前段
先日、「響け!ユーフォニアム」の劇場版が公開されることが発表されました。
劇場版はテレビシリーズ「響け!ユーフォニアム 3」の総集編になるものと思われます。
もちろん若干の追加映像を加えて。
実は「響け!ユーフォニアム 3」の評価は賛否が大きく分かれています。
その原因は主人公で部長の黄前久美子が吹奏楽の全国大会でソロパートの奏者に選ばれなかったことにあります。
もちろん現実でも部長が奏者になれないこともあるだろうし、物語のなかでも主人公が常に成功者というわけではありません。
では、なぜそのことが大きな問題になったかといえば、原作では主人公がソロパートの演者であったにもかかわらず、アニメではライバルである黒江真由が奏者になったからです。
いわゆる原作改変です。
ただし、同種の問題が起きた多くの例と違い、「響け!ユーフォニアム 3」については作者の許可は取っていました。
つまり、演者変更を問題視しているのは視聴者ということになります。
ちなみに、アニメがすべておわらないうちは原作を読まない主義の私はこの変更について驚きはありましたが、特に内容的に問題があるとは感じませんでした。
さらにいえば、改変の影響で非常に評判が悪かった第十二話が含まれるブルーレイディスクの売り上げはその評価とは裏腹に大変よかったです。
そして、改変という話でいえば、一期の段階から改変やアニメオリジナルの部分が多数あったわけで、それを今さら騒ぐのはおかしいという気もします。
そのようなことから、個人的には「改変そのものが悪い」と言っているのはほんの一部で、大部分は「主人公がソロパートの演者にならなかったのが納得できない」ということなのではないかと思っています。
さて、その「響け!ユーフォニアム 3」の総集編になると思われる次の劇場版ですが、前述した理由で原作通り全国大会のソロパートの演者を主人公にしてつくられるという希望と期待を持っている方も多いと思います。
よくある王道的な結末ではありますし、それこそ多くの人の希望が叶うものではありますが、再オーディションもないまま主人公がソロパートの演者に決まるわけですから、そうなるための多くの伏線があったテレビ版の流れを壊すようになりますので、さすがにこれは難しいように思えます。
ですが、そうなるとモヤモヤ感は消えないまま、この作品が終了してしまう。
テレビシリーズの内容を活かしたまま、満足できるものはないかと考えたところで浮かんだアイデアがあります。