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不思議の不思議

二人のSランクは同じ事を考えていた。


「湖までは行けるのよ。

でも湖を渡りきれない。」


「俺らも迷路は毎回何とか抜けれるけどだ。

あの湖の魔物、えげつな過ぎ。」


「そうよね。

湖なのに海の魔物までいるなんて。」


「水の魔物勢揃いしていやがる。」


「空間は鳥の魔物が飛んでるし、あれ攻略させる気ないわね。」


「湖を渡った先の塔にはどんな魔物が待っているのか。

恐ろしいわ。」


「という訳で、死なずのダンジョン攻略に手を組もうという話な。」


「別に仲悪くもないし私はいいかなと思うの。」


「俺も死なずのダンジョンクリアまでは一緒で。」


「私達もいいわ。」


ダンジョンノアもフウリもまだ攻略されてないのに死なずを攻略したいのには、願いが叶うかもという餌がぶら下がっているからだろう。



翌朝二つのパーティは帝都ラゴーラに一番近い街ザラハから死なずのダンジョンにもぐった。


多くの冒険者が願いを叶えてくれる者が本当にいるのか知りたかった。


ネシリ達も同様にSランクパーティの死なずのダンジョン攻略を期待している。




死なずのダンジョンの迷路。


SランクとAランク冒険者に合わせた魔物は種類も数も多かった。


トロールロード、インキュバス、サキュバス、アウルベア、キマイラ、コカトリス、ケリュネイア、サイクロプス、ジェヴォーダン。


トロール、ダイアウルフ、ビックブラックベア、ハイオークロード、エイプ、キラーアント、ソードボア、オーガ。



「インキュバスとサキュバスの精神攻撃は嫌ね。」


「次から次へと休ませてくれない。」


「もうヘトヘト。」


「ダンジョンっ。

俺らは休みたい。

休ませてくれ。」


仲間の様子でハキムは休むべきと判断した。


シュルンッ。


迷路の壁に扉が現れ休憩室と書かれてある。


「弱っている奴から入れ。」


ハキムが扉を開け仲間に叫んだ。


しんがりをハキムとエレノアが務める。


仲間が全員扉の中に入ったのを見定め、二人も中へと入った。


「人数多いと室内も広くなるんだな。」


ハキムは感心する。


「ダンジョンはどれも不思議だけど、このダンジョンは更に不思議ね。」


「お陰でいつでも休めてありがたい。」


迷路を攻略出来るパーティならではのダンジョンの使い方だ。


「初めての時は驚いた。

ナギトが休みたいって、大声で言ったら扉が現れたんだから。

恐る恐る中を確認して、入ってみたら快適で。」


「死なずならではのサービスだな。

他のダンジョンは俺らの死体もダンジョンに吸収。

つまりダンジョンの栄養になるんだから。」


トウリとライラが怪我をした者を回復している。


「早いけどここで休もうか。

焦る道程でもないし。」


「そうね。

迷路で体力奪われていては湖を越えられないわ。」


キャルとナギトがドロップしたコカトリスとハイオークロードとソードボアの肉を切っていた。


「鍋と焚き火を出してくれ。」


部屋の中央に焚き火と鍋と鍋を火にかける物が現れる。


「こんな物も出してくれるのね。

部屋は聞いていたけど、これは教えてくれてないわ。」


エレノアが文句を言う。


「俺も知らなかったよ。

今初めて言ってみて、出たから驚いてる。」


「そうなの?

じゃあ椅子とテーブルとベッドを出して。」


すると壁のふちにベッドが人数分、中央にテーブルと椅子が並べられた。


「ねえ。

おかしいわよ。

このダンジョン。」


「快適でありがたいけど、気味も悪いな。」


「そういう事言わないで。

ダンジョンが怒ったらって考えようよ。」


「そんな事で怒らないと思うけど、悪口に聞こえる事は言わないに越したことないのは確かだな。」



持ってきた野菜とコカトリスの肉のスープ、ソードボアとハイオークロードの肉は焼いた。


酒を呑みながら話は弾む。


「俺、ハイエルフと一緒に戦うのは初めてだ。」


「昔は里から出たり多種族との交流を暗黙の了解の禁止感はあったわね。」


「今は無くなった?」


「まだあるわよ。

古い人達も生き残っているから。」


「あっ。

エルフもハイエルフも数が激減しているんだったね。」


「愚かな考え方で滅びを待っているわ。」


ライラは酔ったのか語り始める。


「遥か昔、神々の創りし龍の闘いが終わった頃、ハイエルフやエルフが多種族より多く生き残った。

それを神に選ばれし高貴な者と勘違いしたのね。

勘違いと分かった時はすでに遅かった。

最高神の怒りを買い滅びを待つ事になり現在に至るって感じかしら。」


「最高神の怒り?

穏やかじゃないね。

何をしたの?」


「私の産まれる前だからはっきりしないんだけど、精霊が最高神から預かった物を盗んだ者がいたんだって。

その盗んだ何かを魔族に奪われ、盗んだ者は魔族に食べられたとか。

それで最高神の怒りに怯えその後も魔族にも食われ、数が激減したと古い人達は言ってるわ。」


「何と言っていいやらだな。」


「しかも魔王を倒した冒険者ってハイエルフと魔人族の子供だったって。

殺さなくて良かったとか言ってるのよ。

何でいちいち多種族との子供を殺しに駆けずり回るのか理解出来ないわ。

当時は懸賞金をかけて捜していたんだって。

殺す為に。

馬鹿過ぎる。」


「子供に責任ないのに殺そうとするとか酷い話ね。」


「だから神に愛想を尽かされるのよ。」


ライラの愚痴はなかなか止まらなかった。






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