第15話 復活の大魔道士
≪ドクン!!!!!≫
俺の体中から黒みがかった緑色の魔力がどんどん湧き上がって来る!
俺の魔力が戻ったのか!?
しかし一体何故だ?
ダミアンの放った古代魔法と何か関係があるのか?
そもそも俺が魔力を失ったのは、通常時の魔力量を制限し魔力蓄積を行う事で、必要な時に増幅、開放する術式の時だ。
魔力解放の為のトリガーになるプロセスに問題があった事に違いないのだが。
確かダミアンはシュラム王国の古代魔法と言っていたな……
もしかしたら俺のオリジナル術式が古代シュラム王国の魔術と、似た魔術構造を持っていたのか?
複雑な魔力術式呪文は魔力の複雑な糸の様なものを紡いで繋ぎ方によって、様々な効果を発動する仕組みになっている。
つまり、少し違えば全く違う効果が出てもおかしくない。
ましてや、まだ未解析部分の多い失われた古代魔法になると、あり得なくもない。
ダミアンの術式の何かが俺の魔術解放のトリガーと偶然合致したのか?
「な、何だこの魔力は!?
お前の魔力は古代魔法シャームリアドーによって
喰いつくされたはずだ!」
「俺にも分からないよ。
ただ俺に『かかっていた』術式は解けたみたいだな」
俺は、まず魔力をさらにブーストしてみた。
凄まじい魔力だ……魔力喪失前よりパワーアップしているかも知れない。
「そうだ!
取り敢えず、みんなの怪我を何とかしないとな」
『ヒーリング!』
回復魔法の光が降り注ぎ、クリスやメイ達の傷がみるみる回復していく。
「よし、みんなの怪我の回復も大丈夫だな。
さて、次はお前らの番だな
と言っても、お前らに与えるのは攻撃魔法による絶望の方だがな」
「ダミアン先生!
何とかしてください
相手はただのガキですよ!」
「黙っていろサミー!
しかしリッキーリードよ!
俺もお前に敗れた時より遥かに進化しているのだ!」
『インフェルノ・ダーク・バレット!』
ダミアンの両手から黒色の無数の弾丸が放たれた。
俺は静かに右手に魔力を集中させた。
≪ドン!!!!!≫
ダミアンの魔法は俺の目の前でかき消された。
「何だ!一体何が起こった!?」
「この程度の魔術なら、
呪文なんか無くても魔力も放出だけで
簡単に無効化出来るんだよ」
「この程度だと!
俺の魔術だぞ!
この大魔道士ダミアンの魔術だぞ!!」
「お前が大魔道士だ?
笑わせんなよ!
大魔道士ってのは
このリッキー・リードみたいな人間の事を言うんだよ」
「お前は、一体何なんだ……」
「取り敢えず後ろの奴らが目障りだな。
そろそろ退場してもらうよ」
『ブラッド・レイン!』
1000度を超える赤く燃える雨が降り注ぎ、レオポルド・ファミリーのダミアンとサミーを除く100人が瞬く間に灰になった。
サミーは慌てふためき地面に這いつくばった。
「お前がサミー・レオポルドで間違いないな?
俺は、こないだもお前の組織には随分世話になったからな
そろそろ、終わりにさせてもらうよ。
ダミアンのさっき使った魔術はこんな感じだっけな?」
『インフェルノ・ダーク・バレット』
ダミアンの魔術とは桁違いの大きさ黒い弾丸が、
サミーを直撃し、彼は細切れになりながら吹き飛んだ。
「ば……馬鹿な……」
「さてと……
後はお前だけだなダミアン」
魔力が戻った肩慣らしに、極大魔法でも試してみるか。
「喜べダミアン!
今度は死に損わないように
古代帝国の極大魔法でしっかり葬り去ってやるよ」
「たたたたたたたたたたた、助けてくれ!!!!!」
『ノヴァ・エラ!!』
≪!!!!!!!!!!!!!!!!!≫
ノヴァ・エラは大地を削り、森をかき分け巨大な街道を作りだし、ダミアンの痕跡すら残さず破壊し尽くつくした。
これだよ!これ!
これこそ俺の魔力だ!
やっぱり俺超強ぇぇぇ!!!
しかし突然、俺を覆っていた魔力がどんどん収縮し始めた!
「え!何で!?」
何とまた魔力が消えてしまった。
「マジかよ……?」
もしかして術者が死んだからか?
術式を唱えたのはあくまでダミアンだからか?
じゃあまた弱いリッキー・リードに逆戻りかよ!
その時、目の前にマザー・メイの顔面が現れた!
マザー・メイが俺に飛びついてきた。
「すごいわ!本物だったのね!
リッキーちゃん!」
その後、クリスやみんなが飛びついて来た!
「師匠!やりましたね!」
「大魔道士リッキー・リード様万歳!
アマンダ村の救世主だ!」
こうして、アマンダ村はレオポルド・ファミリーから救われた。
ただ俺の魔力はまた失われてしまった。
シュラム王国古代魔法か。
古代シュラム王国は現在のドロナック王国首都ドロナックの場所に会ったはずだ。
ならば、ダミアンが古代魔法シャームリアドーをどこで知ったかだ……
首都ドロナックの王室書庫か!?
ヒントはそこにあるかも知れない。
俺は首都ドロナックに向かう事を決めた。
◆◆◆◆
リッキーは知らなかったが、この時。
200年間引きこもっている間に発明された、遠方の魔力衝突をも感知できる新アイテム魔力水晶により、この戦闘が世界各国に激震を走らせたのだった。
◇◇
グランデ帝国首都セバスティアーノ。
グランデ帝国は蜂の巣をつついたような大騒ぎだった。
「ドロナック王国南部に強大な魔力反応を感知しました!!
瞬間的ですが魔力値
実に、に、に、245万!!!!」
「245万だとぉ!?
何かの間違いだろう!そんな魔力値、聞いたことがない!!!」
「いえ! その魔力を捉えた直後
ずっと危険人物としてマークしていた魔道士ダミアンの魔力が消えました!
ダミアンの魔力値は12万です!!
その他にも同じ地に魔力値13000と、
12500の魔力値を感知しております!」
「何だと……今、ドロナックで何が起こっている……
すぐに皇帝マルチェリーノ様に報告するのだ!!」
◇◇
魔族大陸グランデネロ中央部
魔族大帝アドリアーノ城。
「アドリアーノ様!
ドロナック王国南部に強大な魔力反応を感知しました!!
反応はすぐに消えましたが、その数値
実に、245万!!!!」
「懐かしい魔力だ……
こんな馬鹿げた魔力など、あいつ以外考えられまい。
……あいつめ、今までどこで眠っていやがった?
我が友リッキー・リードよ。
こうしては、おれん!
俺もドロナック王国に向かうぞ!」
「しかし、リッキー様との約束で人間界には不可侵のはずでは?」
「ただ、散歩に行くだけだ!
やつの顔を見たらすぐに帰ってくるさ。
200年ぶりの親友の面でも拝みに行くだけだ!」
◇◇
魔族大陸グランデネロ
北東地区キンチー
そこは戦場だった。
とはいえ、ついさっき迄の話である。
何故ならそこには、2000人以上もの魔族の屍の山があった。
その屍の上に座る3人がいる。
たった3人で2000人以上の魔族を倒してのけたのである。
両サイドに屈強な魔族の男が2人。
真ん中には背が高く美しい、魔族と人族の混血の女がいる。
女の名はリリアン・ブラッドフィールド。
「感じたか?お前たち!
こんな愛おしい魔力はあの御方しかいない!
愛おしき我が主!
リッキー・リード様が遂に復活されたぞ!
我々もすぐ向かうぞ!愛おしき我が主の元へ!!」
リッキーの全く知らない所で世界はまた、激動の時代へと動き出そうとしていた。
To Be Continued….




