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悪役令息に転生したオレは、勇者のために死ぬべきか~それは処刑前夜に始まった。世界に殺されるなら、運命に抗い脱獄する――これがオレの物語だ~  作者: 未玖乃尚
第五章 改変ルート

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35 【正規ルート】竜王の目的

 ドワーフと言えば、伝説級の武具を数多く世に出した凄腕の鍛冶師一族だ。

 ギルドの個室を借りると、おっさんはマントを外した。


 眩い光を放ち、おっさんの背丈が縮んでいく。オレと同じくらいだった頭の位置が、腹の辺りで止まった。


 小柄な体格には不釣り合いなほど屈強な男だ。筋肉で血管が浮き出るほどの腕は、振り下ろし続けた槌によって鍛えられたであろうことを想起させる。

 おっさんはドグルドと名乗った。


「我らドワーフの技術を盗もうとする輩が多いのでな。里を離れるときはこれで変身することにしてる」


 ドワーフは秘匿性を確保するために、隠れ里に住んでいるという。

 鍛造品は決められた数量が出回るのみで、希少性が高いとおっさんは説明する。


「おもしろいな、変身できるマントか。それもドワーフの技術か」

 魔法だと変身する時間に比例して、魔力を消費してしまう。マントならば、欠点を克服できそうだ。

「で、そんな簡単に正体を明かしてよかったのか? オレがマントを奪うかもしれないぞ」


「何を言う。ワシの目はごまかせんぞ。その白銀に輝く剣こそ、まさしく真理の剣。その剣に認められるものこそ、勇者。ならば、真贋の目でワシの姿など、とうに見破っていたはずだろう?」


「あー」

 オレは虚空に目をさ迷わせた。


 そういえば真贋の目は相手の正体を見破るんだった。

 オレは勇者ではないし、剣には認められたというより従わせだけだから忘れてた。


 リュシエルがオレに対して口を動かす。

 バーカ。

 やかましい。

 説明するのも面倒だから話を合わせておくか。


「その通りだ。いつまでこの勇者に対して正体を隠しておくつもりなのか、様子を伺っていたのだ」

「いや。すまん。本来の姿だと注目を集めるのでな」


「それで変身して、あんなところでオレを探していたと。途方もないな」

「否定はせんよ。だが、全く無謀とも思わなかった。この街は竜王城へ目指す際の拠点になるからな。勇者なら路銀や情報を欲して、必ずギルドに立ち寄ると踏んだ。所持する剣もきっとワシが驚くべきものだろうとな」


「勇者でないとダメな依頼なのか」

「竜王を倒せる者と言えば勇者だろう?」


 ドワーフのおっさんが依頼内容について語る。

 兄であり、ドワーフ随一の鍛冶師リグルドが竜王の元に連れ出された。

 竜王城から兄を救出することが任務だ。


「おっさんの兄貴なんかさらってどうするつもりだ?」

「竜王の目的は、至高の剣、竜麟の剣を完成させることだ」


 至高の剣……

 竜王の言葉を思い出した。


 あの剣さえあれば全力を出すことができる、と言っていた。

 そうか、ここに繋がるのか。

 竜王は力を引き出す剣のために、ドワーフの鍛冶師を誘拐した。


「竜の鱗を存分に使用して兄貴が鍛え上げれば、お前の真理の剣にも劣らぬ、攻防一体の魔剣が誕生するぞ。ぞれを竜王が振るえば、伝説の勇者であろうと勝てるかどうか」


 完成前にぶっ叩くのが、一番楽できそうだな。


「急がねば手遅れになる。竜王は今、竜の住処で素材を集めている。集めきる前に、岩山を越えて竜王城へたどり着ければ……険しい道のりにはなるが」

 しかし真理の剣入手からの、生死に関わるイベントが発生したという事実は無視できない。


「ダメだ。竜の住処は竜王軍に襲撃されておる。戦いに巻き込まれる危険性がある」

「だからこそ恩を売れる。岩山を越えるには時間も体力も使いすぎる。竜を味方につけて岩山を越えるメリットは大きい」


「そこまで言うなら、何も言うまい。ワシはお前を信じると決めたんだ。方法は任せる」

「取引成立だな」

「まずはワシの故郷に案内しよう。そこから竜の住処を目指せばいい」

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