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第二話


日曜日、今日はバイトが休みだ。

因みに私は土日は働かない、休みの日働けとよく言われるが私の勝手だ。

そしていつもなら昼過ぎまで寝ている私だが、今日は飛び起きた。

そして隣の家のインターホンを連打する。

そして出てきた奴に私の拳を鳩尾にプレゼントする。


「おい、そこの不細工」


「ちょっそんな言いがかり止めろよ!文章だけなんだから誤解されるだろ!つーか名前で呼べ!」



今、私が殴ったソイツは所謂幼なじみと言うものだ。

見た目は上の中くらい?綺麗な顔立ちはしているがそこまで美形と言う訳ではない。

しかも身長がそんなに高くないからカッコ良さ半減だと、コイツは嘆いていた。

そしておとなしそうな顔をしていてコイツは四股かけている最低な奴だがモテるらしい。

世も末だな、私だったら上杉なんかと絶対付き合いたくない。



「この前お前の名前を呼んだら、自称お前の彼女にビンタされてな、これからお前の事は上杉か浮気男と呼ぶ」


「………何かごめんね」


「まぁ一生許さないけど」



そういえば、この前久しぶりに上杉、もとい浮気男と会って話していて、別れたあと自称上杉の彼女にグーで殴られた。

因みにコイツのフルネームは上杉薊。

気軽に上杉と呼んでやってくれ。

違う、そんな事より。



「お前私のメルアドあのストーカー野郎に教えやがっただろ、この畜生四股やろう死にやがれ」


「つか、痛!ナチュラルにデコピンすんな!お前のデコピン滅茶苦茶痛ぇんだから!」



上杉の額にデコピンを食らわす。

因みに何故私がコイツがあのストーカーにメルアドを教えたのかわかったかと言うと、まぁ簡単だ私のメルアドを知っている人物が両親と上杉だけだからだ。

基本的に誰にもメルアドを教えていない、別に友達がいない訳じゃないから勘違いするな。



「いいじゃん、メルアドくらい……たーマジ痛ぇ」


「私の心の傷に比べれば………と言うか友達だったのか」


「ああ、高校一緒でな、何かいつの間にか友達になってた」



おとなしそうな顔して何やってるんだろうコイツは。それならますます不思議だコイツの友達=女たらし、女好きだろう。

つまり、上杉なら沢山他の女の子のアドレスくらいある筈なのに何で私のなんか教えたんだ。

私じゃなくて他の女の子でも紹介すればいいのに。

てか、アイツ普通に彼女居るっぽいよな。

何か、キスしている画像を見せつけられたし……。

てことは、浮気?好きだとかなんとか言っといて?

あの男は上杉の友達=上杉は四股野郎=あの男も普通に浮気を……?



「おい、なんでそんな冷たい目で見てくるんだよ」


「……別に」



あれか、私は数多い浮気相手の一人か。

まぁ、どうでもいい。

私はあの男の名前すら知らないのだから。



「あの男には彼女がいるのに、どうして私のメアドなんか…」


「え、あいつに彼女は居ない筈だ」


「……え」


「いない、多分いない。確かお前に惚れてから女ともろくに遊んでねぇんじゃないか?」


「ふーん」



浮気男の言う事はいまいち信用ならないな。

まぁ、あの男に彼女が居ようがいまいが関係ない。



「まぁ、その話は置いといて」


「あ、終わり?じゃあ、帰るわ」


「まだ終わってないわ、ハゲ男」


「ハゲてないわ」


「……つまりお前は私の不幸の原因と言う訳だ」


「え、何の事」


「とぼける気か?まぁいいだろう、手前が私のメルアドをアイツに教えたせいで毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日メールが来るんだけど?」



ズボンのポケットから初期のメール音が鳴る。

それを取出し、上杉の目の前に差し出す。



「えーと?、『今、何してる?』彼女か!」


「まったく、それが鳴るせいで目覚まし時計がいらなくなったし」



一日に数十件は来るんだが?

たまによくわからない画像なんかも貼りつけてあるがまぁその場で全削除だ。



「つーか着拒否すればいいじゃん」


「お前、何げにひどいな、私だってアイツからメールが来た時点でそうしたが、したらコンビニに乗り込んできてな、それから止めた」



そのあとが大変だった。

アイツは何か泣くわ、店長は恐ろしいわ。

思わず殺ってしまいそうになった。



「と言うわけでお前は私のサンドバックになれ」


「あーちょっと待って、電話」



上杉は私の携帯を持ったまま器用に自分のポケットから藍色の携帯を取出し、耳にあてる。



「あっユカちゃん?丁度俺も会いたいと思っていたんだよね、えっ?他の女の子となんか一緒にいないよー自分の部屋にいるから」



コイツ、満面の笑みで嘘ついてやがる。

嘘吐き、と言ってやりたかった。

そんな笑顔になって…私が不幸な時に。

イラッときた。



「と、言う訳だから、またな桜!」


「帰ってきたら一発投げさせろ」


「わかったわかった、何でもやるよ!じゃーね」



やけにニコニコしちゃって上杉は私の横を通り抜けた。

ああなった上杉は止められないし、ぶっちゃけどうでもよくなった。

私も家に帰って、朝ごはんでも食べようと思った時、気付く。



「私の携帯、上杉が持ってたままだな」



まぁいいや、メール地獄から解放されるし、誰も私に連絡なんて寄越さないだろう。

玄関の扉を開け、中に入る。


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