火をつける
火をつける。
煙が立ち、我は一瞬、すべてを忘れる。
煙は全てを忘れさせてくれる、先程我を侮辱した奴の顔も、怒った奴の顔も、嘲笑った奴の顔もすべて忘れた。
もくもくと、煙が覆ってくれるのだ。
煙は我を慰める、「もう何もやらなくていい」と言うように。
しかし、火は既に限界を迎え、消さなければならない。
火を消し、我は正気に戻った。
あぁ、また奴らの顔を見なければならないな。
煙はすっかり晴れてしまい、奴らの顔が鮮明に思い浮かぶ。
仕方がない、また火をつけよう。
火をつける。
ちなみに私は煙は嫌いです