。


「明日、体がバキバキになってないといいけど……」


 ごろん、と転がれば、ぎしぎしと床が悲鳴をあげる。寝ているうちに抜けたらシャレにならないなーと思いつつも、わたしは、今日の疲労もあってかすぐに寝てしまった。



 ***



「……ん」


 ピュルルーだかくるるぅーだか知らないけど、なんかの鳥の鳴き声で目が覚めた。

 目をしぱしぱと瞬かせ。


「……ん?」


 そこでようやく、違和感に気付く。


 ……いやいやいや。待て。なんでわたし、布団の上で寝てんの?


 しかも、妙に暖かい。

 結論はもう、ひとつしかない。


「……ねぇ、八雲。何してんの?」

「……はて。何か間違っておるのか?」

「間違いだらけだわボケ」

「しかしあのままあそこで寝ていたら、体を痛めると思おてな」

「無駄な配慮いらんわっ!」


 そう! そうですよ!!

 わたしは今! 八雲と同じ布団の上で!

 寝てんですよどあほぉぉぉおお!!


 よくよく考えなくてもわたし、無防備だなぁおい。


 人を食うとか言われてる化け猫の横で、よくもまぁぐーすかと寝れたもんだ。我ながら図太いにもほどがある。

 八雲の腕からなんとか抜け出したわたしは、はだけていた襟元を適当に直すとため息を吐く。

 女としてはやっちゃいけないと言われてるけど、別に他に見てる人もいない。だからあぐらをかいて頭を掻いた。


「……まゆら。あぐらはどうかと思うぞ」

「……あんたからそんな言葉が出るとは思わなかったわ」


 はい、まさかの化け猫さんからの注意が飛んできましたー。

 そしてさりげなく顔を背けるの、やめようね。何この化け猫ウブなの。


 ほんと、調子狂うわ……。


 正座を崩した形で座り直すと、わたしは頭を掻きながら彼の傷の具合を見た。

 布を外してみると、傷は見事に塞がっている。ただ傷跡は残っていた。


 化膿はしてないけど……この傷跡は残りそうだよなぁ……。


 刃物で切られたのか、はたまた同族争いか。

 別にそれを聞いたところで得はないので、無駄な詮索をすることはやめた。

 竹筒の水を別の布に染み込ませ、薬を当てていた箇所を拭いてやる。その間も八雲は、実に静かに正座をしていた。

 怪我人としては扱いやすくて、わたしとしては嬉しいんだけど……ただ不安になるわ。うん。


「はい、おしまい。傷跡は残るだろうけど、数日おとなしくしてたら傷が開くことはないと思うから」

「そうか」

「……じゃあ、わたしはこれで帰るわ」

「!! そ、それは悲しいからやめてほしいっ」

「……いや、わたしにだって家はあるから。ひとりで過ごしてるけど」

「なら、ここで過ごしてもよかろうっ?」

「よかないわ。こちとら村の人たちのために、薬作ってあげてんだから。今回薬草採りにきたのだって、それが理由だし」

「……誰か具合でも悪いのか?」

「んーまぁねー」


 道具を片付けながら言うと、八雲は「そうか……」と本当に残念そうな顔をした。

 こう見ると、化け猫も人間も表情筋は変わらないもんだと思う。

 なんだか申し訳なくなってきたわたしは、ため息を漏らした。


「……今度薬草を採りにきたときに、また来てあげる。だからそんなに沈むな」

「!! ほ、ほんとうかっ!!」

「嘘ついても得はないでしょーが」

「好きだまゆら!」

「どーしてそーなるこのあんぽんたん……!!」


 こうしてわたしと八雲の、奇妙な関係が始まった。



 ***



 わたしが八雲に出会ってから、一ヶ月が経過した。

 その間わたしは十回ほど森に入り、彼の元へと通っていた。


「……というかこれ、なんか逢引みたいじゃない?」


 薬草を入れるためのカゴを片手に、思わず呟く。

 頻度はあれにしても、わたしのしてる行為はなんつーか……完璧に逢引だ。

 いくら「薬草を採るついで」と言い訳をしても、男女が内緒で会っているのだから逢引だろう。


 その上なんだかんだ言ってわたしも、八雲にほだされ始めていた。


「なんだかなぁ……」


 わたしはしがない薬師、しかもほぼ無収入、なんだけども。

 そろそろ縁談の話が舞い込んできても、おかしくない年齢なのだ。周りはお節介なおばちゃんおじちゃんたちばっかだし。


 ただここまで純粋に、恋愛感情を向けられたことがないから困る。

 そして八雲という男は、決して乱暴なことをしない化け猫だった。


『好きだ、まゆら』


 思い出すと、顔に熱が集まるのが分かる。

 はじめのうちは適当にほいほいと流せていたものが、だんだんと流せなくなってきたのは、いつからだったろうか。


「……あー!! はい、やめっ! 今は前見とこ!!」


 頬をぴしぴしと叩き、足元に気をつけて歩くことに専念する。既に何回も足を運んでいる八雲のボロ屋。あと少しもすれば着く距離だ。

 しかしその道中。


「……あ、れ?」


 村人の集団が、何やら物騒なものを持って歩いているのが、遠目から見えた。


 なんだかとても、嫌な予感がする。


 カゴを背負い直したわたしは、足元に気をつけながら八雲のボロ屋へと駆けた。





 そこにあったのは、蹂躙され尽くしたボロ屋だったもの、だった。


 中を見たけど、何もない。八雲の死体もなかった。でも、血痕がぽつりぽつりと残っている。

 それに安心したけど、違った意味で血の気が引いていく。


「妖狩りだ……」


 村の住人たちは、山に住まう化け猫たちを狩るために、森に入ってきたのだ。

 そして見たところ、彼らはさらに奥へと進んで行った。

 逃げたであろう八雲を、狩るために。


 どうする、どうする、どうする、わたし……っ!!


 頭を抱えて周りを見渡す。

 すると木に留まる烏が見えた。


 ぎゃーぎゃーぎゃー! とやかましいほど鳴くその烏は確か、八雲と仲が良かった烏だ。

 わたしがそっちを向いたことに満足したのか、烏はとっと地面に降り立ち、ちょこちょこと歩き始めた。


「……つまり、そっちに八雲がいるってこと?」


 聞いてみたら、「早く来いよノロマ」という感じに鳴かれた。ちょっとカチンときたけど、今は何も言わないでおく。

 烏に道案内をされて着いた先には。


「八雲……!!」


 ぐったりと横たわる、八雲の姿があった。

 烏が嘴でつつけば、八雲は億劫そうに眉を寄せる。

 慌てて駆け寄れば、足に怪我をしている。


「……まゆ、ら? なんだ、黄泉への迎えか……?」

「っ、バカ、何言ってんのあんたは……!!」


 血の気が引いていく思いだった。

 たもとから布と化膿止め、竹筒を取り出し、水で洗って拭く。そして化膿止めを塗って布で縛った。

 するとこの化け猫。


「……お腹が、空いた」

「……は、ぁ?」


 ……とんでもないことを抜かしやがったのですわ。


「まゆらが来ないから、動物を狩るのも面倒でな……その上やかましい人間たちは来るし、散々だ」

「あんた、ねぇ……っ」


 わたしのときめきと心配を返せと言いたい。

 でも、それよりも安心が勝った。


「なんか、いろいろ心配したわたしがバカだった……」

「なんだ、それは」

「はいはい分かったから、怪我人は黙ってる。まったくもう……」


 安心したのも束の間、烏がぎゃーぎゃー鳴き始める。

 八雲も何か気づいたらしく、耳をピンッと立てた。


「……まゆら、まずい。妖狩りをしている村人たちがくる」

「……は? え、ど、どーすんの!?」

「俺はもう大丈夫だから、まゆらは行け。村人に勘違いされてしまうぞ」

「勘違いって……」


 つまりそれはわたしが、集落から省かれるということだ。

 でも八雲を見殺しにしておくのは、何かが違う気がした。


「……八雲、ひとつ、考えがあるんだけど」

「……なんだ、まゆら。新たもうて」

「わたしを連れ去って」


 八雲は目を丸くした。



 ***



「くっそ! あの化け猫、どこ行きやがった……!」

「って、あれ、まゆらさん!? まゆらさーん!!」

「……あら。どうしたの、こんなところに」

「いや、どーしたのはこっちのセリフですよ……妖がいる森に、ずかずかと入るなんて。危ないですよ?」

「危ないとか言ってたら、薬草なんて採れないわよ。で、どうしたの、そんなに息切らせて」

「い、いやですね、それが……ここらへんに化け猫が逃げ込んで来るのを見ませんでした?」

「化け猫? もしかして、この血痕がなんか関係してるわけ?」

「っ、こ、これは……」

「多分ここら辺に、まだいるはずだ!」

「ま、まゆらさん、感謝です! それとここまで深いとこだと妖が多くなってますんで、今日はもう帰ったほうがいいですよ!!」

「あら、そう。じゃあそうするわ。……あ、あと」

「……なんすか?」

「わたし、今日村を出るから」

「……は、ぁ!?」

「だって、そろそろ縁談の話来そうだし。その前に逃げないとねー。今までありがとう」

「いや、確かにまゆらさん、縁談に乗り気じゃなかったけど……んないきなり……」

「それじゃー。妖狩り、頑張ってね」

「って、まゆらさんっ? まゆらさーんっ!!」



 ***



 ……ふ。どーよ。わたしの迫真の演技。


『……なんだ、まゆら。縁談の話が来ているのか?』

「まだしゃべんなアホ。わたしの家に着くまで我慢して」

『……納得行かん……』


 さてさて、今、八雲君はどこにいるでしょうか。

 はい、正解はなんと。


 わたしが背負ってるカゴの中でしたー!!


「というか、そんなふうに小型のかわいー猫ちゃんになれるなら、初めからそうして欲しいんだけど」

『猫なんていう小さな生物になったら、まゆらの眼中に入らなくなってしまうではないか』

「……人間の姿の方が負担大きそうだけど」


 そう。八雲は今ちっちゃな猫の姿になって、カゴに入ってるのです。

 カゴは結構深いから、八雲を入れてその上から適当な葉っぱを入れればバレることはまずない。

 森までの道のりをせっせと降り、わたしはようやく自分の住む家に着いた。


「もう出ていいよ、八雲」

『うむ』


 カゴの草の中から這い出してきたのは、片目に傷跡がある黒猫だ。

 ……しかも、尻尾が二つに分かれた、猫。


「まーさか、猫又とは思わないわよね……ほんと」

『気になるようなら、隠せるぞ?』

「あーはいはい。便利ねぇ、妖って……」


 なんかを言う気も湧かない。ただここでグズグズしてられないので、わたしは適当に身支度をして、カゴの中に必要なものを放り込んだ。


「……まゆら。本当にいいのか?」

「……は? 今さら何言ってんの。別にいいのよ。もともとそんなに、村人たちと交流してなかったし」

「しかし、親しかった者はおろう?」

「そりゃあ、ね。思い入れがないって言ったら、嘘になる」


 思い入れはあるけど、縁談の話が嫌だという話は本当だ。誰かに決められた他人と共に過ごすのなんて、面倒臭いにもほどがある。


 なら村を出て行き、適当な森の奥で家を建てて、この男と過ごすのも悪くない。そう思ったのだ。


 いつの間にか人間の姿に戻っていた八雲は、困ったように眉を寄せた。


「俺としては嬉しい。だが、まゆらは本当にそれで幸せか? 俺はまゆらが好きだが、君にそれを強要したいわけではない……」

「……ねぇ、ほんっとーに、バカなの?」

「……な、なぜだ」


 呆れて物も言えない。

 そう、この化け猫は、会った時から。

 バカなくらい純粋で、わたしに優しかったのだ。


「わたしが、好きでもない男に連れ去ってなんて破廉恥なこと、言うわけないでしょうが」


 わかってほしい。あの言葉は、わたしの精いっぱいの見栄だったと。

 顔に熱が集まるのを感じ、わたしはそっぽを向く。

 すると少しの間の後。

 わたしの体を、八雲が抱き締めた。


「ほ、本当……か?」

「嘘言って得なんてしない」

「まゆらも、俺が好きか……?」

「っ、す、好き、よ」


 思わず振り返れば。

 唇が重なる。

 優しい口付け。だけどそれがだんだん深くなって、舌が割り込んできた。


「ん、んっ、ふ……っ」


 今までの溜めていた想いを表すかのように。

 口付けは角度を幾重にも変えて続く。

 ようやく離れた頃、わたしは息も絶え絶えに肩を揺らしていた。


「まゆら、まゆら……」

「……はいはい、分かった。分かったから、今はやめて。今日中に出て、あんたと過ごせそうなところ探さないといけないんだから」

「うむ……」


 カゴに衣服やら金銭やら、高値で売れる薬草やらを詰めて。ついでに猫の姿になった八雲を押し込み、わたしは立ち上がる。

 そんなとき、八雲がまた口を開いた。


『まゆら』

「なに。お願いだから、家から出たらしゃべらないでよ」

『うむ』

「はぁ……」

『まゆら』

「……なに」

『愛している』

「……そう」


 わたしは顔を背け、村を後にした。



 ***



 そうして八雲と村を出たのも、今となっては昔の話だ。

 今わたしたちは良さそうな森の奥に家を建て、そこで生活をしている。


「よっこいしょっと……」

「まゆら、大丈夫か……?」

「まーなんとかなるでしょ。頼りになるのは八雲だけだから、しっかりしてよ、お父さん?」

「っ、も、もちろんだ!」


 そして膨れたわたしの腹には、新しい命が宿っていた。

 なんだかんだあった人生だけど、まさか化け猫と結婚して子どもまで育むことになるとは。世も末だ。


「そういえば、八雲。わたし、ずっと聞きたかったことがあるんだけど」

「なんだ、まゆら」

「あんたさ、怪我してもその妖力とかで治せるのよね? じゃあなんてわたしと会ったあのとき、直ぐ治さなかったわけ?」

「……でないと、まゆらと接点を持てないと思っていたから」

「そう。なら、その左目の傷跡も治るのよね?」

「こ、これは治さん! まゆらが俺を治療してくれた跡なのだぞ!?」

「……あーはいはい……」


 まぁこれはこれで、悪くはないのかもしれないわね。


 膨らんだ腹を撫で、わたしは口付けをしてくる夫を見て笑った。


 ねぇ、八雲。

 わたし今、とっても幸せよ――?

2月22日は猫の日ということで、お手軽な短編を書かせていただきました。

公募用作品で行き詰まっているのもあり、息抜きも兼ねてです。

最近恋愛もの書けてないための、憂さ晴らしでもあります。

筆がうまく進まないことへの、リハビリも兼ねてですねー。


鬼とか竜とか妖怪とか、うはうはですよね美味しいですよね……!←おい

内容はあんまり深くない上に、書き方が少し変わってます。

面白かったなら、幸いです。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!

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