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閑話 裏にいた人を唆した裏の人間の裏の顔

・2024/03/24

 一部修正


〔Side.教皇〕


「――以上のことから、他に地下室で製造されたオークはいないものと思われます。しかし大量のオークが移動したことによる、聖国に存在する魔物の生息地への影響はまだ調査中とのことでした」


「ご苦労です。ですが、万一ということもあります。念のため冒険者ギルドの方には連絡をして、近日中に話し合いの席を設けるよう伝えてください。それと各村・街の警備をしばらく強化し、村長と領主には警戒を怠らずに何か些細なことでも報告させるようにしましょう。手紙は明日の朝までに用意するので早馬の準備を忘れずに。魔物の生息地に関する調査は終わり次第、専門家を交えて話合わなくてはなりません。今の内に話を通しておくよう」


「かしこまりました。では、失礼します」


 報告を終えた神官が退出する。

 ここ数日は報告を聞くだけでも疲れる毎日だ。


「……ふう~」


 息を吐きながらイスに背中を預ける。

 私も年だな。以前より疲れやすくなっている。まあ、ここ最近の忙しさを考えれば誰でも嫌になるのだろうが。


 教皇という地位について、もう30年は経った。

 まだまだ現役でいられると思っていたが、そろそろ引退も考えるべきだな。落ち着いたら教皇候補を厳選するとしよう。


 私物を入れてある机の引き出しから菓子を取り出す。

 別れの際にユキナ様が礼にとくださったものだ。レモンの皮を混ぜ込んだクッキーで中々に美味い。10個入りのモノなので1日に1個食べるようにしている。初日はつい2個目に手を付けてしまった。自制の心は上に立つ者として大事だが、こればかりは仕方がない。


「ユキナ様とステラの手作りクッキーを食べられるとは……幸せだ」


 他の見習い聖女たちと仲良くするために作ったモノの1つだと言っていた。2人で作ったとなれば遠慮しないだろうと。

結果、見事作戦は成功して仲を深めることができたようだった。


 未だ聖都に戻れていないヴィヴィアンの分のお菓子も大量に預かっている。日持ちするが期限までに戻らないようなら皆で分けてくれと。湿気ないよう厳重に鍵付きの箱で渡してきた時は、さすがに苦笑いしてしまった。


「誰にも知られないように1人で食べなければいけないことだけは、どうしようもないのだが隠し事をしているみたいに思えてくるな」


 聖国の大恩人たるユキナ様。孫のようにカワイイ見習い聖女たちの中でも昔から努力家だったステラ。その2人の手作りお菓子ともなれば、下手をすると奪い合いが起こる。――いやマジで。


 冗談のように聞こえるが、このクッキーの存在が他の大教会の者たちに知られれば、老人いじめから始まり、良くて取り上げられたすえにオークションで高額取引。悪くすれば肉体言語を得意とする者たちによるデスマッチが行われてしまうかもしれん。


 いや本当に冗談抜きで。


 ユキナ様はイマイチ実感が足りないように感じていたが、聖国でのユキナ様とステラの名は予想以上に高まった。例の事件後から今日までに受け取った市民への聞き取り調査の書類を見ると、本当にあり得てしまうのだから恐ろしい。


 ステラは元からかなり顔立ちが整っているが、最近はユキナ様という友人を手に入れたからかますます輝いていた。

 ユキナ様は少々特殊な容姿をしているが、決して醜いわけではない。むしろステラとタイプが違う美少女だ。しばらく関わり見慣れてくれば、その容姿の美しさと心根の強さを感じ取れるはずだ。……どのように生きればあのようになるのか不思議だ。


 そして、そんな2人は今ここにいない。


「はてさて、あと何日で聖国を出られるか……」


 本当にならばずっとこの国にいてほしい気持ちの方が強いが、元々ユキナ様は部外者だ。何も関係ないはずだったのだ。それをこちらの都合に巻き込んでしまった。その理由もステラの命を救ってくれたからだ。

 ならば、縛り付けるわけにはいかん。


 あの方は自由気ままに歩き、人と触れ合い、絆を深め、“幸”を運んでくる人なのだと根拠なく思える。

 そんなユキナ様の元にいればステラも安心だろう。


 安心、なのだが――


「むう……少々違うだろうしユキナ様にも失礼になりそうだが、孫娘を嫁に出す家族というのはこんな気持ちになるのだろうか?」


 ユキナ様は一部の女性や子供には特に人気がある。

 顔というよりその性格が良いそうだ。


 もしもユキナ様が男性ならばまるで逃避行のような……ゲフンゲフン! やめておこう。ユキナ様(男性版)がお姫様だっこで花嫁姿のステラを抱えるアホな想像をしてしまった。突然、背中に感じた悪寒が気になる。遠くでユキナ様がこの老人の想像した光景を直感的に感じ取ったのかもしれん。


「ああ、それにしても――」



 ユキナ様と共に旅立ったステラのことが毎日のように気になる。



 表向きは例の事件を境に急激に増大した聖女の力を扱えるようになるため、ユキナ様に同行し、修行するために聖都を離れたことになっている。


 ユキナ様によるとエンジェルオークを倒した際に放出された聖女としての力――その内帰る場所が無いもの(恐らく称号が無くなったかつての見習い聖女たち)と、それ以外の聖女としての1人1人が持つ力の欠片程度(1つが小さい力でも多く集まればバカにできない)が行き場を求めてステラに吸収されたのだと考えられるらしい。


 私も首に掲げられた魔道具で確かめて驚いた。たった半日でステラの聖女としての力が急激に増していたのだから。それも、ユキナ様に匹敵するレベルにまで。


 ただし、いきなり大きな力を持ったがために今まで通り力を振るうのが難しいそうだ。スキルや称号がいくつも増えたからなのであろう。

 ステラに教えられるものだけでいいと尋ねてみたが、ユニークスキルも含め称号も聞いたことがないものばかりだ。ユキナ様も相当数のスキルと称号を持っていると思われるが、詳しくは教えてもらえなかった。

 しかし、こればかりは仕方がない。身分証の役割も持つ冒険者ギルドの魔道具は本人にしか操作できないうえに、その内容は基本として他人に教えてはならない。教えるとしたら余程の信用を得ている者だけだ。


 私はそれを教えてもらえるほど親しくなれなかった。

 ただ、それだけの話だ。


 そして裏の――本来の理由はユキナ様に匹敵する程の聖女の力を有するようになったステラを、聖国の象徴である次代の聖女にしようとする動きが決して少なくない意見であったからだ。ユキナ様には何か理由を付けてその席を変わってもらおうと。


 嘆かわしい。そして恥ずかしい。

 それに1番憤りを感じるのはステラだというのに。


 確かにユキナ様はステラを含む見習い聖女たちの中から聖女が出るまでの時間稼ぎに過ぎなかった。しかし、それを知るのはユキナ様本人を除けば私とステラだけだ。他の者は知らん。なのに、そんな意見が出てしまった。


「あ奴らはユキナ様とステラの仲の良さを見たことないのか?」


 ユキナ様が去ったあと、自然とステラが聖女として認定されるのとは訳が違う。派閥や個人の思惑がある以上、組織として出てしまう問題の1つではあるが、ステラを担いで恩でも売ろうと思ったのか。そんなこと迷惑以外の何物でもないというのに。


「だからユキナ様に付いていきたいと言ってきたのだったな」


 普通なら止めたいところだが、地脈の悪用が無くなり聖女の候補が今まで通り生まれるというのなら止める理由は薄い。

 ステラも気にしていたのだ。ほとんど変わらないスタート地点からの競争ではなく、自分だけが運よく力を持ってしまったことを。他の見習い聖女たちに悪いと思ってしまっていたのだ。


 あの子は人一倍優しいから、こんなことで1番になっても嬉しくないのだろう。それは他の見習い聖女たちにも言えることだがな。私が見た限り、最も競争心の強いヴィヴィアンですら「こんなんで勝っても嬉しくないわよ! 他の奴にくれてやるわ!」といいそうだ。あの子は負けず嫌いだが、正々堂々と勝負に勝つことで満足するタイプだ。


「……ヴィヴィアンも早く帰ってきておくれよ」


 急に大教会の中が静かになったように感じる。

 まともな者たちからすると、あの2人がいなくなって寂しく感じているはずだ。ヴィヴィアンはユキナ様に少し似ている。戻ってくれば多少なりとも大教会の空気もマシになるだろう。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 さて、ある意味今日の職務の中で最も気疲れしそうな時間がやって来た。だが、教皇として逃げるわけにはいかない。


「ご気分はどうですか? ……マッケンシー殿」


「そうだな。少なくとも貴様を見ても殺意が湧かない程度には気分はいいぞ。少し前なら意地になって一言も喋らなかった」


 マッケンシー元・枢機卿。今回の事件の首謀者。

 何やらユキナ様がしてくれたらしく、取り調べにも協力的になった。ただ、重要なことは私と直接話して伝えたいとのことで時間を作った。


「特別親しい間柄でもありませんでしたし、単刀直入に聞きましょう。今、アナタが言いたいことを全部言ってください」


「……随分とおおざっぱだな」


「でしょうね。しかし、時によっては理屈や職務など関係なくフワッとした流れで話し合った方が上手くいく場合もあると学んだのですよ」


「……あの白い聖女の影響か?」


「ええ。あの方と深く関わって影響を受けない人がどれだけいるでしょうか? まるで常識に捉われない。違う世界から来たようですよ」


 本当にそう思ってしまう時が何度かあった。

 上手く説明できないのだが、根本から何かが違うのだ。アレはどういう形であれ、十数年生きただけでなるものでは無い。そもそもで生まれ育った環境や常識が我々と大きく掛け離れているのではないかと思う時がある。


 本当に不思議な少女だ。


「ふん。案外他国でも予想外の騒動に巻き込まれるのではないか? アレは本人が望もうが望むまいが騒動の中心に気付けばいるタイプの人間と見た。確か見習い聖女が1人ついて行ったのだろ? 再会の時が来れば度肝を抜かれる程の成長を遂げているやもしれん」


「ハハハ……冗談では済みそうにありませんな」


 だが、ステラが人として成長するなら喜ばしいことだ。


 ふと気付く。

 私はごく自然にマッケンシー殿と談笑していなかったか?

 恐らく、ユキナ様という共通の話題があるからだろう。


「……ワシも、もっと気楽に考えれば違った人生になっていたかもしれん」


「ほう? それは……」


「ワシはな、若い頃は純粋に教皇という存在そのものに憧れていた。地位など関係なく、あのように聖国をまとめ上げる者たちのトップになりたいと思った。しかし、ワシはなれなかった。例えお主がいなくても、教皇になることはできなかった。枢機卿が限界だった」


「……」


「いつからだろうな? 心に暗いものができた」


 暗いもの。

 それは嫉妬や羨望などの負の感情だろう。


 ユキナ様も以前言っておられた。負の感情は人ならもって当然の感情だと。大切なのはそれを、どう心の中で整理することができるかだと。自分だって毎日のように、神に対して負の感情を隠すことなくぶつけていると。


 長年教皇の地位にいるが、かなり衝撃的な言葉だった。負の感情を抱いてはならないと教わってきただけに目から鱗が落ちる思いだった。

 ……最後のセリフは聞かなかったことにしたが。ええ、間違ってもユキナ様が「あんの神め、無様に転んでねえかなー」などと恐い顔で言うはずがありません。私が見たのは幻覚だったのでしょう。


「だから地下室の存在を知った時は、魔が差してしまったのだろう。教会に所属している者の中でも問題のある者を選んで派閥に取り込んだ。禁忌の研究に手を染めた。地下室の転移陣から試験用のオークを外部に出すだけでなく、件の白い聖女にけしかけたりもした。何より、地脈を悪用して聖女の力を……。無念のまま諦めるしか無かったかつての見習い聖女たちには悪いことをしてしまった」


「マッケンシー殿……」


「ワシは残りの短い人生を後悔と謝罪の心をもって生きていくこととする。ワシの過ちを後世に残し、同じ間違いを犯す者が出ないようにしてほしい。もう、絶対にあってはならないのだ」


 そう言って、頭を下げてくるマッケンシー殿。

 本当に憑き物が落ちたような変わりようだ。



 これもユキナ様の――いや、待て。……本当にそうか?



(何だ? 何か違和感があるような……)


 そうだ。まだ疑問が残っていることもある。


「マッケンシー殿、最後にいくつかよろしいか」


「なんだね?」


「なぜエンジェルオークなどを使ってクーデターを起こせば教皇になれると思ったので? 聖国に住まう者は誰も納得しないでしょう?」


「何を言っている? 聖女の力を溜めこみ変質した魔物を暴れさせれば、ワシは教皇になるだろう?」


「……は?」


 おかしい。何かがおかしい。

 何を言っているのだマッケンシー殿は? 脈絡も、理屈も、何もかもが無い。目的と行動も嚙み合わない。


「待て。ちょっと待ってください。なぜ魔物を暴れさせたら教皇になれると言うのです? あの日、そちらの計画が仮に上手くいったとしてだ、どのように大教会を纏めるつもりだったと。私がすぐに死ねば混乱はあるでしょうが、信用できる優秀な者たちもたくさんいる。他国に救助を求める者はいるだろうし、中にはそちらに従うフリをして機を窺う者もいる。仮にも枢機卿だったマッケンシー殿がそんなことも分からんとは思えません。一体どういう道筋で具体的に教皇になるつもりだったので?」


「そんなもの簡単だ。それは……それ、は? ………………どうやってだ。そうだ。どうやってそれで教皇になるというのだ。しかし、真なる聖女であるエンジェルオーク様がいればワシは教皇になれ――るわけがない! 何だ!? どういうことだ!? なぜそんなことを思ったというのだワシは!?」


 イスから立ち上がり取り乱すマッケンシー殿。


 何が起こっているか分からない。が、非常にマズイ気がする。長年の経験からこれ以上マッケンシー殿に考えさせてはダメだと――


「マッケンシー殿、ひとまず落ち着いて――」


「おかしい! 絶対におかしい!! いくらワシが愚かだろうと、そんなことが分からないはずがない!! 何故だ!? ……そうだ。そもそも地脈に悪影響を及ぼすようなとんでもない魔道具などワシは知らん。だが、確かにワシはアヤツ・・・から受け取って――誰だ? 誰からそんなものを受け取ったというのだ!? アヤツとは誰だ!? ワシに何をした!? なぜアナタ・・・がそのよう……な、ぐぁ、ぁ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


「マ、マッケンシー殿!」




 突如頭を抱え、支離滅裂なことを叫んだかと思いきや、異常なほど苦しみだしたマッケンシー殿は鼻から血を流して倒れた。


 すぐに回復魔法が使える者たちを集めて治療し、回復薬の類を使用したのいも関わらず……マッケンシー殿の意識は戻らなかった。生きてはいるが、目を覚まさないのだ。


 そして最悪の報告は続く。


 マッケンシー殿も言っていた地脈に悪影響を及ぼす魔道具――10年以上に渡って大陸中から聖女としての力を魔物に与え続けた魔道具。それを回収しに向かった部隊が見つけたのは、最早どんな形だったかも分からぬ程に原型を留めず破壊された魔道具の破片だった。


 壊れ方から推測すると、つい最近になって内側からの衝撃で破壊されたのではないかと。つまり、自壊だ。

 何のために? 我々に調べさせないためだろう。


 私はここにきて、ようやくマッケンシー殿が何者かに利用されたのだと分かった。それも想像を絶する残忍な心の持ち主によって。


 何者かは分からない。

 だが、マッケンシー殿の起こそうとしたことを食い止めた者にソヤツが興味を持ったとしたら……?


「ユキナ様。ステラ。頼む、無事でいてくれ」


 私には大切な2人の行く末が不穏なものとならないよう、神に祈ることしかできなかった。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




〔Side.???〕


「――以上が聖国でのクーデター未遂、並びに特殊個体オーク襲撃に関する報告となります。詳細はこちらに」


「ご苦労様です」


 暗い場所だった。そして簡素な場所だ。

 そこには丸机とイスしかないのだから。


 その場所にいるのは報告書を持った男と、イスに座る女だけだ。


「しかし、大丈夫でしょうか?」


「何がです?」


「この件にアナタが関わっていることが知られれば、面倒なことになるのではないかと」


「大丈夫ですよ。マッケンシー枢機卿、アレは本当に良い捨て駒・・・でしたから。少しでも私に辿り着きそうなら壊れるようにしておきました。死にはしませんが、一生目を覚まさないでしょうね」


 普通の人なら背筋が凍りそうになるセリフだ。

 女の言葉には何も感情が無い。人1人の人生を狂わせたことに義務的な、いっそ機械音声の方がまだ優しく聞こえると思ってしまうほど、何の感情も無く事実を言うだけだ。


「そんなことより、データは取れたのですか? 力の移動と個体への吸収・変化のデータは今後のためにも必要なのです。重要な実験を行う捨て駒のいる者が現状聖国だけだから、こんなにも時間が掛かってしまったのです。データが取れませんでしたでは話になりません」


「ご心配なく。そちらも問題なく取れております。すでにデータは必要となる部署へと届けて参りました」


「そう……ご苦労様。戻っていいですよ」


 男は部屋を出て、部屋には女だけになる。


「……それにしても、“真の聖女”ね」


 女は報告にあった白い聖女の少女を思い浮かべた。


「年齢からしても、聖女の称号を得たのはここ数年の話だと思うけど……どうやって力を得たのかしら? 大陸の外から来た? でも、可能性は低いわね。向こうには信仰なんて無いはずだし。一応調べてみようかしら? もしかしたら、捨て駒じゃない駒になってくれるかもしれないし。そうだわ。せっかくだから、手の空いているアレ・・にまた聖獣の森・・・・で材料集めをしてもらいましょう。今の内に不足しがちなモノは取り揃えないと、後々困りますからね。仮にも聖国の騒動を収めたのですから、念を入れませんと」


 女は丸机に置かれた仮面を手に取る。


「ねえ? 今代の聖女ちゃん……」


 仮面に描かれているものを、そっと撫でる。


「アナタにとって、神様ってなーに?」


 女は撫でる。

 仮面に描かれた逆十字を。



~その頃の雪菜たち~


ステラ(´・ω・)「そういえば、ユキナ様にとって神様はどんな存在ですか? 私は日々の感謝を捧げるべき相手だと思っていますが」


雪菜(´―`)「うーん? 日々の鬱憤を呪詛のようにして届ける存在かな? 今日の朝も真剣に呪ったよ。アッハッハッ!」


ステラ(;><)「罰当たりですぅユキナ様ぁ!」




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