おねぇ聖女が凄すぎて、歴史書には残すことができません!12.魔王降臨
業界用語が含まれています。以下を参考にしてから読んでください。
バイ: ♂ vs <♀ or ♂ がお相手>
リバ: ♂(♂役 or ♀役 どちらでもOK!)
総受け:♂(♀役)
私はエドガー・バルマー。神託により大災厄が発生するとあり、遠征に出ている。
「エドガーさん、本当に神託があったのですか?」
勇者アグネスの呑気な質問に聖騎士団も笑っている。勇者ハインツ殿と魔道士モニカ殿と聖女ヴァルヴァラとは二手に分かれて捜索しているが、こちらは外れだったのか……
「エドガー、違うわ! こっちが当たりよ!」
聖女マリアが叫んだ瞬間に聖騎士団が吹っ飛んだ。なんだ……何が起きている? 砂埃が晴れると男が現れた。
「余はルシフェルぞ」
ルシフェル?! 魔王ではないか……頭に生えた角、紅く鋭い眼光、盛り上がる大胸筋……割れて引き締まった腹筋……
…………おい、パンツはけよ。
そんな事を言っている場合ではない。戦闘経験の浅いアグネスでは荷が重いか……
「夜の魔剣……素敵……」
おい、アグネス! 何をみて魅了魔法にかかった状態なんだ? 誰か止めてくれ……
「余は男でも女でもどちらでも相手をするぞ……」
紛らわしい言い方だな? 戦いの話だよな……同じ変態ならマリアなら戦えるか?
「エドガー……同じと思ってるかもしれないけど、あれはバイで私はリバ。ちなみにアグネスは総ウケよ!」
何の話だ! お前らの業界用語なんてどうでもいい!
「それに、私は腐っても聖女……魔剣を鞘に納めることはないわ」
腐ってる事は自覚してるんだな……だが、セリフが台無しだ。鞘ってなんだ!
「ほう……美しい聖女だ……」
ヴァルヴァラもそうだったが、お前等の基準は何なのだ?
「エドガー! 今行くわ!」
目の前に魔法陣が展開され明るくなる。転送魔法でヴァルヴァラが現れた!
「こいつは魔王……キャー! なに晒してるのよー!」
ヴァルヴァラの手から青白い光の塊が魔王に向かって押し出される。光の玉が魔王に直撃した瞬間にハインツ殿が飛び込んだ!
「エドガーさん、二人の護衛を!」
ハインツ殿の一太刀が魔王に当たる。私はヴァルヴァラを抱き上げてマリアの傍に運んで降ろし、二人の壁になるように立つ。
「勇者が二人に聖女が二人か……これは少し分が悪いかな……」
傷付いたルシフェルは、私達の方をみてから立ち去っていった。確かに大厄災だ……魔王が出てくるとは……
あの鋭い眼光と笑み……明らかに私は眼中になかった。悔しいが頭の後ろを狙っていた……
私は魔王がいなくなったのを確認して、後ろの二人を見た。ヴァルヴァラは降ろした状態で床に座っており、マリアは身構えている。
ん?! ということは魔王の狙いは!
あらすじにも書きましたが、私の中で過去最高にお下品を追求してみました!