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第1話-B うっかり


 「はぁああ、どうしよう」


 私は、国見未来くにみみくとても困っていた。 このままでは、文芸部がつぶれてしまう。


 「いよいよ、文芸部やばいの?」


 隣にいる下田青空しもだそらが聞いてきた。


 「そうなの~…… せめて後1人部員がいなきゃさすがに廃部にせざるを得ないって」


 「あぁ、さすがにかぁ。部員1人っていうのはいくら部活強制のうちの高校でもむりだよね。まぁ、そんなに気にしなくても今日あたり部員候補が来るんじゃない?」


 「そんな、都合のいいこと起こるわけないでしょ」


 「そんなのわからないよ! チョーイケメンな王子様が現れるかもよ?未来だって彼氏の1人や2人欲しいでしょ?」


 「ほしい……けど、1人でいいわよ。まぁ、でも私なんかじゃきっとできないよ」


 「そんなことあるわけないでしょ!? 未来は食べちゃいたいくらい可愛いんだから!!」


 「そんな馬鹿な。かわいかったらとっくに彼氏の1人位できてるよ。胸も小さいし」


 私は、苦笑いで答えた。今までの人生16年と数か月。私には彼氏の影すらできない。


 「恋をすると女の子は綺麗になるっていうけどってハチミツ○クロ○バ○で真山が言ってたでしょ」




 「いや!?知らないよそんなの!もうっ、Dカップで胸も大きいしスタイルもいい青空にはわかんないでしょうね。どうせ。ちびすぎて貧乳な私のきもちが」


 「Eカップだ‼間違えるな」


 「だまれ、それはもう誤差じゃん」


 「まぁまぁ、でも彼氏はほしいんでしょう?」


 「まぁ、一回くらいは彼氏とイチャイチャしてみたいなぁ…… できればそこまで身長が大きくない人がいいけど。せめて160くらいがいいかなぁ」


 「へぇ~その心は?」


 「首が疲れちゃいそうなんだもん。それに身長高い人怖いし。まぁ、そんな背が低い男子なんてめったにいないから無理だろうけど……」


 「でも彼氏は?」


 「ほしい」


 「じゃあきっと今日運命の出会いがあるわきっと。今日を逃したらきっと二度とないわね」


 「いや、なんで今日限定なのよ!?」


 「まぁ、頑張ってね。私は部活行くから」


 「うん。頑張ってね。目指せ一点も取られずインターハイ優勝!」


 「そんなこと、できるわけないでしょ! バドミントンをなめすぎよ!!」


 ちなみに言っておくと、この下田青空という女、去年個人戦でインターハイに出場経験がある化け物である。

 はぁ、とりあえず部室いこ。部員奇跡的にふってこないかなぁ。


 ☆☆☆


そんなこんなで文芸部室


はぁ、去年は楽しかったなぁ。 先輩たちと同学年だったらよかったのに。

 ふとそんなことを考えていると


 トントン


 

 扉をノックする音が聞こえた。 

 だれだろう? まさか、青空が言ってたように本当に部員希望者かな?まぁ、まだ五月の半ばだし可能性は0ではないか。


 「入っていいわよ~」


 できるだけ、平然を保って部室に入ってくるように促した。 


 「失礼します」


 扉が開くとそこには、とてもかわいい感じの男の子がたっていた。天馬かわいい女の子がいるというところまではあってるぞ。というか、ものすごく僕好みなんだが…… 身長も見る限り僕より20㎝位低いぞ。好みドンピシャじゃないか……


 

 「君は誰?」




 扉を開けるとそこには、とてもかわいい女の子がたっていた。空いている窓から吹いてくる風で紙がなびき非常に美しさが際立っている。青空、本当に現れたんだけど。王子さまって程じゃないけど身長もちょうどいい感じだし。

 これは…… きっとなんか落ちがあるパターンじゃないかな?


 「僕は、上川修。突然来てこんなこと言うのはあれなんですけど……」


 「な、なに?」


 どうしよう、何言われるんだろう……


 「僕と、つ、付き合ってくれませんでしょうか?」


 「は?え?うん?はい?ええええええええ!? いやいやいや、ごめんなさい」

 

 「で、ですよねぇ」


 私は、突然告白をされて思わず振ってしまった。

 こ、これでよかったのかな? いや、でも流石にいきなり告白してくる人はやばいよね……


 「失礼します」


 いきなり来て、告白した上川くんは何事もなかったかのように部室から出ていこうとした。


 「ちょっちょっと待ってよ、上川君。あなたまさかここに私に告白するために来たの?」


 さすがに、このまま何も聞かずに帰らせるのはダメな気がする。


 「いや、違いますよ。僕は部活探しで文芸部を見に来たんです。そしたらあまりにも僕好みの美少女がいるのでついうっかり告白をしてしまって」


 「び、美少女っていうな!てか、うっかりで告白をするなああああ」


 「なんで、美少女って言っちゃいけないんですか!」


 「て、照れるからに決まってるでしょうが!!」


 な、なんなんだこの男は!? 級に告白してきた李美少女って言ってきたり。さすがに照れるでしょ!!


 「先輩、僕文芸部にこの部活に入ります!!!」


 突然の、申し出だった。


 「はい?えぇ。それは私の身が心配なんだけれども」


 流石に、この男と部活をするのはやばそうだと感じた。す、すぐかわいいとか言ってきそうで絶対に身が持たないよ。それに……


 「そんな、先輩の身に何かあったら僕が全力でお守りしますよ」


 「いや、君が襲ってこないか心配してるんだよ!?」


 それに、いつか度を越して襲われそうだし……ね。


 「え?僕?そんなことするわけないじゃないですか」


 「というか君、私に告白してきたけど。私の名前知ってるの?」


 「名前も知らない君に恋をした(イケボ)」


 いやいや、な、なんなんだこいつは!? そんなどや顔で言ってきてもダメだぞ。


 「いや、かっこよくいってもダメでしょ。そんな人間に恋をするな!」


 「しょうがないでしょ!一目ぼれだったんだから。先輩が可愛すぎるのが悪いんですよ」


 「へ、変な逆切れを、す、するなぁ!」


 な、や、やっぱりすぐかわいいていってきたああ!! し、心臓が持たない。すごくどくどくなってるよ。


 「ところで先輩名前なんていうんですか?」


 やっと名前を聴いてくれた。遅いよ。まったく。


 「国見未来よ。よ、よろしく」


 「よろしく、お願いします。未来先輩!」


 こ、告白されたのそういえば人生で初めてだ。こんなのが初告白だなんて…… でも、すごくすごくドキドキしてる。全然収まらない。上川修君か…… とっても積極的な人、っていう認識でいいのかな?もうちょっと知りたいかも……なんて思ってみたり。

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