SS ギルマス、修羅に遭遇す
・2023/11/04
→全て書き直し、あとがき劇場の内容変更
長いです。
時系列は王女誘拐事件から約一ヶ月後。
その日のことを冒険者ギルドにいた人は忘れないだろう。
誰が悪かったかと言えば、昼間からお酒を飲む奴が悪いのだろう。
その場にいた者たちはこの悲劇から賢くなった。
1つ、調子に乗って悪酔いすると高確率で事件が起こること。
2つ、セクハラする相手を間違えると命に関わることだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
王女誘拐事件から1ヶ月が過ぎた頃、依頼である魔物退治から速攻で戻ってきた雪菜は以前世話になったハルとクラウド、2人のDランク冒険者の先輩から声を掛けられた。
内容自体は「最近どう?」といった世間話程度のものだったが、クラウドがあることに気付いて話を振ったのが全ての始まりだった。
「そういえば、ユキナさんはまだボクたちのパーティー全員と会ってなかったよね?」
「あ、確かに」
「パーティーって『彗星の――ん? 『水星の』? えっと……魔女?」
それはV字アンテナのロボット作品。
「『彗星の光』だよ! アタシたち含めて4人のパーティー」
「初めて会った時はリーダーと魔法使いの2人がケガしていたからね。ケガ自体はとっくに治ったんだけど、療養と装備の買い換えでしばらく休んでいたし、ユキナさんもここのところ忙しそうだったから紹介する機会が無くて……」
「あ~、そういえばそんなこと言ってましたね」
ここ最近の雪菜が忙しかったのは事実だ。
何せ初めてできた友人を攫おうとした魔王教団の幹部は捕まっておらず、【ヘルプ】による情報収集も相変わらずで、一体いつ再び誘拐に動き出すかも分からない現状で雪菜ができるのはただひたすら強くなることだけだ。
王様から貰い受けた新装備の慣らし、エリザとの近接戦闘訓練、ニコラとのワンツーマンの魔法訓練、クラリスとのお茶会――という名のメンタルケア、冒険者として魔物や盗賊の類いとの戦いによる経験値とSPの増加、そしてリリィとの触れ合いや料理巡りによるリフレッシュ。その他いろいろ。
休みの時間こそ取り入れているが、毎日が何かしらの予定で埋まっていた。
新人冒険者とは思えないオーバーワークすれすれのスケジュールで毎日を過ごしているので、先輩冒険者たちからゆっくり休むよう言われるほど。
体がもう2つは欲しいのが実情だ。
倒れずに済んでいるのも各種スキルによって予想以上に身体が丈夫になっていることに加えて、疲労回復用の魔法薬を王族に融通してもらっているから。
……元々アルビノであるが故に、日本にいた頃は外へ出るにも日傘が必須で、体育の授業もほとんど不参加だった雪菜。最低限の体力があるのは進歩した医療技術でアルビノ専用のお薬が充実していたからだ。
技術の進歩バンザイ。
閑話休題。
「もしかして顔合わせ的な?」
「せっかくだしね。ちょうど今冒険者ギルドにいるらしいから……」
「どうせ依頼達成の報告しますから、ついでにいいですよ」
「ありがと~! リーダーも魔法使いの方もマッドバッドの件は本気で肝が冷えたらしくて、会ったら礼をって」
そうして雪菜たち3人で冒険者ギルドへ向かうこととなる。
道中で雪菜が聞いた話によると、以前パーティーで受けた依頼で魔物討伐へ向かったところ、通常種より強いとされる亜種が現れたそう。
戦闘は途中まで問題なかったものの、その亜種、知能が高い魔物だったそうで不意を突かれて魔法使いが標的となり、咄嗟に庇ったリーダーごとモロに攻撃を受けてしまう。
その後、紆余曲折あり討伐に成功したが攻撃を受けた2人とも骨を折るなどの重傷で、壊れた防具の買い換えもあるため長期間休みを取ることにしたらしい。そうして手持ち無沙汰になったハルとクラウドが雪菜のEランク試験の同行者になったという流れだ。
未だに魔物の亜種とは出会ってないが、通常の依頼で出くわすこともあるのだと心のメモに記録していれば冒険者ギルドへ到着していた。
カランカランと聞き慣れてきたベルの音と共に雪菜がドアを開けば、これまた見慣れた冒険者ギルドの風景が目に飛び込む。
ただいつもと違っていたのは――
「うぃ~~~もしかしてその白いお嬢さんが噂のユキナさんかぁ……?」
酔っ払いがいた。
顔を赤くして酒臭い息を吐く。紛う事なき酒に酔った男だ。
真っ昼間から何をしているのだろう。
そんな奴が自分を認識している事実に雪菜の口元が引きつる!
「おう、ハルにクラウドも昨日ぶr――」
「第一印象最悪よバカリーダー!」
ガスッ!とハルが放った左拳が男の顔面に突き刺さった。
――え? この酔っ払いが『彗星の光』のリーダーさんなの?という事実にさらに口元が引きつり、問答無用にグーで殴ったハルの行いでまた引きつる。
これ以上口元が引きつれない!
「ああクラウド、やっと戻ってきたか」
「デビット、これ一体どういうことだ?」
そんな中、クラウドに話しかけてきたローブを纏った強面の人物。
『彗星の光』の魔法使い、デビットである。
「実は――」
デビットから語られた内容をクラウドと、ついでに雪菜が聞けば――何てことない。プライベートで仲のいい女性と良い雰囲気になり、嬉しくなって昼間から酒をガバガバ飲んで冒険者ギルドまで来たらしい。……千鳥足で。
「気持ちは分かるけど……」
「男ってホント、バカですね」
「いつもは仲間思いの好青年なんだよ?」
「私には悪い酔い方したアホの兄ちゃんにしか見えませんけど」
リーダー(名をアレクというらしい)を見る雪菜の目が冷ややかになった。
尚、説明の間ずっとハルにドつかれている。
「ヒック、悪い悪い! いつもより酒が進んでさ~、あそこの店のツマミが美味いのが1番悪いよな~」
「他人のせいにすんな残念イケメン」
このアレク、特徴としては金髪のイケメンという近代のライトノベルでは俗に言う“かませキャラ”な見た目のせいで雪菜には「私が『オレ強えー』系の男主人公なら秒殺しそうだな。『何かやっちゃいましたか?』って」と考えていたりする。
オマエの方が余程失礼だとツッコむ者は残念ながらいない。
「ハルさん、これが酔っ払ってなければ好青年ってウソでしょ?」
「……残念ながら本当なのよ」
(今度からお酒を飲む時は気を付けよう)
できれば酔っ払ってない時に会いたかったと、好青年のアレクをちょっと思い浮かべようとして――
「いや~、にしてもこの白いローブ相当な一品でしょ? この辺のラインとかダボったく見えないようになってるしさ~~~」
――モミモミ。
お尻を……揉まれた。
「――な!」
「はぁっ!?」
その場にいた全員、余りにも突然のセクハラに声も出なかった。
いくら元が好青年だからといって、やって良いことと悪いことがある。ここまで酷い酔い方をしたの自体が初めてだとしても、未成年の、それも新人冒険者の少女にしていい領分を超えていた。事故ではなく故意であるので余計に。
ある者は男性として最低だと軽蔑し、ある者はあとで取らされるだろう罰則の内容を想像してニヤつく。
だが、事態は思わぬ展開を見せることになる。
「………………………………ふひっ」
その日、冒険者ギルドに修羅が顕現した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ほぼ同時刻。
ところ変わって、王都の冒険者ギルドへと続く道。
そこを歩く1つの集団がいた。
「や~~~っと見えてきたよ、我が冒険者ギルド~!」
「今回の視察、えらく時間が掛かっちゃいましたね」
「もー! それもこれも魔王教団のバカたれ共が悪いんだよね~!」
「確認っすけど、依頼料上乗せしてくれるんすよね?」
「当然。私は人が働いた分報いることを知っている大人だからねー」
「さすがです(っす)ギルマス!」
「いや~、褒めてもこれ以上は出ないぞー!」
新人だった頃から知っている、もういいオッサンと呼ばれる年まで生き抜いてくれたベテラン冒険者2人の煽てに乗っかる女性。
彼女こそ元Aランク冒険者であり、20代の見た目でありながら倍以上の時を生きたハーフエルフ、王都冒険者ギルドのギルドマスター、ユフィである。
(定期連絡じゃ私がいない間に起こった大問題は全部解決したらしいけど、戻ったら最低限の休みだけ挟んですぐ詳細を確認しなきゃねー)
そもそもユフィがレーヴァテイン王国から離れていたのは、王国内と隣接する国の一部にある冒険者ギルドを視察し、話し合いを行うためだ。
専用の魔道具を使えばギルド同士の連絡は行える。しかし、それはあくまで音声のみだ。実際に見なければならない案件というのも中には存在する。特に近年の魔王教団の活発さを考えれば、僅かでも可能性があれば足を運ばなければならない。
かの初代国王も「事態が大きく動いてからでは遅い。可能性があるなら小さい内に全力で阻止せよ。いやマジで」という言葉を残している。
そして実際、今回は動いて正解の案件だった。
他国の冒険者ギルドに魔王教団の人間が入り込んでいたのである。
本当に危なかった。
“顔の仮面”のユニークスキルは自身や他人の顔を変えるユニークスキルであるが、体格は変えられず、なりすましには向かないはずだった。記憶や仕草までは変えることができないのだから。
しかし、件の冒険者ギルドで働く職員が余りにも平凡な性格なうえに親しい者が誰1人居らず、魔王教団側に全く同じ体格で類似点が多い構成員がいたことでなりすまされてしまったのだ。
恐らくそこから徐々にギルドから情報を抜き出すか――はたまた手中に収めようとでもしたのか……どちらにせよ碌なことにならなかっただろう。
(いろんな偶然が重なって対処出来たから良かったけど……)
結果だけ見ればなりすましはバレ、魔王教団の企みは阻止された。
ギルド職員の正体発覚後、ユフィ自身も紆余曲折あって魔王教団の構成員たちと戦い、これに勝利している。
それだけ見れば良い結果かも知れないが――その裏で、罪の無いギルド職員の命が失われていたことを忘れてはならなかった。
(後処理から何まですることになって、本来の予定の倍近い時間を王都から離れることになって……案の定、問題も発生してるんだよねー)
髙ランク魔物の出没から、王女誘拐事件まで留守中に起こるなど誰が予想できようか? 裏で全てが繋がっていても不思議ではない、むしろ裏で糸を引いてる奴がいるに違いないと、ユフィは経験則から予想していた。
「……王様とも話し合いの場を設けなきゃねー」
「何か言ったっすか?」
「何でもないよー。――っと、やっと着いたねー我が城! 王都冒険者ギルド! 今日も威風堂々とその姿をドーン!と市民に見せつけて――」
――ドォオオオオオオオオオオオオオオンッ!!
やっとの思いで帰ってきた王都冒険者ギルド。
その壁の一部がド-ンッ!と吹き飛んだ。
「………………」
開いた口が塞がらないユフィ、同行していたギルド職員のメガネはずり落ち、護衛のC~Aランク冒険者たちは一瞬遅れて戦闘態勢に入る。
ユフィが必死に頭を働かせている間にもギルド内からは「緊急退避~!」「気持ちは分かるから落ち着――ゴハッ!?」「ギランの旦那―!」「やめてー! アレクのアレクが死んじゃうよ!」「あぁ、あぁあ……何で、こんなことに……!」という声と共に轟音が響く。
それこそ、冒険者ギルドが倒壊しかねない程の……
「私の城おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
駆けるユフィ。
これ以上、職場兼自宅を破壊されてなるものか!!
そして壁がなくなり風通しの良くなった所から入って見たものは、
「フシュゥゥゥゥゥゥゥ……コー……ハアァァァァァ……」
口から蒸気(!?)を吐き出し、目を真っ赤に光らせ、白いローブの一部を赤く染め、肩にハルバードを担いだ修羅のごとき少女!!
「……え? 誰? 悪魔???」
ユフィ、あまりの事態に理解が追いつかず。
長年のギルドマスターとしての経験が活かされない!
「ギルマスだ!」
「やっと帰って来てくれたのか!」
「誰でもいいから嬢ちゃんを止めろ! このままじゃ、このままじゃ……! アレクの息子が死んじまうよーーー!!」
状況は最悪だった。
ユフィは知らぬことであったが、生まれて初めて異性からセクハラを受けたことで雪菜の理性はほぼ吹き飛んでいた。
今ここにいるのは、憎き下半身直結酔っぱらい男の大事なものを潰すことしか頭にない、狂戦士雪菜だ!
ちなみに、突如顕現した修羅によってギルド内は死屍累々であった。
殲滅目標はアレク1人だけであるが、下半身を蹴り上げられ、泡を吹いて意識を失ったアレクに追い打ちを掛けようとする雪菜をその場にいた冒険者総出で止めようとした結果……理性が弁当の黒豆程度しか残っていない修羅によって全員蹴散らされてしまった。
BランクどころかAランク冒険者も加わってこれである。
止めようとしただけであり殺す気で向かったのではないにしても、髙ランク冒険者を瞬殺した雪菜にギルドの中にいる者たちは戦慄している。
尚、最初に止めようとしたクラウドはゴミ箱の中で犬〇家を披露し、ギランは天井に頭から突き刺さって体をプラプラさせている。
【スキル:思考加速】によってようやく事態を飲み込んだユフィは魔王教団の襲撃の類いでは無かったことに安堵しつつ、「あれ魔王教団の幹部クラスにヤバくない?」と冷や汗を流す。
そして事態は動き出す。
雪菜が脚を上げ、その下で踏んづけられていた気絶中のアレク――の下半身に狙いを定めたのだ。
辛うじて意識のある男連中は、数秒後にはアレクが男として終わってしまう未来を想像し、青ざめながら目を背ける。
瞬間、勢いよく振り下ろされた脚は、
「『バリアー』!」
ユフィの持つ【ユニークスキル:バリアー】によって阻まれた。
「ちょーーーっと待ってもらおうかな、そこの子。いや、何とな~く女の勘で諸悪の根源が足下で気絶中の冒険者なのは分かったけど、これ以上は私の顔に免じて――」
「 誰 だ 貴 様 ? 」
地獄の底から響くような声が雪菜の口から出る。
間違っても14歳の少女が出しちゃいけない声だ。
「え? 私のこと知らないの……?」
「 邪 魔 立 て す る な ら 容 赦 せ ん 」
当然ながら雪菜はユフィのことを一切知らない。
王都に来たのは約一ヶ月前のことであり、ギルドマスターが不在なことは記憶しているが、それがどのような人物かは本当に知らないのである。
故に、弁当の金平ごぼう程度しか理性が残ってない今の状態では新たな邪魔者が来たぐらいにしか認識していない。
端的に言えば、ユフィは目の前の修羅のヘイトを一身に受けることになる。
(……あ~これは久々に覚悟を決める必要がありそうだねー)
袖をまくり、戦意の籠もった目で修羅を見返す。
「そんなにケンカしたいなら相手してやる! 王都のギルドマスター舐めんな、うおりゃああああああああああああ!!」
かくして、新人冒険者の皮を被った修羅とギルマスの戦いが始まった!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「懐かしいですね、あの頃はまだ青かった」
「まだ半年も経ってないのにしみじみ言うのどうなの?」
時は経ち、雪菜が王都から旅立つ前日。
雪菜とユフィは冒険者ギルドのギルド長室で会っていた。
そこで話題になったのが初めて会った日のことだ。
結論から言えば、死闘の末にユフィが勝った。
長年の経験が無ければ負けていただろうとは本人談。
「ユキナさんとは二度と戦いたくないねー。新人とは思えないほど力も強くて足も速くて、そのうえ未来でも見てるんじゃないかってぐらい勘がいいのか罠で張った時間差の【バリアー】も対処するし、全然こっちの攻撃が効かなくて、なのにそっちは伝説級の武器で【バリアー】壊しまくるし……正直、戦いが予想外に長引いて疲れたことよりギルドの被害が大きくなっていく方が殺意が沸いたかな?」
「その件は諸悪の根源が別にいるので全部ソイツのせいということで」
「わー清々しいまでの責任転嫁だねー……事実だけど」
ユフィに制圧された雪菜は親交のある受付嬢エミリーの「リリィちゃんに言いつけちゃうぞ~」の一言で正気に戻った。
いとも簡単に正気に戻ったのを見て、さっきまでの死闘もしかしていらなかったんじゃ……?と周りの冒険者たちが思ったのは別の話。
先程までの事が事なので戦々恐々としながら雪菜と詳しく話すこととなったユフィは、予想以上に話の分かることに安堵する。最低限の礼儀ができていることに目を丸くしたほどだ。
顛末としては、雪菜にはギルドの修繕作業を含めた一週間の奉仕活動を、諸悪の根源である酔っ払いにはギルドの修繕費及び巻き込まれた冒険者たちの医療費と、雪菜への慰謝料がアレク個人に課せられることとなった。
「あの事件、事が大きかっただけにすぐ街中に広がったから、アレクくんの意中の女性もそっぽ向いちゃったんだってねー」
「ザマぁ」
そんなアレクであるが、雪菜を逆恨みする――ということもなく土下座で謝罪し、今後10年はお酒を飲まないことを命に誓う。
その顔は後悔でいっぱいであり、大衆の面前で気が済むまで殴ってくれていいと自ら頬を差し出すぐらい自分を許せない様子であった。
それを見た者の中には、普通に良い男なのに少し飲み過ぎただけでセクハラするようになるとか酒って怖え~と飲み過ぎには注意しようと堅く決意すると同時に、プライドを全て捨てて大勢の前で謝罪して見せたアレクを少しだけ見直した人もそれなりの数がいた。
「まあ、その出された頬は思いっきりぶったんですけど」
「鬼かな?」
「続いての左頬への本気ビンタで意識を失ってましたね」
「悪魔かな?」
「右頬を出されてぶったら、返す手で左頬をぶつのが古代からの決まりで」
「そんな決まり大昔からないよ!」
~あとがき劇場~
剣二(;´・ω・)「キリストの言葉を都合良く改竄するなよ」
雪菜(#´・ω・)「やかましい。オマエにだけは言われたくないわ。後世にいらん知識ばっか残しおってっからに」
剣二(― ―;)「しかし、異世界に来て一ヶ月ちょっとでギルドマスター相手に良い勝負するとは……」
雪菜(´・ω・)「理性が弁当のプチトマト&ブロッコリー程度しか残ってなかったのが返って良かったみたい。それまでは高く上げ過ぎちゃったパワーやスピードを理性で抑え込んでいたせいで活かしきれなかったけど、理性がぶっ飛んでたあの時は本能だけで制御していたらしい。おかげであのあと近接戦闘が強くなったよ」
剣二(― ―;)「あ~……暴走状態になって逆に次のステップへ進めたアニメキャラみたいなものか」
雪菜(´・ω・)「最後はサンドイッチみたく『バリアー』で挟まれて終了」
剣二(― ―;)「にしても、お尻揉まれたぐらいで理性飛びすぎじゃないか?」
雪菜( ゜言゜)「あ゛ぁん? じゃあオメエ、セクハラされたことあんのかよ!?」
剣二( ;∀;)「オカマに尻狙われたことありますが? ……怖かった」
雪菜(´・ω・)「すみませんでした」




