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本当にね。びっくりしました。

ブックマークしたのは身内じゃないっぽいんですよ。

友人へ贈る筈が…


えぇい!!!読者全員友達じゃい!

ブックマーク宜クゥ!!!

ついでに感想も完走も宜しく!!!

「と、まあこんな感じでお前さんを助け出した後は、逆に助けられてそのまま脱出…って感じ」


「そうか、やはり異世界の者だったか」


「ま、そんな事どうでも良いさ、大切なのは今から。過去は振り返らない主義なんだ」


「初対面が初対面だものな。思い出すと、ふふっ」


「過去は振り返らない主義なんだ」


本当に脱出までに色々あった。

だけど上手く逃げ切れたと思うし、あの糞みたいな国に一泡吹かせられたと思うとなんかスカッとした。


「にしても本当に傷が無くなってるんだな。すげー」


本当に拷問を受けていたのかという疑問を抱くほどに、ルナイルの傷は綺麗に消えていた。

それもこれもこの世界の便利な魔法のお陰だ。

勿論一瞬で治る、という訳では無かったが目で見てわかる程にじわじわと傷が消えていくさまを目撃した時は驚いた。


「それも君のお陰だ。私はあの時薬を絶えず撃ち込まれていて意識も朦朧としていたからな」


「あの解読薬を手に入れたのも偶然さ。お陰で暫くパンイチで走り回る事になったけど」


「すぐに着替えが見つかったじゃないか。似合ってるぞ、それ」


「お、まじ?やっぱローブ選んで正解だったな」


逃走中ズボンを履いていない状態が更に悪化するという事態があったのだが、今の俺は異世界ファッションで着飾られている。上からローブを羽織っている為ただのローブ姿だが中々着心地がいい。

鎧とかもあって、着ようとしたのだが着方がわからず普通の服にしたのは大正解だっただろう。


ルナイルも元々捕らえられる前の装備がある程度回収できたらしいしまさに上々といった所だろう。


「で?ルナイルはなんで捕まってたのさ。その…あんな状態になるまで痛めつけられて」


「私は元々冒険者なんだよ。自慢じゃないが稼業の中ではそれなりに有名でね。半年前にギルドから指名で依頼が来たんだ。」


「冒険者」


「平たく言えば何でも屋だ。あまりお勧めするような職業じゃない」


「話の腰を折って悪かった…で?」


「依頼主はラージス国からだった。内容はアリシア姫の護衛」


「えっ!?あの腹黒女姫だったの!?」


俺の恋心をぶっ潰した罪は重い。末代まで呪ってやる。


「あの見た目に騙される人間は多い。…君はああいう見た目の女子が好みなのか?」


「理想も理想。一目惚れでお願いされたらなんでも言う事聞きそうだったわ。今はもう無理。怖い」


俺の言い方が面白かったのかふふっと笑うルナイル。

君も随分可愛いよなんて恥ずかしくて言えないが、この少女、体の汚れなどで分かりづらいが、かなり可愛いと思う。


整った顔立ち。少し吊り上がった赤い目は、キツく見えるが今は頼もしく感じる一因にも見える。

血やらなんやらで汚れている肩くらいで切り揃えられた髪は、恐らく本来は綺麗な白色なのだろう。

そしてなりより背負った時は意識しなかったが豊満な胸のあれだ。

あれは男子高校生の俺には刺激が強い。

今ルナイルは軽装ではあるが鎧を着ている。だからこそパッと見は分からないが脱いだら凄いという奴だ。


おっとまた話の途中で変な方向に意識が飛んでしまった。

俺はちょっと苦笑いしながら、すっと手で話の続きを促した。


「あぁすまない。私には特殊な魔力が流れている。召喚に対する適性を持った魔力だ。奴らはこれを欲した」


ルナイルはそっと手のひらを上げる。

すると手のひらからは淡く光る白い何かが辺りを少しだけ照らした。

恐らくあれが魔力なのだろうが。


「分かるか?」


「それが魔力?でも俺魔力無いらしいし、そもそも魔力なんて俺の世界には無かったしな」


「そう、これが私の魔力。成程、だからか君から魔力を全く感じられないのは」


「魔力ってあるかどうか見てすぐ分かるもんなの?」


「分かる。が、ある程度隠すことも出来るから一概に分かるとは言えないが」


「ふーん。で何が特殊なのさ」


「そうだな。魔力ってものは基本的に5種類に分かれている。5素と呼ばれる属性だ。火、水、風、土、無だ。私は無に部類されるが、召喚にも分類される位置にいる」


「こいつを出したのが魔法なんだよな?」


空飛ぶトカゲはルナイルが目の前で出した。

最初は食われるんじゃないかと腰を抜かしたが結構可愛い奴だ。日本で爬虫類がペットとして人気だったのも頷ける。


「そう。それが私の専門であり適性のある召喚魔法だ。普通の奴は使えない。」


「んん?でも回復魔法も使えるんだよな?」


「あれは媒介を使用したから使えたんだ。無ければ使えない。」


「つまり今は召喚系の魔法しか使えないってことか」


「認識としては合っているが、正しくは無い。人には生まれながらにしてなにか属性の適性がある。その属性の魔法は使用したり習得するのはそう難しくは無いが、適性の無い属性は違う。魔法の発動も、習得も一回りも二回りも難しくなる。だから使おうと思えば使えるんだ。5属性に関しては」


「だけどその基本の5つ以外の種類の魔法は使えないってことか?ルナイルの様な召喚魔法とか」


「そう、呑み込みが早いな。5素以外に存在する種類はどう頑張っても適性が無ければ使えない。が、私が回復魔法を使用したように、適性が無くても媒介を使うか、適性のある者の一部を使えば使えないことは無いものもある」


「なるほどなぁ…奥が深そうだな魔法って」


「それなりにな」


「ということはその媒介を作る為にルナイルを監禁したってことか?」


「分からん。奴らが何を……」


ピタッと何かに気づいたように言葉を止めた。

心なしか身体も震えてる気がする。

俺は拷問された時の事を思い出したかと思い、慌てるように言葉を捻り出した。


「嫌な事思い出させてすまん。この話は無しにし」


「そうじゃない」


言葉に被さるようにルナイルが言葉をそのまま紡ぐ。


「君みたいな異世界の者を召喚する為だったんだ」


「あっ、そゆことか」


「すまない…全て私のせいだ」


「なんで?ルナイルは何も悪くないさ。俺は気にしちゃいない。笑顔でいこうぜ」


「随分前向きなんだな」


「言ったろ?過去は振り返らない主義だって。いつまでも引きずってたら楽しいもんも楽しめねえからな。それに、ルナイルは本当に頼りにしてるんだ。俺一人じゃ何も出来ないぞ」


「ふふふっ、威張っていうことでは無いだろうそれは。…ありがとう」


不意に見せる魅力的な笑顔に俺は少しドキッとするが、なんだか照れ臭くなって体を横にした。


「流石に疲れたから寝る。良いよな?ここで寝ても」


ルナイルには悪いけど本当に疲れたのだ。

城での出来事も、初めての飛行体験もした俺は瞼がいつでも落ちる位には疲れていた。



大きな欠伸をする俺に、ルナイルはまたにこりと笑った。


「では寝るか。見張りはこいつがやってくれる」


ぽんぽんとトカゲの体を叩き横になる。

俺もそれに合わせて目を閉じた。

野宿なんて初めてだが、熟睡できる気がする。


「お休み」


「ああ、お休み」


こうして俺の長い異世界初日が終わったのだった。

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