第三話
「いらっしゃいませー」
今の時間帯、何故か物凄く混んでいる。
いつもこのコンビニはスッカスカのカッラカラなのに。
私は面倒な事にレジでポチポチやっている。
次から次へとレジにやってくる人々。
そんな折、コンビニの自動ドアのベルが鳴る。
「桜ちゃーん!?」
「お客様、摘み出しますわよ」
コンビニ弁当のバーコードを読み込む。
更に、野菜ジュースにカロリーメイトのバーコードを読み込む。
にしてもこの人栄養取りすぎだろう。
「ちょっ!桜ちゃん!俺と仕事どっちが大事なの!?」
「仕事」
この人は糖分取りすぎだろう。
ショートケーキ、チョコレートケーキ、チーズケーキ、プリン。
まぁ一人で食べなければ平気だろう。
「桜ちゃん!」
「うわ、ちょっ邪魔」
適当に相槌をうっていたら、並んでいたお客様の前を無理矢理横切り、レジ台の上に両手を乗せ、私を見つめるストーカー、いや最近は後をつけられた様子はないから変質者だな。
て言うか邪魔だ、帰れ。
「そんな恋人に向かって……!」
「………」
「無視!?」
「用件は?」
「何か桜ちゃんがいつもより冷たい……!じゃなくて桜ちゃん、何で携帯出てくれないの!」
「上杉にとられた」
「はぁー?!薊ぃ!?」
口が悪いな変質者。
何でもいいが、レジがつまってんだ、退け。
レジが二台しかないんだから、ほら後ろの人に睨まれてるよ。
「畜生!桜ちゃんと幼なじみと言うおいしいポジションに居やがって!」
「お前と上杉、友達だったんだな、知らなかった」
「…まさか…まさかとは思うけど……桜ちゃん、薊に惚れて」
「ない」
「じゃあ薊が桜ちゃんに、」
「惚れてない、第一アイツには四人彼女がいるだろうに」
「だよね!」
途端に笑顔になる変質者。何か知らないがムカつくからデコピンしてやった。
そして呻く変質者。
デコピン女王をなめるな。
「よかったぁー…」
「何だよ、つか帰れよ」
「大丈夫!俺が必ず四股薊から携帯を取り返してあげるから!」
「はいはい、ついでに土に埋まってきて」
「桜ちゃんが本当に望むなら埋まってきてもいいよ」
にっこり、変質者はいつものヘラヘラした笑みではなく綺麗に笑った。
それに少しときめ、
「そうか、ならば埋まってこい」
「いだだだだだ!?」
かない。
ならば埋まれ、ついでに沈め。
変質者が今さら気取っても意味がない。
レジから手を伸ばし、変質者の頭を下に沈める。
「痛い、痛い、痛い、痛い!恋人に何を!」
「黙れよ、変質者」
「七白さん、クビにされたいのかな?」
奥から出てきた笑顔の店長と目があった。
笑顔なのに額に青筋があった。
私、別に悪く………すいません。
……二ヶ月以上放置してしまいました。 続きを待っていてくれた方がいれば嬉しいな← 次の話もまた二ヶ月以上放置してしまうかもしれませんが……見捨てないで下さい! だらだらと引きずって申し訳ありません。 あとがきまで読んで下さりありがとうございます。