第11章 第4話 逃走
〇ジン
「中々いいんじゃないか」
俺、杏子、侑、未来さんの4人は夜の繁華街にいた。理由はホストクラブで働いているエターナルに会うため。いや、いることを確認するだけでいい。とりあえずそれだけ確認し、後日連れ出す。そのための下準備だ。
「で……ですが私未成年ですしすぐにばれてしまうのでは……?」
「大丈夫だよ~。未来ちゃん大人っぽいから問題ないって~」
ホストクラブということで突入するのは女子。そして明らかに子どもな杏子を除いた侑と未来さんが今回の出撃メンバーだ。その間俺と杏子さんは少し離れて逃げた際に備えることとなっている。
「じゃあ行ってくるね~」
「ほ、本当に大丈夫なのでしょうか……」
それなりの露出度があるドレスを纏った2人がホストクラブの中に消えていく。それを見届けて俺と杏子は電柱の裏に隠れた。
「私も行ってもよかったんだよ。こういうところに一度行ってみたかったんです」
「舐めんな小学生」
やけに張り切ってドレスを着て、しかもメイクまでばっちりとしている杏子がふざけたことを言っている。歳にしては大人びているが、普通に小学生としか見えない。
「でも兄さん、エターナルさんを連れ出してどうするつもり? やったことは許せないけど犯罪じゃないでしょ?」
「そうなんだよな……。でも玲さんに謝らせるのは絶対だ。まぁ玲さんの反応を見つつだな……」
「ジン様! 大変です!」
杏子と作戦を考えていると、店から未来さんが走ってきた。
「どうした? 年齢確認された?」
「それ以前です! エターナル様は仕事を辞めていました! 家も電話番号も変えたようで連絡がとれないそうです! 私たちの動きは察されていました!」