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15 (幕間) リュシエルの独り言1
まったく。
イズルは眠ってしまった。
デーモンに襲われたばかりだってのに、よくも青空の元でグースカ寝れるわね。
こいつには警戒心ってものがないのかしら?
ま、襲われたら襲われたで、何とかしそうな雰囲気がイズルにはある。
でも、もし、敵に襲われて、イズルが気づかなかったら、私はどうするのかな?
傍観するに決まってる。私の役目はイズルの死を見届けること。
うん。甘い果実を貰った恩はあるけど、それはそれ、これはこれ。
見届け人に感情なんて必要ないからね。そこはきっちり割り切ろう。
「あれ」
イズルのポケットから余った果実が転がり落ちた。
私はそれを掴んで擦り、汚れを拭うと歯を立てる。
「おいしい」
一人であって、一人でないパーティーか。
勝手に私をメンバーに入れるんじゃないっての。
「まあ……」
私が眠くなるまでなら、見張りをしてやってもいいか。
特別サービス。
借りくらいは返してあげる。




