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第2話 ゲーセンで大儲けした

「帰りは俺の原付に乗せてやっからさ、ゲーセン寄ってかね?」

お喋りがひと段落ついて第4倉庫を出ようとした時、庄吾が訊いてきた。


庄吾たちからこの世界についていろいろ話してもらった中で「ゲーセン」が面白そうだと思っていたところなので、ありがたく乗せてもらうとしよう。



庄吾の原付の後ろに乗って30分がたった頃、後ろから白いバイクがサイレンを鳴らして追いかけてきた。


「コラァ!原付で二人乗りが許されると思ってんのか!あと原付で50km/hも出しやがって、免許見せろ!」


どうやらあれが「警察」というものらしいな。庄吾が小声で「やべえサツが来た」とか言ってたし間違いないだろう。


というか庄吾、「原付は2人乗り禁止」とか聞いてないぞ。

しかも今の速さで法定速度オーバーなのか。軽めの身体強化で出せそうな速度だったんだがな。


別に庄吾たちを助ける義理は無いのだが、今回は俺もとばっちりを食らっているので......イージーマリオネット、発動。


治安維持組織に操作系魔法を使うなど元の世界ならご法度なのだが、「この世界に魔法は無い」という庄吾たちの証言を信じるとしよう。


「早く免許を出せ!それともお前ら、無免許だったりしないだろうな。もう行っていいぞ!」


どうやら上手くいったようだ。警察も魔法は使えないらしい。


一方庄吾たちは、急な警察官の態度の変化にポカンとしている。


「ったく、こんな形でイージーマリオネットを実演させんなよ」


こういうと、庄吾たちは歓声を上げだした。

「すっげえ、サツがまるくなった!これがイージーマリオネットか!」

「かっけえ!!なあ、俺たち無敵なんじゃね?」


・・・興奮するのは結構だが、原付に跨ったままぴょんぴょん跳ねるのはみっともないのでやめてほしい。というか無敵ってどういうつもりだ。他人の魔法で粋がるのも大概にしろ。


しょうがない、全員にイージーマリオネットをかけて、この場を後にしよう。





全員にイージーマリオネットをかけて移動し始めて5分程経って、俺は致命的なミスに気づいた。


まず、俺は原付の法定速度を知らないので結局さっきと同じペースで走ってしまっている。これではいつ警察に再逮捕されるかかわからない。


通り過ぎる人みんなが目をひん剥いて「アイツ......バイクと同じ速さで走ってやがる......」とか言ってくる以上、相当目立っているのは間違いないようだしな。


もっと大きな問題もある。俺はゲーセンがどこにあるのかを知らない。庄吾たちにイージーマリオネットをかけたままでは迷子になってしまう。


俺は全員のイージーマリオネットを解除した。すると、


「時速50kmで走るって......お前もしかして魔法無しでもバケモンか?」

「っていうか、こんなところにいないで陸上部入ったら?あ、でも期限が30日だったら県大会前に異世界に戻っちゃうか。」

とか口々に言い出す始末。


今度は俺の走るスピードに度肝を抜かれてしまったようだ。まあ、身体強化を知らなけりゃそうなるか。


まずは逸れた話題を戻そう。


「警察の前で騒がれるのもアレだったからイージーマリオネットかけたけど、これじゃあゲーセンの方向が分かんねえ。案内してくれるか?」


こう言うとようやく庄吾も本来の目的を思い出したようで、「ああ、そうだ、ゲーセン行くんだったな。それならこの道沿いにあるからすぐ分かるぜ」と教えてくれた。


そして、今までの5分の3くらいのスピードで原付を進め始めた。

これなら身体強化さえも要らないな。




「すっげえええ!イージーマリオネット、何回見ても爽快だぜ!」

「もうこれでロイヤルストレートフラッシュ何回目だよ?」

「そろそろ......景品が持ちきれねえ......」


ゲーセンのオヤジがポーカーをやっているとのことだったので、俺はイージーマリオネットで勝ちたい放題を満喫していた。

元の世界ではポーカーで友人に勝てた試しが無かったので、勝てる喜びは並のものではない。初めて、転移のミミックがありがたく思えてきた。


店員のオヤジも自分がディーラーなので俺を疑おうにも疑えず、歯をぎりりと噛み締めている。しかしもはやプライドに凝っている場合ではないと判断したのか、

「すまないが今日はこの辺にしておいてくれ。このままでは店が潰れてしまう」と言われた。


俺としても今日のポーカーが原因でこの店が潰れては流石に後味が悪いので、ここで引くことにした。


ついでに庄吾たちが俺に心酔し始めたのは計算外だったが、まあ楽しい学校生活が送れそうなのでよしとするか。


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転生彫り師の無双物語 〜最弱紋など、書き換えればいいじゃない〜

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