第45話 魔石の腕輪2
「遂にか!
やっとこの不自由な状態から
抜け出せるんだな!」
「素晴らしい!
遂にリッキー様が再び
世界征服を!」
「世界征服はしねーよ」
◇◇
俺達は夜の食事会までに時間があったので、さっそく腕輪の効果を試してみる事にした。
急に魔力が暴発しては困るので、念には念を入れて町から少し離れた、辺りには砂と岩だけしかない様な荒野まで移動した。
「よし、ここまで来れば十分だな。
リリアン。
今から腕輪を着けるから、何かあった場合助けてくれ」
「承知致しました!」
≪ギューーン!!≫
その腕輪は着けると同時にドス黒い魔力が俺の全身を包み更に体内を駆け巡る様な感覚に見舞われた。
「リッキー様!
大丈夫ですか!?」
「リリアン……どうやら戻った様だ」
体中から湧き上がるこの魔力。
世界中で唯一無二のこの緑色の輝きは俺の魔力そのものだ。
俺は手始めに飛翔魔術を使い50メートル上空まで舞い上がった。
「リッキー様!
なんと……御美しい」
いい感じだ。
手始めに少し試してみるか。
「リリアン!流れ弾に気をつけろ!
防御結界魔術を張っておけ」
「はっ!御存分に魔力を御使い下さい!」
『ララマ・デル・カンペオン』
俺の全身から灼熱の炎が四方八方に飛散し辺りを焼き尽くし、岩は熔解し始めた。
「リリアン大丈夫か?」
「はい!しかし私の防御結界をも溶かすこの魔力!
正直鳥肌が止まりません!
並みの相手では、もはや
影すら残さぬ大魔術に御座います!」
「すまない!
やはり危ないから全方位型魔術はやめとくよ。
じゃあ200年前に考案中だった新魔術を試してみるか」
この魔術は原理は分かってはいたが、実験前に魔力を失っていた為、今回使うのは俺ですら初めてだ。
俺は体内の全魔力を右手の指先に集中した。
「……天よ裂けよ、地よ叫べ、世界を浄化し、全てを洗い流せ」
……
『スーペル・ノヴァ・エラ!』
≪!!!!!!!!!!!!≫
空に向かって放った俺の新魔術は青空を切り裂き大気や雲を吹き飛ばし、まるで穴が空いたかの様にスーペル・ノヴァ・エラが通過した空間だけが真っ黒の夜空に変わっていた。
その穴が元の青空に戻るまではほんの数秒だったが、俺とリリアンはまるでとても長い時間かの様に見入ってしまった。
「し……信じられません。
リ……リッキー様。
もはやこの世の存在とは思えぬ程の大魔術に御座います……」
リリアンですら若干引き気味で、更に失禁までしていた。
「そうなの?
じゃあ実験成功だなリリアン!
これで遂に俺の魔力が完全復活……」
しかし突然、俺の全身の魔力が失われ飛翔魔術も制御が効かなくなり、俺の体は真っ逆さまに落下した。
「何でだよ!!
助けてくれリリアン!!」
間一髪の所で俺はリリアンにスライディングキャッチされ事なきを得た。
「リリアン。
これはどうなっているんだ?」
「リッキー様!
アドリアーノ殿の箱の底に手紙が入っていました」
「おい……そういうのは先に出してくれよ」
□
「親愛なる我が友リッキーリードへ。
これは魔族大陸に眠っていた太古の魔石で
非常に強力な呪いの魔力を帯びているが
お前の規格外とも言うべき魔力を受けると
一時的に機能しなくなる事が十分考えられると思う。
しかし安心するがよい。
その魔石は常に周囲のマナを吸収し魔力を蓄え続ける。
時間経過でまた効果が発動するであろう」
□
「何だよ!結局、前と一緒で制限付きかよ!」
こうして俺は【制限付き】で魔力を取り戻す事が出来た。
まあ戻っただけ良かったとしよう……制限付きで。
次、いつ使えるんだろう……
◆◆
当然だがこの1分たらずの爆発的な魔力放出によりグランデ帝国をはじめとする近隣諸国に前回を遥かに凌ぐ【魔力値790万】もの魔力が検知されたが、値が値なだけに今回はアドリアーノ大帝以外は誰も信じなかったらしい。
To Be Continued…
:現在のパーティー:
リッキー・リード:
身長 150センチ
ドロナック大戦の英雄。
限定で無双できるようになった。
クリス:
身長 156センチ
リッキーの弟子。酒乱魔道士。
マザーメイ:
身長 205センチ
怪力と硬質化能力、黄金化ゴールデンマザーメイに変身出来る。
元シスター。
リリアン・ブラッドフィールド・リード:
身長 177センチ
リッキーの養子兼ボディーガード。
変態魔法戦士。
魔族大陸グランデネロの【血の戦場の狂戦士リリアン】。




